俺はほぼ無職と変わりはなく、月収は6万しか稼いでいない。個人事業主としてマッサージ師をやっている。良く言えば社長というやつだけど、実際のところはおばあちゃん達にマッサージをしてお小遣いをせがむオレオレ詐欺野郎だ。
俺は別に人間が嫌いじゃないけど、いざ働くとなると人間関係で苦労することが多かった。仕事の悩みは9割が人間関係だと言われているが確かにその通りだと思う。どんな仕事も、一人でのびのびやれたら大概上手くいく。世の中にはどうしようもないほど馬鹿で下劣な人間がいて、仕事はそんな人間と足並みを揃えなければならない。
俺はこれまで印刷工場や家電量販店の店員やデイサービスで訓練指導員で働いたりしていたけど、どれもこれもパッとしなかった。ミスばかりしていた。一番ひどいミスは軽自動車に5人乗った状態で送迎して警察に捕まったことだ。「お婆ちゃん達がわからないのはしょうがないかもしれないが、なんであんたそんなことしらないの?」と警察に言われてしまった。職場に戻っても言われた。面倒だから法定を無視して乗せたわけではなく本当に知らなかった。
仕事は本当に楽しくなかった。いつも自分の時間が奪われてる感覚だけが続いて、これがあと30年続くなら今ここで死んだ方が絶対にいいと思っていた。辛いから死にたいわけではなく、これから30年我慢するより合理的だと冷静に算出して自殺しようか考えた。
人間関係が苦手だから新聞配達をやるところに帰着するかというと、正確に言うとそうではない。ただ、自分の時間の流れがボーッと続くような感覚が欲しいのだ。その感覚だけがずっと一日中続いて起こる。そうでないと仕事なんて続けられるものではない。まぁ、なんだかんだ真面目に働いて800万くらいは貯金したけど……ね。
これでも学校な好きで、学生の頃は毎日が楽しかった。常に受動的でいいし、自分の呼吸がずっと続いているような感じがした。働くということは時間だけでなく呼吸も奪われる。
ここまで言えばわかると思うけど、新聞配達は俺が考える限り一番自分の時間と呼吸が続く仕事だと思っている。ただ原付でぼーっと走ってればいいだけのように思える。郵便配達の方は結構頭を使うらしい。時給は高くなるが大変らしい。配達前の分類作業があったり郵便物の種類や契約や配達先の人が出たり出なかったり色々あるみたいだけど、新聞配達は本当にただ配るだけでいいらしい。それは友人が言っていた。1日中脳を使わないらしい。好きなことを好きなだけ考えていられるらしい。トラックはずっと高給になる。新聞配達より大変そうではあるが、9割が運転しているだけだろうから、免許取ってやるべきだと思う。人間関係が不得意な人は。やったこともないくせに偉そうに言ってごめんなさい。
若ければ基本どんな仕事をやってもいいかもしれないが30代になるとそうはいかない。若いヤツらと混じって弁当を食うのも嫌だし、ハイハイ言いながら首を縦に激しく動かして生きるのも嫌だろう。スタッフないし客全員から可哀想な生き物だと思われながら働くのもきついだろう。
俺はとりあえず月給6万で何とかやりくりしている。とりあえずこのまま個人事業を続けていくつもりだけど、金に困ったら顧客を増やすかバイトをしなければいけない。理学療法士の資格を持っているので、その手の職に就くことも可能だが、治験や楽そうなアルバイトも視野に入れている。
深夜のコンビニもいいらしいが、こいついい歳して何やってるんだと一緒に働く大学生に思われるし向こうも嫌だろう。
ブラック企業で疲弊している人達は、新聞配達じゃだめなんだろうか? トラックじゃだめなんだろうか? そんなに稼がなきゃだめなんだろうか? 俺は一人暮らしで6万以内で生活しているけど?
ああ違う、人間関係が苦しくて仕事が続かない人向けの記事だった。人間関係に苦慮している人は配達系の仕事をされてみてはどうでしょうか。