少し前に、母親が子供を炎天下の車中に置き去りにしてしまい、子供が死んでしまった事件があった。
虐待と違って、不注意が災いして死んでしまった悲しい事件である。
冷房をつけっぱなしにしておけばいいと思って、冷房だけかけておいて、そのまま数時間ごはんを食べに行ってしまったらしい。
Twitterやらでも、凄まじい叩かれようだった。母親を擁護する意見はひとつもなく、すでに自責の念の最高潮まで達し、自身と他人の声から逃げようと、いまこの世界からも逃げようとしている人に向かってなお攻撃することは、炎天下の車中に子供を置き去りすることと変わらないくらい悪辣だと思うが。
現在どころか、未来にわたって母親は一生バカの烙印を押されて生きることになり、これからどんな正論をいっても無下にされ、ろくに人に話を聞いてもらえなくなる。その報いを前にしてまだ攻撃が足りないというのか。
炎天下車中置き去り……。小生はこれだけは他人事とは思えない。この事件が報道される度に、冷やっとする。小生の方は凍死しそうになる。
小生は車中置き去りだけはやらないようにと、バカのひとつ覚えのように、それだけは繰り返し頭に叩き込んでいる。それはつまり、注意しないとやってしまいそうだからである。
子供のころ、公園の砂場にとんでもない深い穴を掘って、それを埋めずに帰ったことがある。近所の人の通報で小生が犯人だとバレて、親にすごく怒られた。あんなに苦労して掘ったのに、どうして埋めるんだと小生は泣き叫んだ。朝から晩までかけて1mぐらい掘った。
それから10年後、ある大人がふざけて落とし穴を掘って、気づかなかった近所の人が落ちて死んでしまった事件をニュースでみたとき、やっとまわりがいっている意味がわかった。
だから車中置き去りと穴掘りだけはやらないようにと心がけているけど、それと同じレベルの別のことはやってしまいそうで怖い。
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この前、実家に帰ったら、誰もいないのにリビングのエアコンがつけっぱなしになっていたから消しておいた。そのあと、親にめちゃくちゃ怒られた。猫のためにつけていたらしい。猫も、エアコンがないと死んでしまうらしい。
そんなことはまったく気づかなかった。こんなふうに、後になって言われるとなるほどと思うことが多々ある。逆にいえば言われるまで気づかない。気づかない以上は防ぎようがない。小生が結婚をしぶる理由にこれがある。小生は不注意が理由で子供を殺してしまいそうな気がする。
ある既婚者の女性がいっていたのだが、子供を寝かしつけておいて、その間に二人で外出しようと夫にいわれて、そのとき本気で離婚しようと思ったらしい。それからしばらく口を聞かなかったとのことだ。
小生はハハハと笑って聞いていたけど、内心はブルブル震えていた。たぶん小生はやると思った。寝てるならいいじゃんと思ってしまう。赤ちゃんだったらやらないけど、4、5歳くらいならやってしまいそうな気がする。
エアコンをつけておいて、水を飲めるようにしておけばよくないだろうか？ どうして放置したらいけないの？
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大体これくらいでいいだろうという基準が人より甘く、そのせいで仕事でたくさんミスの山を築いてきた。だから、いつだって間違っているのは小生の方だ。おっちょこちょいは苦労する。おっちょこちょいは人を殺してしまう。
今回の車中置き去り事件も、ちゃんとエアコンをつけておいたのに死んでしまった。バッテリーが上がってしまったのか、子供が誤ってスイッチを切ってしまったのか、原因はわからないが、エアコンが止まってしまっていたらしい。
小生だったら、コンビニで買い物に行く程度だったら子供を車中に残す。レストランで食事となるとやらない。スーパーの買い物もやらない。まぁ、5分離れるぐらいが目安といったところか。5分以内だったらそのまま置き去りにする。
周りで子供が死んだなんて話は聞いたことがない。みんな、ちゃんとやってるなぁと思う。ポン引きみたいな見た目して、金髪で、ドンキの刺繍が入ったようなパーカー着てるような親でも、子供殺さないもんなぁ〜と、本当に感心する。
留守番頼むねといわれて、子供を2、3時間ずっと見守り続けるということは、実はとても難しいのではないだろうか？
いつも暴れているならともかく、寝たり静かになったりと緩急をつけられたら、こっちも気を抜いてしまうだろう。少し目を離した隙に、ガスコンロに火をつけて手を突っ込まれたら、悪いは小生の方になるんだろう。
ドトールに子供がよく来るけど、いつも奇声をあげてて、本当にキチガイだと思う。比喩じゃなくて本当にキチガイだと思う。
たった一つの対象にずっと集中して見守るというのは相当に難しいはずだ。2時間か3時間、ボケーッとしてしまったり、どこかトリップしてしまったり、何かをしながら監視するのは難しいし、何かをしないで監視するのも難しい。
いくらなんでも難しすぎないか？ だから、下品で人の物を盗むクソガキに育ったとしても、その歳まで生かすことができた親を尊敬する。
独身女性と既婚女性の注意力がまるで違うのは、こういうところからきているのだろう。既婚女性と一緒に働くと、その凄まじい注意力にいつも驚かされる。