この記事は面白い。インフルエンサーたちの光と闇を短い文章で暴いてくれている。
『インフルエンサーたちが口を揃えていう成功法を、なぜそのとおり実行できないのか?』
そう、答えは簡単だった。インフルエンサーたちが口を揃えていうその稼ぐ方法というのが、ツマラナ(苦痛)すぎて、到底やり続けることができないから。
そもそも、一番お金を稼げる方法が、お金を稼ぐための方法(システムなり教材)を売ること――というのも、なんだかちょっとおかしい。
お金を稼ぐための方法を買った人のうち、実際、何割の人がお金を稼げるようになるというのか?
適当な予想だが、たぶん1割にも満たないだろう。だとしたら、残りの9割は、無駄なお金を使っていることになる。
そしてその無駄なお金というのは、インフルエンサーたちが「今すぐやめろ!」と口を揃えていっている、普通の仕事をして稼いだ普通のお金だ。
しかし、そんなことはたぶんわかっている。インフルエンサーたちはバカじゃない。すでに、使い切れないほどのお金をもっている彼らの目的は、たぶんお金じゃない。
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じゃあ彼らの目的は何か?を、簡単にいえば、自己実現だろう。僕が、小説や芸術を通じて、自己実現を果たそうと思っているように、彼らも、「お金を稼ぐ」という行為を通じて、自己実現を果たそうとしている。
そう、「お金を稼ぐ」という行為が、彼らはただ得意なだけ。得意なことで、自己実現を果たそうとしているだけ。
で、実際のところ、彼らの自己実現がどのくらい果たされているか?というと、たぶんそうでもないと思う。
なぜなら、お金を稼ぐ方法のほとんどが、同じようにマニュアル化されていて、ツマラナイからだ。おそらく、彼ら自身も、自分たちのやっていることに飽きつつある。このままじゃヤバいと思っている。
小学生でも読める単純な娯楽小説ばかり書いている作家が、もっと面白い新しい表現をしたいと思いながら、今の読者を逃したくないからと、別の新しい道へ一歩踏み出せないように、インフルエンサーたちもまた、本質的な変化を恐れているように見える。
お金を稼ぐことで自己実現を果たすには、お金の稼ぎ方を、もっと本質から面白い新しいものに変えていく必要がある。
そのためにはまず、より多く稼ぐことを、目的から外したほうがいいと思う。「面白ければ、大金を稼ぐ必要はない」くらい、稼ぎ方の面白さだけを追求することで、自己実現への道は拓けてくるだろう。たぶん。
引用元
https://note.com/d_tensaka/n/n3a56dac5292d?creator_urlname=d_tensaka
考察
今の世の中は、何者でもない人間が何者かになるには、せいぜいYouTubeを頑張るぐらいしかないだろう。
最近、月間200万pv(しまるこブログの100倍w)のとある有名ブロガーが本を出版したところ、40万円の収入だったと言っていた。物書きが食える時代は終わった。
だから純文学作家もYouTubeに乗り出してくるのである。この辺りの嗅覚がない純文学作家は生き残れないどころか、書いているものもつまらない。それは、小説投稿サイトという狭い世界の中でもはっきり表れている。
だからネットのどこを歩いても、インフルエンサーの卵達の糞で汚れている。
目を血走らせて、発信することがないのに無理して発信しており、本当のところは何も発信してないのに発信する方法をずっと発信している。
彼らが投げかけているコメント、「一日30ツイートしよう!」「ブログ書こう!」「毎日継続していれば必ず夢は叶う!」これらはすべて自分に向けて言っている。そうやって自分を奮い立たせなければ、恐くて立っていられないし、強迫観念のように自分の頭の中を一日中支配している言葉なので、勝手に出てきてしまうのである。みんなでTwitterに張り付いて、お互いにいいねやコメントをして、そうやって一日が終わるので、みんな一字一句違わないコメントになってしまっている。
彼らは、彼らが自覚している通り、無理して世の中に出てこなくていい存在である。出てきても世の中が汚れるだけである。缶コーヒーやビーフジャーキーなどのジャンクフードと一緒で、流通すればするほど人の健康を蝕んでいく。人は優れた数冊の書物と瞑想だけでいいはずなのに、その機会を奪う用しかなさない。
では彼らは大人しく家でテレビを見て、会社に行って、身分相応の望まない一生を終えればいいかというと、そうとも思わない。
すべてをやめてしまえばいいと思う。無理してTwitterで何番煎じかわからない透明な水のような自己啓発ツイートしたところで結果は見えているし、自分もつらいだけだろう。
すべてやめて、いつか幸せになるより、今幸せになってしまうのがいい。彼らもすごい金持ちになりたいわけではないだろう。ただ仕事に行きたくないだけだろう。
週2日だけ働いて8万以内で過ごすことさえできたら、無理してつまらない動画を撮ったり呟きをしなくてよくなる。自分の本当に面白いと思ったことだけを発信して、ゆっくりお金稼ぎができるようになる。
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で、儲けている方のインフルエンサー達だが、彼らが羨ましいかと言ったら、めちゃくちゃ羨ましい。何を羨ましいと言ったら、金が羨ましい。
俺は金があったら何がしたいかというと、山奥に500万円ぐらいの家を建てて、庭にサンドバッグを置いて、大きなコンクリートの壁を作って、テニスの壁打ちをしていたい。そして、ふらふら散歩をしたり瞑想したり執筆をしたり、可愛い女の子を連れ込みたい。まぁ、正直今より少しグレードアップするぐらいだ。大して今の生活と変わらない。
上級ミニマリストとしては恥ずべきことだが、収入より散財の方が上回ってしまう月があるから、着々と貯金が減ってきてはいる。月15万円の定期収入が入るか、あるいは貯金が3億円ぐらいあれば、それ以上に金が欲しいとは思わない。今よりもう少し安心がほしいなと言ったぐらいだ。インフルエンサーの卵達と同じ考えである。
インフルエンサーにしろ、その卵達にしろ、彼らがなぜあんなつまらない仕事をしているかというと、それしかできることがないからだろう。同じクリエイターでも作家や漫画家と比べると、人間として元々持って生まれたパワーや才能が明らかに劣っている。
人間はできることしかできない。いつも同じことを発信しているのは、それしかできないからだ。
あるライターが、「(インフルエンサーが)本当に裕福で幸せだったら、金稼ぎの方法を教える仕事をずっとやり続けるだろうか?」と言っていたけど、金稼ぎの方法を教えるしかできないというのが答えだと思う。
彼らも、ワンピースやハンターハンターみたいな純粋な才能だけで世界を激震してやりたかったけど、それができない以上は、いま自分にできることをやるしかない。いろんなことにチャレンジした結果、最後に一点の光だけが残り、そこに居座って仕事をしているように見える。
卵達の面白いのは、お父さんとお母さんの外的な行動だけを真似ているところだ。稼いだこともないのに、金稼ぎの方法を教えている。真似すべきものは、最後に自分に残った発信すべき物を見つけるということなのに。インフルエンサーになるとは、自分を見つけることだ。
インフルエンサーの人達は、楽しいとかやりたいこととか妥協を越えて、反応的に自分のできることをやっている。俺はそれが最上だと思う。俺はインフルエンサー達を尊敬している。俺もたくさんチャレンジして最後に残った光にたどり着いて、それを淡々とやって生活を送りたい。サンドバッグを殴り、壁から跳ね返ってくるボールを打ち返しながら。
しかし、考えれば考えるほど、作品なんてものは本当にその人が作っているのか?
もうすぐFF7のリメイクが出ると騒がれているけど、FF7なんて名作は本当にクリエイター達が作ったのか甚だ疑問である。
遊び手達の夢が具現化されたようだ。クラウドもティファもミッドガルも、プレイヤー達の想念が作り手の中に入り込んで具現化されたように思える。
大きい会社ほど、社長は無力になってしまうのかもしれません。大きい組織の大きい流れというのは、どんな英雄にも止めることはできない。トルストイ曰く、ナポレオンが大衆を動かしたのではなく、大衆がナポレオンを動かしたのだそうです。ヒトラーも同じ。 https://t.co/5J3O0r1Ul2
— 働かざるもの@月収30円の無名小説家 (@gl2Bx5ygGpkdK5f) February 11, 2020
インフルエンサーも大衆と一つになって発信しているようである。彼らが同じことしか言わないのは、大衆が同じことを求めているからだろう。同じ言葉を何度も繰り返すことで安心させている。洗脳しているというより、洗脳されたがっている人を迎えているに過ぎない。
YouTubeもTwitterも学校みたいである。インフルエンサー達は人気者で、机にクラスメイト達が駆け寄ってくる存在に見える。