月に60000円で生きる上級ミニマリストの節約術

引越しに失敗した

前回の『最後のドトール』という記事で、お世話になった店員の女の子に何も言わず去ってしまったが、また焼津に戻らなければならない件が発生して、再度ドトールに立ち寄ったとき、今度はちゃんと別れを言うことができた。

ドトールはガソリンスタンドを併設している。外で給油の仕方がわからないジジイの相手を済ませて手持ち無沙汰になっているところを狙って声をかけた。

「あのー、すいません」

「はい!」

俺がこうして話しかけるのは初めてだから、彼女はびっくりしていた。まるで新幹線がそばを通ったようにびっくりした態度を見せた。

「引っ越しますので、今日で最後になります。ありがとうございました」

「え!」

「お姉さんには、いつも美味しいコーヒーを作ってもらって、美味しかったです」

俺は話す言葉を決めていたからスラスラと話せたけれども、話しかけられたことのない男に急に話しかけられた彼女の方としては、どこまでも驚き続けている様子だった。

「どこに引っ越されるんですか?」

「○○です」

引っ越し先を聞くということは、俺のところに来てくれるということだろうか?

「そうですか」と彼女は答えると、そのまま止まった。「あーそうですか! はい、それでは〜」というような、前回のナンパ記事の女の子とは違って、止まって話をするという態度を見せてくれた。立ち止まってあなたと会話をしますという態度だった。やはり、一度も話したことがないとはいえ、4年間ずっと店員と客との関係があったからか、ナンパとは違った。

「あの、お仕事は何をされてるんですか?」

どうやらこれが聞きたかったらしい。ずっと、4年間聞きたかったのだろう。

「ネットで記事を書いています」と俺は言うと、彼女は「ああ」と言った。

「ああ」ってなんの「ああ」だろう? どんな記事を書いているんですか? とそこまで踏み込んでは聞いてこない。いつもスマホに向かって喋ったり、A4用紙を広げて万年筆を書き散らしたり、Macを開いてキーボードを叩いている姿を4年間見ているわけだから、「ああ、なるほど」の「ああ」だとは思うが。

「怪しくてすいませんでした」と笑いながら言ったら、「いいえ! いえ!」と彼女は20歳くらいの、若い女の子らしい、30代の男に対して一応の社交をなぞるかのような、テンプレート的な対応を見せた。20歳くらいの女の子なんてのは、ガキが抜けなくて薄らぼんやりして、何もできない者もいる。

その後も、彼女はじっと俺を見て立っていた。何か言いたそうだったが、何を言えばいいのかわからないようだった。一応最後だからね、もう二度と会うことはない。感慨深いものを感じ取ってくれたのか、会話を自分から打ち切ったら失礼に当たると思ったのか、なんとも言えない顔をしながら黙って立っていた。俺の方から「それでは」と切り出すしかなかった。「どんな記事ですか?」と聞かれたとしても、「君たちのことを書いている」と言うわけにもいかないしね。もう最後だしURLを教えてもよかったが、そしたら彼女たちは喜ぶだろうか? 熱心な購読者になってくれたかもしれない。

この日は雨だった。この日「も」と言ったところか。前回、最後のつもりで立ち寄った日も雨だった。引越しの最中はずっと雨が降りっぱなしだった。ここに良くない予兆を感じていた。この引越しは失敗するんじゃないか? そんな気がしていた。なぜ神の存在を信じている俺が、雨に打たれながら荷物を搬入しなければならないのだろう? 神は雨が降っていることに気づいているはず、というより神が降らせている。この雨の中をスタンディングデスクやアーロンチェアを運ぶのは辛かった。どうして神はこんなことをするのだろう? それが解せなかった。

さて、新生活はそんなに悪いものではなくて、図書館に行けば何でも本が手に入るし、コワーキングスペースやらカフェやらもたくさんあるし、行きたかった剣道場やボクシングジムもたくさんある。立派な都会だ。都会は都会でやっぱり楽しい。

特にタリーズにはびっくりしている。ドトールとはえらい違いだ。140円のペットボトルの水(エビアン)を買えば、そのまま何時間もいられてしまう。水だけ買って入場すれば、140円× 30日で、月にしたって4200円しかかからない。ドトールのようにアイスコーヒー240円を払わなくても良いのだ。 そしてコーヒー自体がとても美味しい。ドトールよりずっと美味しい(値段はドトールより100円高いのだが)。スタバよりも美味しい。カフェチェーン店ではタリーズが最強だね。食べ物もおいしい。全体的にすべてにおいてドトールの2段階くらいレベルアップしたものがタリーズだということがわかった。店内BGMも、ドトールはたまに「まねきねこ」のような、幼稚で品のない有線放送が流れていたりしたが、タリーズは高貴なクラシックジャズが流れている。ファミレスで言うなら、デニーズがタリーズ。ガストがドトールと言ったところか。

都会に住むというのも悪くはない。 なぜなら、俺の仕事や趣味がなかなか都会的なものだからだ。剣道とかボクシングジムは田舎だとない。特に図書館には驚いた。焼津の図書館なんてものは本当にゴミみたいなもので、地域の最大の図書館を持ってしても、昔の貸し本屋のような、やってるのかやってないのかわからないようなシャッター街のようなレベルだったが、引越し先の図書館は素晴らしい。施設が大きい、机もでかい、窓もでかい、それぞれ専用席が割り当てられていて、それを独り占めできてしまう。保坂和志さんの本をまとめて全部借りて読もうと思っていが、まとめて全部置かれていた。ずっと探していたフランソワーズ・ジローの『ピカソとの日々』という本も置いてあった。これがなかなか見つからなかった。Amazonで買うと一万ぐらいするのだ。ボーボワール夫人の著書も気になっていたが、これはAmazonですら手に入らないもので、なんと、これも置かれてあった。他にも焼津になかった本がいくらでも置かれている。図書館はやっぱり都会に限る。

カフェも図書館も素晴らしいが、そうはいっても、俺は音声入力メインの執筆に戻したし、スタンディングデスクでないと、ついぼーっと座って窓の外を見つめ続けて一時間も二時間も経ってしまうから、自宅で作業できる環境を整えようと思っている。もういい加減カフェや図書館に通いたいとも思わない。たまに気分転換にいいとは思うが、そういう時は、もう一度言うが、タリーズは別格である。

しかし、女の子はどこに行ってもみんなかわいいもんだね。焼津だろうがなんだろうが、本当にみんなかわいい。いやらしい目だけで言っているわけではない。そこらのテレビで見る女の子よりよっぽどかわいいのを毎日10人は見かける。 ルックスの平均値が非常に上がっているような気がする。マスクしているから可愛く見えるのか? まぁ顔なんてものは普通のことをやっていればブスになる方が難しいと思う。精神をピリッとさせて波動を引き締めていれば、細胞が呼応するだろう。何をしていなくても髪や肌が味方し光輝するのだから(男はもう35を越えてくると、どうしたって髪も薄くなるし皮膚も酸化してくるからこれが難しい)、普通にしていれば可愛くなれて当たり前だが、それにしても、大体の女の子たちが85点以上ということにはびっくりする。

さて、これからキックボクシングジムの体験に行ってみるので、手短に済ませる。そんなこんなで、とても環境的には良い所には住んでいる。焼津より面白いものが揃っていて、特に図書館とタリーズのデキにとても満足している。素晴らしい。しかし、早速だが、引っ越そうと思っている。

これは動画で見せながら話したほうが分かりやすいと思うから、また後でこの記事に動画を添付しようと思っているが、新幹線がうるさい。幹線道路のすぐそばに住んでしまった(笑)目と鼻の先の、大体30メートルくらいのところを新幹線が走っている(笑)これがもう、うるさいのなんの(笑)響いてしょうがないのである。建物もガンガン揺れている。

俺はいつも置き畳で寝ているから、畳に転がっていると、『ドドドドドド!!!!!!!!!!!』急に機動部隊に襲撃されたかのような、今まで聞いた事のない轟音と振動によって、いつも「ヒャア!!」っとなってしまう。俺はいつも窓のそばで生活しており、執筆にしても読書にしてもYouTube見るにしても寝るにしても、すべて窓のそばでやるのが好きなのである。ゴキブリが台所にくっついているように、風呂場の根強い汚れのように、いつも窓にくっついている。前のマンションでもそうしていた。

音というものは窓を通して入ってくるものらしく、窓にくっついていると、新幹線の音が、まるで目の前を走っているかのように、『ギュウウウウウウウウウウーーーーーーン!!!! ドドドド!!!!』と、ダイレクトに伝わってくる。

「なんで新幹線のそばなんかにすんだよ(笑)」と思うかもしれない。俺だってそう思う。「内見すればわかるだろ」と思うかもしれない。俺だってそう思う。そんなに安かったの? といえば、まぁ安かった。当然、俺だって騒音については相当思案した。二度も内見して、新幹線が通る音を確認したいから、新幹線が通るまで仲介業者の人に待ってもらったり。窓を閉めた状態、開けた状態、執筆している時、YouTubeを見ている時にどう響くかを想定しながら何度も聞こうとしたため、仲介業者の人にはずいぶん時間を使わせてもらった。新幹線が通る時間になるまで待たなければならないので、その間、二人で黙って気まずい時間を過ごした。二度内見したので、それを二回やった。

「家具を置いたり防音カーテンをすればマシになるし、慣れますよ〜」なんて言われたけど、まったく慣れる気配がない。もともと、家具も置かねぇしなぁ。こういうとき上級ミニマリストが仇となる。しかし、家具でどうにかなるレベルではなかった。防音カーテンも、カーテン屋さんで店でいちばん防音効果の高いものをレンタルしてみたけど何も効果がなかった。

俺も、騒音なんてものは、なんとかなるだろうと思っていた。自分でも音には強い方だと思っていた。カフェだって騒がしい方が好きだし、人が楽しくワイワイ話しているところを聴きながら作業している方が落ち着く。大型トラックの音もあまり気にならない。低い音でブオオオ……とやられる分には、豚の鳴き声みたいで可愛いものだ。しかし、新幹線だけは別だ。新幹線は、急に「ギュオオオオオオオオオオオーーーーン!!」とやってくるので、うるさいというよりびっくりする(笑) ひかりだかのぞみだか知らないが、最高速でギュオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーー!!!!!!!! とやってくるので、「なんだ!?」「どうした!?」「えっ!?」というような、気を抜いているときにそれをやられると、一気に胸の中の贓物をひっくり返されるような、視覚の外から左フックをくらうような、構えていないと大変なことになってしまう。そして音が高い。低い音は我慢できるけど、高い音は、黒板を引っ掻いたような、恐竜の鳴き声のような、ゾワっとする。

不動産の立ち会いの時は構えていたからそんなに気にならなかったけれども、こうして生活をしていて、気を抜いているときに、最高速でギュウウウウウウウーーーーーン!!!!!!!!!!!!!と来られると、刺客に襲われたような気になるのである。なんて安心のできない家だろう。

ものを書くというのは瞑想に近いようなところがあって、ひたすらに自分の静けさに向き合う時間だ。書こうと思わず、書かないとも思わず、ただじっと静かにしていて、ピタッと何かが一致したときに、するすると書けることが多い。

そうやって、静かにしていて、ピタッとくるまで静かにしているときに、ギュオオオオンンンン!ーーーーーーーーー!! オンオンオンオン!!!!!と、まったく空気を読まない音、下品な音、日曜日の朝8時にやってるガオガイガーみたいな音を出されると、本当にびっくりするというか、うるさいを通り越して、殺したくなってしまう。まったくこちらの空気を読まない音というか、俺を無視している音というか、気遣いというものがまったく感じられない。俺のことをまったく気にしていない音だ。なんだこの遠慮のなさは。なぜこれが許されているんだろう? こんなに図々しいのが野放しにされてていいのか? 自由すぎるだろう。無神経にもほどがある。葬式だというのにマツケンサンバを踊っているような、デリカシーのない行いを、永遠に注意できないもどかしさ。それに比べると、トラックの方が人間的な音のような気がする。

俺はノイズキャンセリングヘッドホンも持ってるし、耳栓も持っている。ノイズキャンセリングヘッドホンはBOSEの最高のものを使っているが、それでもあまり効果は無い。そこらの通ってる車の音はすべてかき消されるが、新幹線の音だけはどうにもならない。なんと俺は、耳栓をした上にノイズキャンセリングヘッドホンをつけているのだ(笑) 今もその状態で書いている(笑)

ちゃんと窓も閉めて、耳栓とノイズキャンセリングヘッドホンの二重装備をして、それでもダメである。なんじゃこりゃ? ほんとになんでこんなとこに住むんだっちゅう話だがね。

リラックスして過ごすはずの家が苦痛ってどういうことだよ(笑) 家としての体をなしてねーじゃねーか(笑) それを毎月4万5千円払って住んでるってどういうことだよ(笑) 耳栓の上にノイズキャンセリングヘッドホンつけてって、俺はあと5年も10年もそうやって過ごすの? ノイズキャンセリングヘッドホンが好きな奴だったらまだいいよ。俺はこれがあんまり好きじゃない。ノイズを相殺する周波が出ていることによって、ずっと変な耳鳴りというか、頭に重圧みたいなのがかかっていて、気持ち悪い。耳栓だって好きじゃないのである。耳に異物が入っていると便秘みたいで落ち着かない。俺は自然児だから、なるべく何もつけずに過ごしたいのである。腕時計だって人生で二回くらいしかつけた経験がない。銭湯でロッカーキーを手首につけてるだけでイライラするくらいだ。結婚しても絶対に指輪をしない。ただ煩わしいという理由のためである。

引っ越してきて以来、YouTubeも見ていない。見られない。何も楽しむ気になれない。何かに集中したり、ハマろうとしたり、着手しようとしても、大体1分に1回ぐらいのハイペースでギュオーーーーーーーーーーーーンンンンン!!! オンオンオンオンオン!!!!!!と、非常に無神経な、空気を読まない音がやってくるので、これのせいで何かをやろうとしても、やろうという気を奪われてしまうのである。というより、YouTubeの音だって聞こえない。新幹線が通るたびに巻き戻さなければならなくなる。下手すれば30秒に2回ぐらいのペースでやってくることもあるので、それを考えると、初めから見ようという気さえ起きなくなる。これは、もしや、神がYouTubeを見ないように仕組んでくれているのか? YouTubeを見過ぎてしまう俺のために最適な環境設計をしてくれているのか? とさえ、思える。

いったいここに住んでる連中はどうやって過ごしてるんだろう? みんなこんな感じなのか? みんな、苦しい、苦しいと言って、自分の大好きな趣味を目の前にしながら、テレビを前にしながら、楽しむ気になれないと悔やみながら生活しているのか? ちなみに俺はいちばん奥の角部屋なので、距離でいえば、新幹線からいちばん遠い部屋にあたる。俺がいちばん静かなはずなのに、いちばん恵まれている俺が、この状態である。

関係ないが、俺の隣には2メートルを超える外人が住んでいる。縦にも横にもでかくて、今まで見た人間の中でいちばんデカい。ボブサップと大して変わらないんじゃないかと思う。これからキックボクシングジムに行こうと思っているけど、いくら鍛えたとしても、こんなのに襲われたらどうしようもない。新幹線の音で発狂して、わけがわからなくなって俺を襲ってきたらどうしようもない。まぁ、こいつは新幹線の音など気にならなそうだが。こんなのは、どこを蹴ってもどうしようもないだろう。ちんこを蹴っても笑ってそうである。片手で掴まれて、放り投げられて、マンション下のゴミステーションに捨てられて終いだ。なぜかはわからないが、この人の玄関の取手に、中身がたくさん詰まったビニール袋がたくさんかけられている。かけきれなかったビニール袋がドアの前にたくさん落ちていて、新幹線のせいで落ちたのかわからないが、ドアの前にたくさんビニール袋が転がっている。中身がぎっしり詰まっているので(何が入っているかはわからない)、風に飛ばされる傾向はなさそうだが、謎の光景である。アマゾンの置き配? なわけない。ちゃんと部屋を出入りしているくせに、ビニール袋をそのまま野放しにしている。一体なんなんだ? 狂っってやがる。こいつも新幹線のストレスで発狂してしまったのか? もうわけがわからない。いつもスーツを着ているから、ちゃんとしたビジネスマンには見えるが。いや、SPにしか見えない。

いろいろ防音について調べてみた。二重窓というものがあるそうで、これをすれば騒音はかなり抑えられるという。というより、二重窓しか対処法はないらしい。マイナス40デジベルだとか、目の前で新幹線が走っていても気づかなくなるとか、そういうレビューも見たりする。

DIYによって、ポリカーボネート材を当てはめることで、一応自分でもできないこともないらしいが、断熱に関してはそれで十分らしいが、防音だと厚い防音ガラスが必要になってくるらしい。だから、業者に頼んで、ちゃんとした防音ガラスを施工してもらわないとダメらしい。

賃貸だとしても業者による施工は可能らしい。賃貸用の取り付けをやってくれる業者があるそうで、それが7万円から10万円くらいかかるらしい。防音用のいいガラスとなると、更に高くなる傾向らしい。特の俺のところは大きい窓で、高さ216センチ、幅167センチのめちゃくちゃでかい窓なので(内見した時は、開放感があっていい窓だなと思ったが)、これが仇となった。かなり高い金額になると思う。最上級の防音ガラスで施工するとなると、一つの窓で15万はこえてくるんじゃないだろうか。この部屋の窓は3つ。隣の部屋の窓は一つ。窓から音が入ってくるならば、部屋にある窓のすべてを施工しなければならないのではないか?(今、それについて業者に問い合わせている)少なくとも、リビングと仕事部屋だけはなんとかしたい。

この部屋は2LDKの55平米という、かなり大きい部屋だが、俺はリビングルームと、もう一つ仕事部屋を用意してあるので、そこにももちろん取り付けなければならない。合計4つの窓を全て工事したら、大体30万から50万くらいかかるんじゃないかと思っている。もう引っ越したほうがいいじゃねーかよ(笑)これ、俺が金払わなきゃならんの?(笑)

こんなに頑張ってるのに!! こんなに、毎日、毎日、こんなに、いつも頑張って、真面目で、なんでそんな俺がこんな目に? 霊感でピンと、今の俺の状況で住める最高のマンションくらい、霊感でなんとかならねーのかよ。クソが、なーにが神様だ。クソ野郎が。俺にいい部屋よこせよ。いつも見てんだろ? 俺がいつも毎日ちゃんと頑張って生きてんの見てんだろ? ちゃんとドトールの女の子にもお別れの挨拶も済ませたじゃねーかよ! ナンパもしたじゃねーかよ! 危険な方にかけていつもちゃんと頑張ってるじゃねーかよ! 不動産の人にはいろいろ手違いがあっても全部笑って済ませてあげて、優しく対応して、他人に優しくしてるのに! どうして俺が!? 家だぞ!? いちばん大切な場所!? 俺が何しに新居を求めてやってきたかわかってるよなぁ!? いちばんリラックスする場所じゃねーかよ! なんでいちばん苦しい場所なんだよ!!!!!(笑) なんで前より悪い環境になってんだよ!!!!!!!!!!(笑)

怖いんだよ……。もう1秒たりともいたくない。新幹線が怖い。ギューーーーーーーーン!!!!!!!!と本当に恐ろしい音を立てて、今か、今か、いつくるのか。それが怖くて、ずっとブルブル震えている。気を抜いたときにビューーーーンンンン!!!!!!!! ブオオオオオオオーーーン!!!!!!!!!!!とこられると、お茶をこぼしそうになるから、ずっと新幹線を意識している。そうやって4日、5日と過ぎていった。身構えてないと、急にドロップキックをくらわされたような気分になるのだ。

市の方で、温暖化防止なんちゃらの政策方針のため補助金が出るようで、防音はダメだけど、断熱目的ならば、二重窓を取り付ける際に最大5万円まで補助金が出るらしい。そこで市に問い合わせたところ、内窓をつけるといった簡易的な処置ではダメで、今あるアルミサッシを木製サッシに切り変えることと、トイレや風呂などを含めた、ほとんどすべての窓を施工した場合に限ると言っていて、つまり、家全体を手がけるような大掛かりのリフォームでなければ、補助金がおりないらしい(笑) どういう理屈? トイレや風呂の防音がなんで必要なの? そんなに便秘なの? 市の役員はそんなに便秘でトイレにいる時間が長いの? そんなところまで工事したら100万円超えてきちまうよ(笑) しかも、それで最大5万円の補助金(笑)

俺はこれにとても腹が立っている。もう腹も立ちすぎて、我慢ならなくて、そんな時に、グオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!! とあの下品な、無神経で羽ばたいてく音を出されると、もうどうしていいか、気持ちの行き場がわからなくなる。本当に本当に腹が立っている時に、ギュオオオオーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!という、あまりにも無神経な、こちらを一切顧みない音の前では、もう、ただ敗北するしかなくなる。怒っても、その怒りのエネルギーさえ奪われて、もはやずっと横たわっているしかなくなる。横たわっていても、ギュオオオオオオーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!! という音でびっくりして、倒れてもいられない。

今1週間ほど生活しているけれども、慣れる感じは無い。すべてのエネルギーが奪われて、食欲も起こらない、動画を見る気もしない、本なんてとてもじゃないが読めない、集中したり楽しんだり、何かしようと思って行うすべてのエネルギーが、新幹線に奪われてしまう。ずっと青菜に塩みたいになっている。おかしい、人を遠くへ、東京から名古屋へ、名古屋から東京へ、人々を素敵な人のところへ、家族のもとへ、会社のもとへ、送り届ける夢の乗り物なのに、精神破壊兵器としか思えない。

腹が立って、思い切り新幹線を睨んでみても、ビュオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーン!!! とマイペースで飛んでいくので、ポカーンと呆然するしかなくなる。ここまで空気を読まないスタイルを貫かれると、人は呆れるだけで済んでしまうかもしれない。こっちはもうライフがゼロになってるのに、それでもオーバーキルをやめないその態度に、もう晴々するというか、怒りや憎しみを通り越して、ただ感嘆している。へぇ、うわぁ、すごいな〜、とずっと思って見ている。

もう、何をやっても楽しくないし、何を楽しもうという気も起きない。新生活なのに、残念だ。しかし、欲の制御という面では役立つかもしれない。食べたいとか、エロ動画見たいとか、YouTube見たいとか、本読みたい、運動したいとか、友達と電話したい、そういった欲がすべてなくなってしまう。電話だってほとんど相手の声も聞こえない。引越し関連で十数件ほど電話したけれども、新幹線が通るたびに、聞こえなくなるので、とても困った。もちろん窓を閉めた状態である。

こんなの二重窓が常備されていて当たり前だろーが!

こんなのが普通に物件として売られていることに腹が立つ。それを契約した俺に腹が立つ。それを紹介した仲介業者に腹が立つ。住んでる奴らが普通に生活していることに腹が立つ。隣の部屋の前に転がっている大量のビニール袋が目に入るたびに腹が立つ。

今、業者に見積もりを出してもらっている段階だが、二重窓に30万や40万もかかるんだったら、引っ越してしまった方が早い。だが、引っ越すのも恥ずかしい。何度も内見しておいて、よし! ここに決めました! と言って、やっぱりうるさくてダメでした……。と言ったら、飛んだ笑い物である。この人は37歳になっても、こんなバカな買い物しかできないのか? 大きい買い物をして失敗している様子を他人に見られるのが恥ずかしい。引っ越してすぐに引越しかよ(笑) ダッセー(笑) うわぁもったいね……と、仲介業者に思われるのが恥ずかしいから、引っ越しもできないでいる。

荷物は自分の車ですべて搬送したので、引っ越し代は全くかからなかったけれども、それでも退去すれば違約金がかかるし、新しくマンションを契約すれば初期費用がかかってくる。

二重窓が安く済むようだったら二重窓でもいいが、果たしていくらになるか。しかし、なんでここに住んでる奴らは二重窓じゃなくて平気なんだ? こんなにうるせーのに、どうして気にならないんだ? みんな働いているからか? 新幹線は23時になるとストップするから、普段働いている人間にとっては気にならないのか? こっちはニートなんだよ!! バカが! 

マンション自体の、部屋の間取りはとてもいい。部屋自体はとても気にいっている。近くに何でもあるし、タリーズだったり図書館だったり打ち放題のバッティングセンター、なんでもある。出前館をやるにしたって、ここを拠点にすると、どこでも好きなところへ行けてしまう。部屋的にも地理的にも完璧である。

しかし、二重窓といっても、俺は窓を閉め切る生活があまり好きではなくて、基本的に冬だろうが、いつも窓を開放して生活している。窓の外の景色を見るのも好きだし、入ってくる風も好きなのである。二重窓にして騒音が解決したとしても、窓を開ける生活はできないってことだ。そう考えると、静かなところに引っ越してしまったほうがいいのかなと思っている。しかし、だ。またここでも問題が起こる。なかなかそんな静かなところというのはない。引っ越したばかりというのに、ここ最近は、目ぼしい賃貸物件を見て回っているが、これがなかなか、ほんとに静かな場所というものは少ない(不動産屋を通さず、自分の足で)。

もっといいところはどこあるんじゃないかと思って、似たような値段のところで、良さそうなところをネットで調べて自分の足でそこに向かっていたら、思いの外、どこのマンションもうるさかった。もちろんこのマンションよりうるさいということは決してないが、どこだろうとそれなりに道路に面していて、車が走っている。無音というものを基準にして考えるとこういうことになる。

前のマンションだって、それなりに車の通りがうるさかったし、実家だって、子供が騒いでいたり、近所のバイク好きなおっさんがバイクをふかしていたり、どこだろうと、それなりに道路と接している以上、それなりに車が走る。まぁ、この音すら我慢できないっていうならどこにも住めないことになるが(笑)

田舎だろうがなんだろうが、たいていは道路に面していて、そこにそれなりの車の交通量もあるし、大型のトラックなんかも結構走っている。当たり前だが、道路がなかったら車が走れない。まったくそういった、道路から外れた静かな物件というものはないのだなぁと思うこの頃である。小路に小路を重ねたような、迷路のような入り組んだような場所でないと静けさと言うものは得られないんだなぁと思う。

こうやって、いったん音を気になり出すと、もう際限がなくなってしまう。とても危険な状態だ。音の一鳴りすら我慢できないような、無音を求めだし、無音に執着し出したら、もう全てがうるさく感じてしまう。立派な神経症状、ノイローゼだ。ぜんぶ新幹線のせいだ。新幹線のせいで、物音が一つでも鳴ると気がおかしくなってしまう変質者にされてしまった。

俺はこれまでそんなに静けさなんて求めてこなかった。ドトールでも騒がしい店内や、看護学生たちが勉強をせずに友達と話していたり、スタッフたちが仕事をサボって雑談している声を聞くのが好きだった人間なのだが、今では物音一つなると、気になってしまう変質者になってしまった。執着というものは怖い。

新幹線が通るたびにエネルギーが奪われていく。ここに越してきて以来、もう22時にはぐったりしてしまって、朝までずっと寝てしまう。22時に眠たくなるなんてことは人生において一度もなかった。別に何もしていないのに、新幹線を身構えたり、ドキドキしているだけで、著しいほどに体力を持ってかれてしまう。そして何もやる気が起こらなくなってしまう。新生活なのに生活が楽しくない。何もする気が起きない。何もできない。もう死んでしまおうかなという気分になってくる。腹が立つから、せめてもの復讐で、新幹線に飛び込んでやろうかと思うが、その気力さえも奪われてしまう。

俺がなんのためにここにやってきたか、いちばんわかってるのが、神様じゃねーか! なのに、どうして! なんで前より悪くなってんだよ(笑) クラブハウスじゃねーかよ。俺が自分で内見して選んだんだろって? いや、そこは霊感でピンと、「違う」って教えてくれていいところだろ、こんなに真面目に頑張って生きてるんだから、わかっていいところだろ。その霊感を与えるのは神様の役割だろ? なんでこんな

というわけで、防音対策に忙しく、また引越しする可能性が大なので、 記事を楽しみにしている読者さんに早く楽しい記事をお届けしたいが、更新ペースが戻るまで、もう少し時間がかかりそうです。

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