出会い系「90人と出会って20人ほどやった体験談」

友達が出会い系で5万円ぼったくられちゃった!

友達「やられちまったわ〜! 本当ショックだわ、本当やっちまったわ〜!」

友達「あーやっちまった。くそ、やっちまったわー!」

友達「きっついわー。こりゃもう職場でも話せねーわ。本当にお前だけにしか言えないわ」

友達「あんまりショックだったから、帰りも高速つかって帰ってきちゃった」

ちんこ「うん」

友達「出会い系でさ、 メッセージしてた女がいたんだけど、 まぁ、お互い淡白なメッセージが続いててね。『今から会えない?』って試しに送ってみたのね。そしたら『いいですよ!』って返事がきて。言ってみるもんだなぁと思って、よっしゃーー! って思って、浜松まで行ったんだけど」

ちんこ「俺は『いいですよ!』って返事もどうかと思うけど。いい大人が誘われた時に、『よろしくお願いします』って返せない時点で良くないと思うけど」

友達「ふーん、細かいね」

ちんこ「誘った時に、『いいですよ!』と『よろしくお願いします!」のどちらかの返事が返ってくるわけだけど(OKだった場合)、そこは『いいですよ』なんて悠長に言ってちゃいけないよ」

友達「ぜんぜん印象は違うかもね。でも全体の一割もいなくない? ほとんどが、『いいですよ』じゃない?」

ちんこ「まぁそうなんだけど、だからほとんどが間違ってるってことだよ。『いいですよ』と絶対に言わないように気をつけていた女の子に出会ったことがあるんだけど、ひどく感銘を受けてね。それからは俺も真似してる。今じゃ、出会い系に漏れず、歳下だろうが男相手だろうが、『いいですよ』や『いいよ』は言わないようにしてる」

友達「ふーん。まぁ、なんかやだよね。続けてもいい?」

ちんこ「いいよ」

ちんこ「ごめんなさい。話の腰を折ってしまって」

友達「いいですよ」

ちんこ「いいですよって言うなぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

友達「お前も今『いいよ』って言ったけどね。で、会ってみたらすげー可愛くて、細いのね。出会い系で細い女って今まで一度も見たことがなくて、まずスタイルにびっくりしちゃって。まぁサクラっぽい見た目だったけど、でも感動しちゃって」

ちんこ「うん」

友達「で、普通にカフェ入って一時間ぐらい話したのね。そしたらきょう、その子の誕生日だったんだよ。んで、『今からうちに来て祝ってくれませんか?』って言うのね」

ちんこ「なんだそりゃ、怪しいな(笑)」

友達「メッセージの段階でそれを言われたら俺も怪しむんだけど、メッセージが淡白で、じっさい会った時にそう言われたから、会ったときの印象が良かったから言ってくれたのかなぁ?って思って。自分の都合の良い方に捉えちゃったんだよね」

ちんこ「うん」

友達「それでカフェから出たら、ちょうどヴィトンの店があって、その子が行きたいって言うのね。 見るだけならいいかなと思ってヴィトンに入ったんだけど、すげえはしゃぎ出してさ、いろんな商品を手に取って、バッグやら財布やらいろいろ鏡に合わせて嬉しそうにしてて」

ちんこ「うん」

友達「気づいたら店員5人とか6人に囲まれてて、30分も40分も、俺と女の子と店員たち皆でよくわからない談話みたいなことしてて、何を話してたかもよく覚えてないんだけど、んで、何か落としどころ? 流れ的に会計のタイミングみたいな感じがあって、そこでよくわかんないけど、ふつうに俺財布開いて、5万円のブレスレット買っちゃった」

ちんこ「へぇ〜」

友達「で、そのあと、予定通り、誕生日を祝うという体で彼女の家に行こうとしたんだけど、 『あ! ごめんなさい! いまLINEが来て、親が家に来てるみたいです! 今日は難しそうです』って言われて、帰ってきた。今、帰ってきたとこ」

ちんこ「典型的すぎて(笑)言う方もよく笑わずに言えるもんだね」

友達「金すっからかんなのに、帰り高速飛ばして帰ってきたわ」

ちんこ「意外だね。お前でもそういうことするんだ。ぜったい買わなそうなのに」

友達「断られた後でもさ、まだ信じちゃってるとこあったんだよ。『親はいつ帰るの? 浜松に来ることなんてそうそうないから、俺、4、5時間くらいだったら待ってられるよ?』とか、『俺のこと脈がないんだったら今言ってくれない?』とか言っちゃったりして。帰りの車の中で自分のその言葉を思い出して、めっちゃ恥ずかしくなって。車の中はいちばんやばい状態だった。お前に電話できないくらいの状態だったからね。本当、マジで何してんだろうって、俺、こんなに馬鹿だったのって。自分が嫌になってきて。自分の36年間を全否定したくなった。今思えばどうして気づかなかったのかなぁ? 本当クソな女だなぁと思うんだけど、その女に一生懸命働いて貯めた金でプレゼント買ってんだから、俺はもっとクソだよね」

ちんこ「俺も、『俺のこと脈がないんだったら今言ってくれない?』とか言っちゃうことあるよ。ふだん冷静ぶってるけど、恋愛ばかりは正常でいられなくなっちゃう。開いた本同然にされちゃうことあるよ。いや、されちゃうというか、俺がなっちゃうんだけど。本当に欲望って馬鹿になるね」

友達「で、いま帰ってきて、すぐにお前に電話しているところなんだけど。いちばんむかつくのがさぁ、まだ普通にメッセージ送られてくるんだよ。『ブレスレットありがとうございました!』って写真送られてきたりして。『素敵な誕生日になりました💖』とか言ってきたりして。それがマジでむかついてしょうがないんだけど。罵詈雑言のメッセージ送りたくなっちゃって、今やばいんだよね」」

ちんこ「そうか」

友達「5万だぜ!? 5万!」

ちんこ「まあね」

友達「きつくない?」

ちんこ「どうかな」

友達「どうかな? どうかな……?? ぜんぜん共感してくんないなぁ(笑)」

ちんこ「(笑)」

友達「……」

ちんこ「何かの弾みで、ついそんな風に流されちゃったりすることはあるよ。俺も学生時代、マルイの店員に付きまとわれて、2万や3万の服買っちゃったことあるよ。一着や二着どころじゃないよ、何着もだよ。NHKの受信料だってハイハイ言って律儀に支払ってたし。わかってても、その場で強くNO!って言えない事はあるよ。若い頃はそればかりだったよ。中学生時代は先生に名前呼ばれただけで顔真っ赤になってたこともあったしなぁ」

友達「いつの時代まで遡ってんだよ。今はないでしょ? 今、初対面の女に5万円のブレスレット買う?」

ちんこ「買わない(笑)」

友達「でしょ?」

ちんこ「でしょじゃねーよ。でしょって言うなら買うな(笑)」

友達「めっちゃ細くて可愛い子だったからさ、しかも、やれることが確定だと思ってたから、いろいろおかしくなってたんだと思うんだよね」

ちんこ「なんか、流れ的に買っちゃうことはあると思うよ」

友達「うん」

ちんこ「相手いくつ?」

友達「28。本当かどうかわからないけど。見た目は24、5に見えた」

ちんこ「金を取り返す気はあるの?」

友達「いや、無理っしょ」

ちんこ「警察に行ったら取り返せない?」

友達「無理だろ(笑) 俺が俺の意志で、その場で財布を開いて払ったんだから(笑)」

ちんこ「マッチングアプリで、こういう理由で僕は騙されたんです! って駆け込めば、動いてくれないもんかね?」

友達「無理だよ。ぼったくりバーで水飲んだだけで3万円とられたことあるけど、その時も警察に行っても何もしてくれなかったもん」

ちんこ「ぼったくられてばっかだな(笑)」

友達「警察は刃傷沙汰にならないと、ほんとうにまったく動いてくれないよ」

ちんこ「一億円だったとしても?」

友達「さぁ〜。たぶん無理なんじゃない……?」

ちんこ「え? 水飲んで一億円取られたとしても、何もしてくんないの!?」

友達「さぁ〜? たぶん……」

ちんこ「……」

ちんこ「まぁ、じゃあ取り返す気はないんでしょ?」

友達「取り返せないしね」

ちんこ「なら、良かったことにすればいい」

友達「ん?」

ちんこ「お前が暴言メッセージを送ったら、お前も気持ちよくならないし、女の子も気持ちよくないでしょ」

友達「うん? まぁ」

ちんこ「女の子だって、今ものすごいハッピーでしょうがないと思うよ。とっても欲しかった5万円の素晴らしいブレスレットが、なんと無料で手に入って、箱から出したりしまったり腕に付けたり外したりして、レ・ミゼラブルのコレットが、超高価な人形をジャン・ヴァルジャンに買ってもらったときぐらいに喜んで遊んでると思うんだよ。今いちばん嬉しくてしょうがないと思うんだよ。そんな時に買ってくれた張本人のお前から暴言メッセージを送られたら、せっかくの素晴らしいブレスレットを楽しめなくなっちゃうと思うんだよね」

友達「そうかもしんないけど」

ちんこ「お前だって、大当たりのAV見てる時に女優がうんこしだしたら萎えるでしょ? それと同じだよ。人の楽しみを奪うのか、それとも更に楽しくなってもらうか。あとは彼女に幸せと不幸とどちらをもたらしてあげるかでしかないよね。取り返す気がないなら二つに一つだよ。そうじゃなくても、楽しくなってもらうべきだよ。どーーせ5万使うんだったら、気持ちよく使いたいじゃん。だから良かったことにしなよ」

友達「そうかもしんないけど、そこまでその女にしてやる義理もないんだけど」

ちんこ「お前だって暴言メッセージを送ったら、それで気持ちいいかっていったらそうじゃないでしょ。むしろ辛くなるでしょ。自分はなんて小さな人間なんだって自暴自棄に陥るだろうし、金だって返ってこない。一瞬スッキリするかもしれないけどね。だから暴言メッセージを送ってもお互い不幸になるだけだよ。俺も不幸になるし。で、そこで、お前が『ブレスレットたくさん楽しんでね!』って送れば、女の子は余計に嬉しくなるし、お前だって嬉しくなるし、俺も嬉しくなる。『楽しんでね!』って送った手前、後には引けなくなって、もう暴言は吐けなくなるよ。女の子も、( え? こんなぼったくりみたいなことしたのに楽しんでねって言ってくれるなんて!)と思って、お前のこと好きになるかもしれない」

友達「好きにはならないだろうけどね。まぁ暴言を送るよりかは可能性はあるだろうね」

ちんこ「せっかくの出会いを無下にするよりかは、また次会ってセックスできる可能性を残しておいたほうがいいんじゃない? まぁ期待を持つと、また恨み嫉みが募ってくるから、期待は持たない方が良いだろうけど。罵詈雑言メッセージ送ってスッキリするより、セックスしてスッキリした方がまだいいでしょ」

友達「そこまで器用になれればいいんだけどね」

ちんこ「そうは言ってもさぁ、すべて決まっていたことだからしょうがないんだよ。こういうのは全部決まってるの。人生はいつだって起こる事しか起こらないんだよ。どんなに悔やもうが喜ぼうが、お前は今日その子に会ってヴィトンのブレスレットを買うことはもうずっと前から決まってたことなんだよ。それは地球が生まれる前からずっとずっと前からね。人間の行動の1分1秒、一瞬に至るまで、虫や動物もそう、木の葉が落ちるタイミング、坂本龍馬や空海が誕生日に死んだのも、今俺たちが36歳で独身でここでこうして電話しているのも、すべて、宇宙創生からすべてプログラムされているから、俺たちにはどうすることもできないよ」

友達「ん?」

ちんこ「なんで買っちゃったのかわからないって言うけど、そういう風に決まったんだから仕方ないよ。買うしかなかった」

友達「それは本気で言ってんの?」

ちんこ「この真理を知ってようが知ってなかろうが、けっきょく人間は迫りくる現実に向かってそれ以外の行動は取れないんだから。そう考えると気持ちが楽になるじゃん」

友達「なるかねぇ? 諦め癖がついちゃいそうだけど。んーーー? でもその理論だって、お前もなんとなく聞きかじっているだけで自分でもよくわかってないでしょ?」

ちんこ「うん、ぜんぶ受け売りだよ。受け売りだけど、ヨガナンダとアンマと肥田先生が言ってて、バガヴァッドギーターにも書いてあったし、この4人が同じこと言ってるから間違いはないと思うよ。直感的にふと感じることあるじゃん。ああ、なんかすべて決まった通りに進行していくんだなって。運命論で考えちゃえばいいじゃん」

友達「それはさぁ、肉体的な行動がさぁ、俺が今日その女にブレスレット買ったとか、そういう目に見える物質的な行動はその通り運行されていくとしてもさぁ、そのあとに感じる俺の心も決まったことなの? いま俺は悔しかったり苦しかったりしてるわけだけど、このいま俺が抱いている感情も、宇宙創生からぜんぶ決まってることなの?」

ちんこ「それはどうなんだろう? それは俺にもわからん。本には書いてなかったから」

友達「ガバガバの理論だなぁ(笑)それじゃあ俺もちょっとその理論にはのれないわ」

ちんこ「まぁでも直感的に何かわかるじゃん。すべて決まってることなんだって事は。なんとなくだけどね。 だから心を消耗させる事は不毛なんだなって」

友達「バガボンドの沢庵が同じこと言ってたけど」

友達「ん? じゃあさぁ、決まってるなら直せないじゃん! 俺はずっとブレスレット買い続けんの? そういうふうに運命で決まってんでしょ? じゃあ直せないじゃん」

ちんこ「逆でしょ。今日のできごとによって、二度とこういうことをしでかさないように、そういう機会を与えられたんでしょ。だから幸運なんだよ。今日高い勉強代を払って、なんらかのお前の以前しでかしたカルマが帳消しになったんでしょ。すべてこの世は因果応報の原則にあるから。だから、運というものはないよ。偶然というものもない。すべてこの世界で起こること、出会うことは、すべて必然だよ」

友達「でもその理論だと、行為だけは決まっていて、心の持ちようは決まってないってことじゃないの? そうじゃなきゃどうしようもなくなっちゃうじゃん。だから行為だけのことを言ってるんだと思うけど」

ちんこ「俺もそう思ってる。じゃないと、直しようがないからね。ただ5万をぼったくられた(ていうか、お前が勝手に支払ったんだけどね)っていう事実があるだけなんだよ。別に悲しむ必要も怒る必要もない。ただできごとをできごとにして、心までぼったくられないことだね」

友達「まだメッセージ来るわ(笑)ブレスレットつけてる写真送ってくるんだけど、どういうつもりなんだろう? どういう神経してるんだろうね? マジでイライラしてくるわ。お前とこうして電話してなかったら、たぶん毒づいてるわ」

ちんこ「お前が復讐しなくても、罰ならもう下ってるよ。初対面の男に5万円のブレスレットを平気で買ってもらうことが、もう罰なんだ。それについて罪の意識を持たないなら、そのこと自体が罰なんだよ」

友達「まあね」

ちんこ「もうその意識で普通に生きれる状態になってしまっている。考えてみなよ。初対面の男に5万円のブレスレットを買ってもらって喜んでいられる精神で生きているってことなんだよ。そんな人間の精神になって生きてみるつもりになってみればわかるけど、それほどの罰はないよ」

友達「うん」

ちんこ「悪い事すればその分だけバチが当たる。それは5年後かもしれないし10年後かもしれないし明日かもしれないし、来世かもしれないけれども、すべて神の裁判にかけられていることは確かだよ。だからそのための良心だよ。悪い事したら良心が痛むようにできている。彼女に暴言を吐けば良心が痛む気がするから、お前も今ためらっているんだろう。受け売りの言葉や精神じゃなく、それはお前自身がいちばんよくわかってる。この良心はお前が幸福な人生を送るために神が授けてくれたものだから。迷わず神のもとへ来れるようにね。いわば目印だ。平気で5万円のブレスレット買ってもらって喜んでいる人間は、この良心が弱まっているかほとんどなくなってしまっているんだから、罰なんだよ。良心しか頼れるものなんてないのに、この物差しがなくなってしまっているんだから、狂った方位磁石のような心を持って生きてるんだから、やっぱり罰だよ。28歳でそれじゃあ一生そのままかもしれない。それはお前が果たそうとしている復讐よりもずっと恐ろしい復讐だよ。それがもうとっくに遂行されてるんだ。それとは別に、宇宙の厳正なる秩序が働いて、今回のぼったくりの件は、彼女は別のどこかで精算させられる形になる。人間が人間を裁くなんてできやしないし、裁く必要もない。裁けるのは神だけだよ。彼女に罰が下っていること、復讐がすでに果たされていることを喜ぶようじゃダメなんだけど、お前がその子に復讐しようとしたり、憎しみを抱くことも、また罪だからね。それもそれで因果応報が働くわけだよ」

ちんこ「もっと言えば、他人だって、自分の意識の中にしか存在しないのだから。幽霊みたいなものだ」

友達「うーん、うん」

ちんこ「どんなにどんなに小さなことでも、全く過不足なくカルマが働いていることを知れば、人間は悪さはできなくなるよ。お前が復讐心を燃やしてかえってお前が裁かれるようなことがあったら、本末転倒もいいことだよ。すべて神によって完全にこの方程式が働いていることを知れば、人を罰せようという気持ちはなくなってくるよ。お前ができることはただ太っ腹にブレスレットをプレゼントしてあげる事だけだよ」

友達「かねぇ」

ちんこ「彼女はこんなことを何度も繰り返してきて、たくさんの男にブレスレットを買わせて、暴言のメッセージを送られて、ブロックして、ってことを何度も繰り返してきて、そんな中で一人くらいは、お前だけは祈ってあげたらいいんじゃない? こころおきなくブレスレットを楽しくつけられるように」

友達「それだったらまだウクライナに募金したほうがマシだわ。ウクライナもしたくねーけど」

ちんこ「よかったじゃん」

友達「よくはないだろ」

ちんこ「あるのはただ5万円をとられたっていう出来事だけだよ。お前がそこに心の痛みを付け加えるのは余計だよ」

友達「たぶん5万円だから舐めてると思うんだけど。お前は自分の貯金を全額ぼったくられても、同じことが言えんの?」

ちんこ「殺すね、その女を」

友達「殺すでしょ?」

ちんこ「殺すよ」

ちんこ「暴言メッセージ送りまくる」

友達「お前の理論でいくとさぁ、俺が持ってる貯金を全部はたいて、いろんな女にブレスレットあげまくるのがいいことみたいになっちゃうじゃん。違う? 」

ちんこ「神はその人に耐えられないような試練を与えたりしない。それどころか。お前や俺が人類が、一歩一歩進んでいけるように、ものすごい線密に考えて、愛情を持って一人一人の人生計画をしてくれているだから、今回のことも神の恩寵なんだよ。神のプログラムのひとつ。そう思ったらやっぱり5万円だって太っ腹に払ってあげたらいい。だからお前が貯金をはたいて、出会い系の女達にヴィトンのブレスレットを配りまくるとか、そういったこととは全然違ったことなんだよ。神が定めた自分の義務を果たせばいいんだ。

最近読んだ本にこんなことが書いてあったよ。

あなたは、誰とも同じではない唯一無二の最高傑作として、価値あることをするためにデザインされ、生まれてきた。あなたは、意味と目的とをもってつくられた神の作品なのだ。あなたは存在しているだけで価値がある。あなたのために、最高に素晴らしい人生のプランが用意されていて、それは、実現される日を待っている。そして、それを実現するために必要な才能や能力の一切は、すでにあなたの中に備わっている。だからあなたは、ないものねだりをする必要もなければ、他人を羨む必要もない。さあ、始めよう。あなたは必ず成功するこの上もないハッピーな人生を満喫するために生きている。なぜなら、あなたはそのためにデザインされた作品なのだから……

「石井希尚. 古代ユダヤ賢人の言葉 超訳聖書 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.643-650). Kindle 版. 」

友達「またこんな気持ち悪いの読んでるの?」

友達「ユダヤ人? ぼったくり野郎が書いたとしか思えねーわ」

ちんこ「ぜんぶぼったくりじゃねーか(笑)相当人間不信に陥ってんな」

ちんこ「人生は決まっていて、すべて最高のことしか起こらない。ぜんぶ神の贈り物、ぜんぶ神の夢なんだ。つまり、すべて、いついかなる時も運命から最高級の待遇を受けているということになる。人間の完成のために、すべて完全なタイミングを図って提供されたプレゼントということ、今回の件もね。だから良かったと思うのがいいんだよ」

ちんこ「よかったじゃん」

友達「よくはねーだろ」

友達「騙されたとか何とかというより、単純に5万が痛いわ」

ちんこ「5万で言うなら、お前だって毎月スマホ代に5千円払ってるって言ってたじゃんね? だけどこれを楽天モバイルにしとけば、1GB未満だったら無料で使えるんだよ。実家暮らしでWi-Fiなんだから1GBも使わないでしょ? 楽天モバイルにしとくだけで年間6万円手に入るんだよ」

友達「まぁ」

ちんこ「それに、今言った通りお前は実家暮らしだから、一人暮らしの人に比べたら毎月5万円以上は節約になってるでしょ? それは毎月5万円もらってるみたいなもんだよ」

友達「まぁねぇ」

ちんこ「俺の親戚のエイジお兄ちゃんは、少し前にビットコインで1500万溶かしたよ。 人格が変わってしまうくらい強烈な体験だったらしくて、まともに家族とも会話できなくなっちゃったらしい。お母さんが『ワクチン打った?』って聞きたくても、話しかけられないくらい、いつもギスギスしてやばくなってるらしい。ワクチン打ったかどうかぐらいは聞いておきたいんだけど、それも聞けないんだって」

ちんこ「一橋大学出てて、大学時代はマラソンの全国大会出てて、今は40歳で、大手銀行に勤めてるんだけど、毎日会社に20キロマラソンして通っているんだよ。朝5時に起きて、リュックサックに着替えを入れて会社まで2時間マラソンすんの。銀行に着くと汗がダクダクになるんだけど、リュックサックから着替えを取り出して着替えて出社するんだって。前に勤めていた銀行の時は片道10キロ走って通ってたけど、10キロじゃ足りないんだって」

ちんこ「銀行員だから市場の流れに詳しかったみたいだけど、でも、1500万溶かしちゃったんだ。1500万だよ? お前の300倍の苦悩だよ」

友達「そうだねぇ」

ちんこ「エイジ兄ちゃんは、ジャンプ、マガジン、サンデー、チャンピオン、週刊少年漫画誌を4社から買ってるんだ」

友達「それも、なんか真面目に感じるね。たぶん一つ残らず隅々まで読んでるんだろうね」

ちんこ「ね」

友達「最後の話がいちばん救われた気がしたわ」

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