結婚する理由はいくらでもあると思う。
周りの目が気になる。いつまでも独身じゃ恥ずかしい。一人じゃ寂しい。子供が欲しい。家事をやってもらいたい。好きな相手だから一緒にいたい。性処理。一緒にテレビを見たい。共働きしたら収入が増えるかも。
まあ本当に色々あると思う。たくさん理由がある中で、わざわざ一番の理由を見つける必要はない。こんな理由の順位なんていくらでも移り変わるし、これだと思っていたものが1番じゃなかったり、理由づけの意味もなければ、その理由が的外れだったりもする。
だが、今回は、いくつかある理由の中で見落とされていて、それでいて確信をついているんじゃないかと、ふと思ったことがあるので、発信してみようと思う。
ずっと独身生活を続けていると飽きてくる。俺は今は特に飽きていないが、このまま10年も20年もずっと独身生活を暮らしていると辛くなってくるような予感はする。
独身生活を続けていっても、そこそこ幸せだけどものすごい幸せになるとは思えない。
結婚は、すごい幸せになったり、すごい不幸になったり、独身時代のあまり変わりがないレベルに落ち着いたり、どうなるかはしてみないとわからない。ギャンブルで、変化が多様だ。
その点、独身生活を続けていっても、ある程度は予測がつく。急に一気に不幸になることも少ないとは思う。
何にせよ、人は今の生活を心から楽しめない人がほとんどだ。今、自分が健康である恩恵を忘れて生きているように、今置かれている幸せを心から享受できない。
だから外にばかり幸せを求める。いいことはないからもっと素晴らしいことはないかなと。より幸せにならなければ落ち着かないのだ。
なんとなくテレビを見たりネットをしたりして1日が終わってしまう。毎日ダラダラつまらない生活を送っている。死にたいほど辛いわけではないけれど、これじゃまずいとも思っている。こんなダラダラした時間を無駄と思って、これをなんとかするために結婚したくなるんじゃないかと思う。
退廃的な毎日を自分で乗り越えられないから、結婚にすがる。
その反面やりたいことがあったり、自分のために時間を使いたいと思ったりする人はあまり結婚しようとしない。芸能人で結婚しない人が多いのはそのためだろう。
若いけどやることがない。暇でしょうがない。もう自分の人生に希望を持つのも諦めてしまって、折り合いがついたときに時結婚したくなる。
よくいわれているが、人生の墓場が結婚だ。
そして女もそういう人を求めている。夢に向かって頑張って仕事してる人かっこいいなとは思うかもしれないけれど、その夢があまり現実的じゃなかったり、ふわふわしていたり、金の見込みもなさそうだったら、ただのバカにしか映らない。
それに比べると、夢も何も見ず人生に諦めてしまって、ただ呆然と毎日だらだら仕事してる男というのは、そんなに悪くないのである。
自分に近いものを感じるし、何かに打ち込んでいる男を側でみると、自分が悪い人間のように見えるし、価値がない、バカにされていると思ってしまう。
意識高い人がそばにいると、窮屈に感じるし、自分自身を否定されている気分になってしまう。あるいは、自分も何かしなければいけないという使命感にも悩まされてしまう。
だからダラダラした人間同士が結婚する。
だが、そんな二人だとしても、一応希望は持っている。結婚すれば何かが変わるとも思っている。変えていきたいとも思っている。
今の生活をいいものにして行きたいけど、あまり意識高い人は苦手、というところが妥当だろう。
出会い系やら婚活やらの男女の顔を見ていると、大体こんなダラダラした顔している。どっかに行って何かを食べるぐらいしか楽しみを見出せず、一緒になってダラダラ時間を過ごす。
まあそれが二人の希望なら全然それでいいのだが何かが引っかかる。
たぶんそれは二人が自分の人生について諦めてしまって、諦めた者同士が一つのセットになって仲良く自殺しているように見えるからかもしれない。
誰かの結婚式に出席して観察していると二人で仲良く自殺してるようにしか見えないところがある。
毎日の生活で何も見出せずだらだらだら消費していて、ずっとこんなことしていてもしょうがないから結婚するという感じだ。しょうがないから結婚している。
何か、諦めるような感じで結婚していっている空気を、どうしても感じてしまう。
それでいて、小市民的な幸せや生活に価値を見出そうともしている。
今より少しはマシになるかも? でも、大きな希望や熱量はない。
なんか、全体が生温く感じて気持ちが悪い。
これは就職とよく似ている。とりあえずと言ったように、仕方ないからといったような、そんな雰囲気が漏れている。
やりたいことがないから仕方なく結婚するというのは寂しい。別にいいことと悪いこととも思わないし、余計なお世話だろうが、いつも、生緩い気持ち悪さを感じる。