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高校時代に書いた小説「第三次世界大戦」

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2030年。第三次世界大戦によって、世界は崩壊した。そこでやっと、人間達は自分たちの過ちに気づいた。全ては欲から起こっている。楽しい。嬉しい。気持ちいい。という欲が、すべての争いの原因となっているのだ。とにかく謙虚になることの重要さを思い知った。それから、彼らは人に話しかけるときには必ず「ゴメンナサイ」と言い、反省の意を表すようになった。楽しい。嬉しい。気持ちいい。という気持ちを封印して生きることにしたのである。

ある教室での出来事。

「BMK-4Rさん。話しかけてしまってゴメンナサイ。消しゴム落としましたよ。BMK-4Rさんが消しゴム落としたのを見かけて、つい話しかけてしまいましたゴメンナサイ」

「ゴメンナサイ。CWGK-2さん。こちらこそ、話しかけてもらってゴメンナサイ。私という存在をCWGK-2に認識させてしまって、CWGK-2さんの脳の処理領域を数パーセントでも、使用させてしまってゴメンナサイ」

「いえいえ、BMK-4Rさんゴメンナサイ。私の方こそ、私という情報をBMK-4Rさんに与えてしまってゴメンナサイ。わざとではないにしろ、消しゴムを落としてしまい、BMK-4Rさんに消しゴムを拾わせるという労働力を行使させてしまってゴメンナサイ。自分に消しゴムをかけて自分を消そうとしたのですが、手が滑って消しゴムが床に落ちてしまいました。ゴメンナサイ。また、消せなくてゴメンナサイ」

そこで教師がやってきた。

「おい、お前ら! 今廊下を歩いてたら床にゲームソフトが落ちていたぞ! 誰だ学校にゲームソフトを持ってきた奴は!」

「え!?」

「そんな!?」

「まさか!」

「ありえません!」

生徒たちは騒いだ。

「先生! ありえません! 教室にゲームソフトなんて恐ろしいものを持ってくる生徒がいるはずがありません!」

「そうですよ! ゲームソフトが一人で廊下を歩いていたに決まっています!」

「もし、この教室にそんな生徒がいるとしたら、私たちはとっくに死んでいるはずです! その生徒の、ゲームソフトを楽しもうというその精神が、その生徒に少しでも頭によぎったとしたら、この教室全体に蔓延して、私たち全身、死ぬに決まってます!」

「先生! もし本当にそんな生徒がこの教室にいるとしたら、彼の発するたった1ミリの空気で、我々が生きていられるはずがありません!」

「この手提げ袋の中に入っていたのだが」

そういって、教師は手提げ袋からゲームソフトを取り出して、生徒たちの前にかざした。

「先生! そんな恐ろしいものを私たちに近づけないでください!」

「あの手提げ袋は! あれはPSQマスター5さんの手提げ袋ではないでしょうか?」

「本当だ! あの茶色と黄色のピカチュウみたいな配色の手提げ袋は、PSQマスター5さんの物に違いない!」

「ピカチュウだなんて! そんな俗語を口にしたのは誰ですか!」

「その前に! 手提げ袋なんて持ってきちゃダメでしょう! 下げるのは袋じゃなくて頭なんですから!」

「それより、あなた達話しかけすぎですよ! ちゃんとゴメンナサイを言いましたか!? ちゃんと謝ってください! ゴメンナサイ!」

「ゴメンナサイ! 今、あなたは僕に話しかけた! 僕もあなたに話しかけた! ゴメンナサイ!」

「みなさん、みなさん話しかけ過ぎです! ゴメンナサイ! もう間に合わない! 注意してください! 話しかけ過ぎですよ! ゴメンナサイ!」

「うわあああ! 話しかけたりゴメンナサイをいって話しかけられたり頭がおかしくなりそうだ! うわああああああーーーー!! ゴメンナサイーーーーッッ!!!」

といって、1人の生徒が窓から飛び降りてしまった。

「PSQマスター5。お前か、このゲームソフトを持ってきたのは」

「ゴメンナサイ、先生。僕です」

「PSQマスター5さん! あなたは何を考えているんですか!」

「PSQマスター5さんを軽蔑します!」

「PSQマスター5さん! 今すぐ教室の窓から飛び降りてください!」

「PSQマスター5。お前はこのゲームソフトをプレイして、楽しんだのか?」

「ゴメンナサイ。先生。私は楽しんでいません。確かに私はゲームソフトをプレイしましたが、私は一切楽しいという感情を覚えずに40時間プレイして、クリアしました。ゴメンナサイ」

「なに!?」

「なんだって!?」

「そんなことが!」

「なに!? それは本当か!?」

教師はPSQマスター5に尋ねた。

「ゴメンナサイ。はい先生。私はゲームソフトをプレイしている間、脳から送られる快楽物質の信号を遮断し、一瞬たりとも、楽しいという感情を生じさせませんでした。まるでコンクリートと花の関係のごとく、老人とセックスの関係のごとく、私とゲームソフトの間には、一切の関係がありませんでした!」

「先生! PSQマスター5さんは嘘をついています! ゴメンナサイ!」

「なに? ではPSQマスター5。お前はスキルポイントを貯めて、新しい必殺技を覚えて、それをザコ敵に試し切りしたとき、『楽しい』という感情を覚えなかったのか?」

「先生。ゴメンナサイ。覚えませんでした!」

「「「「「うおーー!」」」」」

「「「「「おおおーーーー!」」」」」」

「勇者だ!」

「PSQマスター5さんこそが真の勇者だ! ゲームソフトの中の勇者は勇者にあらず! ゲームソフトの勇者は、モンスターハンターのハンターのように、動物虐待をしているだけに過ぎない! 真のハンターはPSQマスター5さんだったんだ!」

「PSQマスター5さんは真の意味でゲームを攻略した! ゲームソフト自体がラスボスだったんだ!」

「では、PSQマスター5。勇者が、魔物の群れから国を救い、王から金銀財宝を貰い受け、その子である姫君との婚約を言い渡され、村娘全員を慰め者にしているシーンをプレイしている間でも、楽しいと思わなかったのか?」

「先生、思いませんでした! ゴメンナサイ」

「「「「「おおおおおお! ゴメンナサイ!」」」」」

「よし、みんな、PSQマスター5を見習うように! ゲームソフトをプレイするなとはいわないが、プレイしても、楽しいとは思わないように!」

「「「「「はい! ゴメンナサイ!」」」」」

「よし、それでは授業を開始する! ……、授業終了! お前らのために使ってもいいとされる授業時間は1.7秒と、文部科学省の規定で厳しく定められているからな。今日やったところはテストにたくさん出るから、よく勉強しておくように」

「ゴメンナサイ! 先生! 今日もこの授業のために、はるばる4時間かけて登校してきましたが、そのかいのある、素晴らしい授業でした!」

「ゴメンナサイ! 先生! 今日習ったことは、明日また学校に来るまで、みっちり24時間、復習したいと思います!」

「一同、起立! 礼! 『ゴメンナサイ!』」

「「「「「ゴメンナサイ!!」」」」」

「今日の授業は終了! 続いて終わりの言葉!」

「「「「「「終わりの言葉!!」」」」」

「ゴメンナサイ! 先生。私たちは腐ったミカンです」

「「「「「私たちは腐ったミカンです!!」」」」」

「私たちは本来、お父さんのおしっことして生まれる予定でしたが、間違って、精子に生まれてきてしまいました。小腸で濾過された後、大腸を通過し、右に進めと言われたのに、左に行ってしまい、精嚢に辿り着いてしまったためです。私たちは全員、生まれたとき、『親不孝』という名前を名付けられましたが、それだと、判別しずらかったため、アルファベットと番号を組み合わせて呼ばれるようになりました。先生に、教えてもらった授業を一分一秒でもはやく復習したくて、もう、今すぐにでも復習したくて仕方ないのですが、その前に、一分一秒でも早く、死ななければなりません」

そう言って、彼らは一人残らず、教室の窓から落ちていった。

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