理想の食生活を求めて、文献を探し回っていると、なぜ昔の偉人たちはみんな玄米を食していたのかという疑問に突き当たる。
さすがに生で食べるというレベルになると肥田春充先生と甲田先生と西勝造先生ぐらいかもしれないが。
玄米の生命力
なぜ偉人たちがみんな口を並べて玄米というかというと、玄米の持つ生命力にある。確かに栄養サイトのページでスコアを見ると、全体にまんべんなく栄養素があるのはわかるけど、本質はそこではなく、玄米自体が生きた食べ物であるからだ。
友達に最高の食養法を教えて欲しいと言われたので、「生の玄米を水に1日浸すと、先端がぷっくり膨らんできて、 玄米の栄養素のほぼ全てが底上げされて、生命エネルギーが充満するので、 そうやって食べるのが良い」と言ったら、「うわぁ……」といわれた。
これを発芽玄米というが、俺は発芽玄米は何度か試したけれど、あまり好まない。調べていると、発芽玄米の方が美味しいとか、柔らかくなって食べやすいとか、栄養も豊富だとかあるけど、固い方がポリポリとお菓子感覚で食べられるし、香りも無臭で好きだ。
水に漬ければ発芽するし、土に蒔けば芽が出てくるのは、玄米が生きている証拠だ。コンビニ弁当を土に撒いて芽が出てくるだろうか? これはまた他の記事で説明するけど、私たちは食べ物を化学的なスコアでしか判断しないが、エネルギーにこそ真価がある。エネルギーとは太陽エネルギーであり放射能である。
「同じ栄養価を持ったものでも、分解して科学的に集合した人工の食物と生きた芽の出る食物との間には、生きているものと死んでいるもの、すなわち生命の有無によって人体に与える効果は天地の差があることに刮目すべきだ。玄米を分析して、これこれの栄養、いくらいくらの物量があるからといって、人工的に抽出したそれらの成分をまぜて、それに太陽と水を与えて、生きた芽が出るだろうか?
胚芽がよいからと、米や麦から胚芽だけを抽出した瞬間から死物と化してしまっている。そんなものをいくらとってみても芽が出ない死物である以上、それから生まれる細胞は健全な細胞であるはずがない」肥田春充
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私達は太陽エネルギーを食べて生きている
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(虫やスズメも1番栄養がある部分を食べる)
生の玄米と炊いた玄米では、雲泥の差があると肥田春充先生は言っている。 炊くとエネルギーが死んでしまうからだ。
屈指の長生きの徳川家康も、関が原合戦の折 、兵の体力増強のため 「発芽させた玄米 」を炊いて食べるよう命じたと伝えられている。
どの記事にも、肥田先生、肥田先生と俺はうるさいけど、この写真を見てもらえれば、少しは分かってもらえると思う。
何歳に見えますか? この方これで58歳なんです。 中国の武術家のような超人じみた雰囲気があるけど、2枚目の写真は赤ちゃんのような目をしている。赤ちゃんの目というのは透き通っていて、たかが生後2ヶ月の人間に見破られているような気分になるけど、春充先生の瞳からも同質のものを感じる。俺も58歳の時こんな風になりたいから、真似ばかりしている。
そして恐ろしいことに生玄米とレタスを少し食べるだけで、この体躯を創りあげている。ほぼ霊肉なのであろう。というか霊にしか見えないけど。
甲田先生は細いけど、骨格はしっかりしている。そしてこの髪……、異様だ。甲田先生もハゲと白髪を治したかったら、玄米を食べなさいと言っている。甲田先生も粉にして生で食べていた。 こういう髪になりたい人も玄米食をお勧めする。
しかし注意したいのは、生玄米食をすることでこういう髪になるという直接的な理由ではなく、大腸が綺麗な状態で生玄米のようなエネルギーにあふれたものを摂取するから、身体全体に滋養が富み、髪にもその栄養が行き渡るという解釈である。
玄米と身土不二
玄米を考える上で身土不二の概念は欠かせない。 縄文時代から我々の食生活の土台になっている。当時は土器の中に蒸していたらしい。「和 」という字は 、禾 (のぎへん )に口と書く。禾とは穀物の総称である。穀物を口にすると書いて 「和 」を読む。漢学から見ても玄米が愛されてきたことがわかる。
いくらバナナやキウイが栄養があるといっても、それらはエクアドルやニュージーランドの食べ物であって、この地で生まれたものではない。神様はその土地に必要なものを時期を見て与えてくれるのだから、それに逆らってはいけない。栄養スコアだけを見ているとこういう間違いをしてしまう。
いくらバナナが栄養が良くても体を陰性にして冷やしてしまうものだから冬には良くないし、熱帯に住む人々のためにある。俺は他の記事でひたすらバナナを褒めそやしたけど、今は輸入しなければどうにもならない食事情は間違ってると考える。だが、食べていて調子は良かったので、添加物まみれの変なものを食べるよりかはずっといいだろう。
夏になってスイカが現れるのは、それは発汗して失ったカリウムの補給や、強い日差しを浴びて酸化した血液をアルカリ性に戻してくれるからだ。冬にりんごが出てくるのも、身体を暖めるためだ。
玄米と霊性
玄米食をすると、霊的な能力が見につくと言われる。
肥田春充先生は、霊性は人間がもともと持ち合わせており、 玄米を食べるから霊的能力が身につくのではなくて、 玄米の排泄作用が飛びぬけていて、これまで腸内に溜め込んだ重金属や化学物質を排泄するからであるという。腸内のゴミやカスを排泄することによって、生まれた頃の本来の身体に近づくことができる。肥田先生も甲田先生も奇跡的な能力だったり、尋常じゃない頭のいいエピソードがいくつもあるけど、それは生玄米菜食をすることで宿便が出て、腸が綺麗になったためだと言う。西洋医学でも、腸は第2の脳と言われている。
玄米と便
生玄米を食べると、その便に驚かれると思う。俺の便の状態というと、やや緑がかっている。柔らかそうでボソボソしたような、極めて繊維質の高い便が出てくる。なぜ、こんな綿アメのように膨らんでボソボソした感じの便がでてくるのかというと、玄米が腸壁のゴミを掻き集めてくれるからである。
少食にして、柿と生玄米と味噌と昆布だけを食べていると、このような便になる。また、生の玄米を食べると、 便の周りに玄米の皮がいっぱい張り付いて出てくる。初めて見る人はぎょっとするに違いない。
「なんだよ、玄米って食べても消化されねえのかよ。そのまま出てきてんじゃん?」って思うに違いない。でも、これは玄米の皮が張り付いているだけで、中身は消化されている。
この不消化性に玄米の良さがある。消化されなかった玄米の皮は、大腸壁にへばりついて腸の蠕動運動を促しながら、これまで溜まっていた重金属や化学物質などをかき集めて排泄してくれる。俺はおかしいなと思って、あんなにいっぱいペースト状になるまで噛んだのに、どうしてこんなに皮がいっぱい張り付いてんだろう? と思ったけど、そういうわけだった。
つまりこれは食事というよりも掃除なのである。ブラシを食べているようなものだ。古来は食事を享楽ではなくて薬のように捉えていた記録もある。
まとめ
生の玄米を食べるのは別においしいものではない。味噌をつければ悪くはない程度だ。でも値段は安いし、腹持ちはいいし、栄養も全部取れるし、一度にそんなに食べられるものじゃないから、少食家には最適だ。ダイエットにもいい。宿便も出る。宿便が取れて頭が聡明になり、容姿も若くて淡麗になり、 実年齢より20歳も30歳も若くなることも可能だろう。単に見た目が若くなるわけではなく、 腸自体が若くなるので、本当の意味で若返るのである。 そして本来の人間に還ることで霊的能力が身につき、 神人冥合の悟りを開き、何事にも迷わされず、幸せな人生を歩めることになる可能性も秘められている。
以下、偉人たちの玄米に対する考察。
肥田春充
「生命力があるのと 、完全な成分を持っているのと、不消化皮質によって実に理想的な便通があることである。適当な栄養と適当な便通があれば、人は無病健全なはずである。一晩水に浸した玄米を生のまま二〜三勺、よく噛んで食べる。夏場なら二〜三日水に浸して発芽した玄米を一食大さじ二 〜三杯食べれば充分。玄米は生きており、生気が溢れている。健康のためばかりか、頭脳を明晰にする働きのある最上の妙薬である。玄米に少量の野菜か野草、海草を加えれば申し分ない。生の玄米をポリポリ噛むのもよい。歯の悪い人や離乳児、重病人などには、一晩水に浸した玄米を、すり鉢でよく潰したものを与えるとよい。同じく一晩水に浸した一〇〜二〇粒の大豆を加えてもよい」
『生の玄米をポリポリ噛むと、どんな菓子よりも、旨いものである。香ばしくって、甘くって、噛めば噛むほど、美味しくなる。けれどもこれは、私のような、強い歯を持っている者でないと、実行がむずかしい。菓子や甘いものを嗜む現代人の歯が、いかに脆いものであるかということは、想像外に甚だしいものである。幼い時から生の玄米を、ポリポリやって、菓子や、砂糖を遣らずにいれば、歯も丈夫であるし、虫歯の心配など、絶対にない。だが今ここで、そんなことを言ったところが致し方がない。どうしたならば、なるべく多くの人々に、玄米を食べさせることが出来るだろうか』
甲田先生
『昔から「艱難汝を玉にする」「かわいい子には旅をさせろ」と言いますが、生野菜や果物を食べてはいけない、体を冷やしてはいけないと言っているばかりでは、過保護になるだけで、ほんまもんの健康にはなりません。
西勝造先生は、生の野菜と生の玄米だけで生活できると言われ、「生の玄米を食べたら宿便が出る」とおっしゃいました。ところが、生の玄米を食べてなぜ宿便が出るのか、長い間わかりませんでした。ごく最近の医学的研究で、そのことが、明らかになりました。米は玄米でも白米でも、澱粉がたくさん含まれています。生の澱粉はβ-澱粉です。β-澱粉は人間の胃腸で消化する酵素がないので、米を炊くわけです。炊いたらα-澱粉になり、消化できます。それがブドウ糖になって吸収されるわけですね。
一方、生の玄米は消化酵素がない変わりに、大腸に達すると今度は腸内細菌によってβ-澱粉が分解されるのですが、この場合は発酵です。β-澱粉が分解されて何になるかというと、短鎖脂肪酸になります。酢酸、酪酸、吉草酸、プロピオン酸という短鎖脂肪酸になって、腸内細菌のえさになったり、また大腸粘膜から体内へ吸収されてエネルギーになります。酪酸ができると、腸の壁をものすごく刺激して、便通が非常によくなります。すると宿便が出る。ははあ、生の玄米を食べたら宿便が出ると、西勝造先生がおっしゃったのはこのことだなと思いました。このように生の玄米と生野菜だけ食べて、便通がどんどんよくなって宿便も出る、こういう特殊な療法もあるわけですけども、このへんのところはマクロビオティックスの方が一番怖れるところですね。
生の玄米を食べたらすぐに血糖値が下がります。生玄米は、最初は粉にして食べますけどもだんだん慣れてきましたら、3日ぐらい水につけたのにちょっと味噌でもつけて食べたら、大変おいしいですよ』