かこ 25歳 市役所勤務
趣味「出会い系」
好物「刺身」「下ネタ」
☆
しまるこ「毎回は嘘でしょ」
かこ「毎回です」
かこ「本人癖になってますね。気づかないでやってます」
かこ「女子社員の間ではいつも噂になってますよ」
しまるこ「えっと、ごめん、もう一度詳しく聞かせてくれる?」
しまるこ「まず、かこちゃんは、『生理痛が酷いので帰ります』って上司に言ったんだよね?」
かこ「はい」
しまるこ「そしたら、一秒くらい、上司がかこちゃんの股間を見る『間』があった」
かこ「はい」
かこ「その『間』が、なんだったのか」
しまるこ「うーん、なんだったんだろう」
かこ「でも、反応するわけにはいかないじゃないですか? 『え? 課長? 今どこ見てたんですか!?』って、言えるわけないじゃないですか」
しまるこ「言えないね」
かこ「すごい気持ち悪くて」
しまるこ「何を想像したんだろうね? かこちゃんの股間の中で、血みどろのすごい戦いが行われているところを想像したのかな? 仕事を続けられないってことだからね。仕事を続けられないほどの凄惨な戦いが……ナプキンとパンツが真っ赤で……」
かこ「やめてください(笑)」
かこ「で、やっぱり言えないじゃないですか? 『今どこ見てたんですか?』って」
しまるこ「言えないね。見たものと見られたものがはっきりしないところにお互い救われているしね。一秒ぐらいじゃ、見たと言ったところで、しらばっくられるだろうしね」
かこ「それもそうなんですけど」
しまるこ「でも、さすがに10秒くらい見られたら怒るでしょ?」
かこ「10秒!? 10秒は、まぁ……」
しまるこ「……」
かこ「天然ってずるいですよね、こっちは何も言えない(笑)」
しまるこ「保健体育で流れるビデオの映像が頭に過ぎってたのかね」
かこ「んー、どうですかね」
しまるこ「俺も昔は、うんこしたばかりの人間を見ると、今こいつのアナルの周りは糞だらけなのか? と、服越しのケツを目で追ってしまう習性があった。今はウォシュレットのおかげで綺麗に洗い流されるから、そんな想像もしなくなったけど」
かこ「話続けてもいいですか?」
しまるこ「いいよ」
かこ「で、『生理痛で帰ります』って言って帰ったんですけど、股間見られたのが、その後も続いたんですよ。この人、毎回必ず見るのかな? と思って、テストしてみたんですよ」
しまるこ「テスト?」
かこ「『お大事に』と言って帰してくれるんですけど、やっぱり必ず一瞬だけ股間を見るんです。何度テストしてみてもそうでした」
しまるこ「テスト? テストする方もテストする方だけど」
かこ「で、それって周りも言えないから本人は一生気づかないんですよ! だから私たちは『生理痛で帰ります』って言うたびに毎回見られるんです!」
しまるこ「はじめから有給使って休めよ(笑)」
かこ「で、テストするために生理痛で帰りますって言ってたら……」
かこ「例えば、10月の20日に『生理痛だから帰ります』と言ったとするじゃないですか?」
かこ「そうすると、ちょうど1ヶ月経った11月の20日あたりに、そろそろ生理かな? って具合に、股間を見てきたんです」
しまるこ「え? 先回りされたってこと?」
かこ「『時期的に今日あたりかな?』って、先に一件落着みたいな顔されたんですよ!」
しまるこ「しらねーよ(笑)仕事中何してんだよおめーら(笑)」
かこ「血がダメな男の人って多いじゃないですか?」
しまるこ「うん」
かこ「男の人って、リストカットの跡がある女を見ると、ゾッとした顔するじゃないですか?」
しまるこ「まあね」
かこ「あれと同じで、生理だと勝手にゾッとされるんですよね(笑)」
しまるこ「まあね」
かこ「『うわー! 生理だー! みんな逃げろーッ!』みたいな(笑)」
しまるこ「精密な濾過器みたいに、子宮で大仕事が行われているような、メンテナンス中っていうのかな? 邪魔しちゃ悪い気分になって、逃げたくなるんだよ」
かこ「まぁその通りなんですけどね」
しまるこ「でもさ、女だってさ、男のちんこがめっちゃ勃起してたら見ちゃうでしょ?」
さやか「それは物理的じゃないですか! 見えないものを見てくるから困ってるんです!」
しまるこ「仕事しろよ(笑)」
しまるこ「市役所って、俺らの税金吸い上げて、そんなことやってるん?(笑)」