食べ物に関する研究・美容・健康

もしかしたら俺は頭が悪いのではないか

銭湯の帰りにマックが見えた。

マックかぁ。抗生物質、ワクチン、成長ホルモン剤の大量投与された外国産家畜の肉使ってるとこね。安い値段に釣られて情弱たちが息を荒くして集まっちゃうとこね。勝手に売って勝手に食っててください。僕ちんはいりませーん。

しかし、ソフトクリームは食べたいかも?

だいたいあらかた人間界の美味な食事は食べ倒したから、もう美食には用はないのだけど、最後の仕上げにソフトクリームはいいかも? お風呂上がりだし。

ドライブスルーでスルっと買っていこうか。

へぇ、マックだとソフトクリームをツイストっていうんだ。しかも100円!? え、100円なの?? ミニストップは240円するよ? へぇ、すごい。

100円ならほとんど無料みたいなもんじゃん。2つ買っても200円。ミニストップより安い。200円も無料みたいなもんじゃない? 2つ買っちゃおうかな? 食いおさめだし。最後だし。無料だしね。

「ツイスト2つで」

「では奥の受渡し口までお進み下さい」

受渡し口にいたのは外国人の女性だった。たぶんブラジルかペルー。胸のワッペンには「モナカ」と書かれてあった。ソフトクリームだっていってんのに固い方で笑った。

モナカは俺にソフトクリームを一つ渡すと、またもう一つのソフトクリームを作りはじめた。そしてもう一つ目を作り終えて俺に渡す際に、俺の方を見たまま止まってしまった。

俺の両手が塞がってしまうからである。

モナカはモナカのように固まってしまっていた。

あ、しまった。あれ? 置く場所ねーじゃん。やばい、置く場所がない。ドリンクホルダーにもハマらない。

置く場所がなくて困ってる俺を無視してモナカはもう一つ目のソフトクリームを渡してきた。

完全にこういうことになってしまった。

運転できねーじゃねーかよ。

どうすんだよ、後続車来てるよ。後続車も何を頼むか知らんけど、ツイスト2つを頼むことだけは絶対にしないだろう。

モナカは俺の車内をジロジロ見た。アレ? 助手席ダレモイナイジャナイノ。アナタソレ一人デ二個食ベルノ? テッキリ助手席ニ誰カ乗ッテルカラ二個頼ンダカト思ッタ。モナカはそんな目で俺を見た。外人だからかあまり細かいことを気にせず普通に俺にツイストを渡した。私ニハ責任アリマセンという、外国特有の個人主義を打ち出してきた。

どうすんだよ。ハンドル握れねーよ。後ろからきてるよ。モナカなんとかしてくれ。お前にやるよこれ。暑い中マスクして働いて疲れたろ? ツイストやるから助けて。モナカじゃないからいらないか? 俺がツイストだよクソ! 目の前の景色が捻り曲がってるよ! あー、早くしないとクラクション鳴らされちゃうよ!

クソッタレ

起死回生の俺の手段は、こういうことだった。自分でもよくわからず、潜在意識が必殺技を発動した。頭で考えず身体で考える。身体で日常生活を送るという記事を書いたばかりだが、身体が最強最速の答えを大脳の伝達をうけることなく勝手に選択した。人差し指と中指の間にコーンの取っ手部を挟み、それ以外の親指と小指達でなんとかハンドルを掴んで運転したのだ。写真では右手しか映っていないが、左手も同じことになっている。宮本武蔵並の二天一流の奥義が発動したのだ。

といってもこの状態で運転するのは至難だったので、マックの駐車場に停めて、俺はひたすらソフトクリームを食い漁った。

ドライブスルーの意味が完全になかった。というよりドライブスルーの効果が裏目に出た。

もしかしたら俺は頭が悪いのではないだろうか? 先の置き畳の件といい、こんな失敗ばかりしている。いや、しかし、やはりというか、ソフトクリームが悪いのではないか? ぜんぶ食べ物のせいのような気がする。汚い食い意地をはらなかったらこんな目にあってない。やはり食べ物が悪い。もう二度と食べ物は食べない。蕎麦と玄米以外はぜったいに食べない。

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