肉を食う女の子でエロくない子はいなかった。肉を食う人間は男だろうが女だろうが決まってエロい。肉自体が性腺を刺激して異常性欲を沸き立たせるからである。
齋藤飛鳥は月に2回一人で焼き肉屋に行って肉をたらふく食べるというし、堀未央奈も、渡辺麻友も、肉が大好物で、よく肉を食ってるシーンをテレビやインスタで映していたを見たことがある。アイドルで肉が嫌いというのはなぜか聞かない。しかも、アイドルとしてレベルが高い、トップアイドルになればなるほど、よく肉を食うという不思議な理論がある。俺はこの理論に昔から注目していた。
アイドルは普通の女の子よりも肉が好きである確率が高い。肉を食べなきゃアイドルをやりたいとは思わないのか、アイドルになろうというのはそれだけ戦闘的な動物的な本能から来ているところが多く、いわば戦士、女戦士、アマゾネスのような職業性がアイドルとも言える。狩り、戦う女、動物臭、獣的な、性欲おばけじみた、男の鼻孔をくすぐる肌からのぼってくる性エネルギーは肉からきているところが多く、肉を食べないと女は醸し出すエロさは少なくなってしまうところはあるかもしれない。果物や野菜からくるクリーンなエネルギーはアイドルの波動と噛み合わないかもしれない。少なくとも、センターになるのは難しいだろう。
俺がどうしても気になってしまうのは、肉を食べるということは便が臭くなることである。臭いし、硬くなる。「肉が好き」と公言することは「便が臭い」と公言すること同義であり、俺はどうしてもそこが気になってしまう。アイドルでなくとも、「肉食べるの好きなんですよ〜」という女の子に会うと、ああ、うんこ臭いんだなぁと思ってしまうところがある。
日本全国に向かって私のうんこは臭いですというアイドルか。ラグビー部の主将がするようなうんこをアイドルがしているということになるが、いくらアイドルだからって、便が臭くならないなんてことはないだろう。どうしてマネージャーや関係者は止めないのかなと思ってしまう。まぁ、それだけマネージャーや業界人は食生活に関して無知なのである。某番組で、AKBのコンサートの舞台裏を流していた映像があって、その映像では、ステージの裏に屋台みたいなものがあって、その屋台ではなんと、好きなものを好きなだけ食べられるバイキング形式になっていて、メンバーたちはコンサート中だというのに、ステージと屋台を行き来しながら肉をたらふく食べあげていた。これから歌って踊って激しい運動が待ち受けているのに、というよりその激しい運動の最中だというのに、彼女たちは一つ歌を歌い上げるとステージから降りてきて、肉をたらふく食べていたのである。渡辺麻友がステージから降りてきて、小休憩といわんばかりにトマホーク肉を3本平らげていた光景は忘れられない。
これは大人の管理がなっていない。仕事中はなるべく食事をしないほうがいいという基礎的な事もしらないどころか、精をつけるためにとにかくたくさん食えと言わんばかりだった(まぁ、5年くらい前に見たVTRだから、今はどうだか知らないが)。彼女たちは肉が目の前にあったら食べてしまう年頃だろう、果物ならともかく、これから大仕事をしようというアイドルに向かって肉を食べさせるとはどういうことか、俺はこれには腹を立ててしまった。が、しかし、プラセボ効果というのは恐ろしく、彼女たちは肉を食えば元気になると信じてステージに立つから、本当にすごいパフォーマンスを発揮できてしまう。
渡辺麻友も、アイドル時代は肉やジャンクフードをいくら食べても太らなかったし肌もまったく荒れたことがなかったと振り返っている。秋元康も「渡辺麻友の肌は別格、本当にサイボーグ、毛穴一つなかった」と認めている。井上尚弥も亀田兄弟も、毎晩焼き肉を食べているというし、ボクサーでも草食にしたほうがスタミナや運動能力の向上がはかられるように思うが、井上尚弥のあの圧倒的な強さと人格を見せられたら、さすがに肉食はやめろとは言えないだろう。むしろ肉食からきている強さに思えてしまう。井上尚弥とまゆゆを例に挙げて考えると、やはり食生活よりも精神力の方が重要なようだ。
俺がマネージャーだったら肉食をやめさせるかもしれないが、しかし、そうしたら、彼女たちはステージの上で歌って踊ったりする気持ちがなくなってしまうかもしれない。それどころか、アイドルとして頂点を取ってやろうという野心さえ奪いかねない。上述のように、彼女たちの香り立つエロさも肉からきているところが大きいと考えられることもあって難しい問題である。与田祐希も毎朝かならず馬刺しを食べていると言うし、馬場ふみかも健康のために毎日肉をたくさん食べるようにしているという。しかも、そういう子たちほど、美貌的にも人格にも傑物だから、理論を覆される。肉を食わない方が足は綺麗になるが、紛れもなく肉を食ってばかりいる彼女たちの足は美しい。
また、アイドルが肉食をせず、肉に対して俺が掲げている理論などを挙げれば、凄まじい世間のバッシングにあい、引退を余儀なくされるだろう。「うーん、肉はちょっと苦手で…‥」と言うくらいが精一杯だろう。業界人やマネージャーももちろんだが、アイドルファンが狂った牛のように怒り出す。
なぜか、肉食に対して異常に怒り出す層とアイドルファンの層は一致している。基本的にアイドルというのは肉やジャンクフードやYouTubeなどと横並びの文化であり、アイドルもまたジャンクフードの一つであり、そのため、アイドルファンが、野菜や果物を食べてクリーンなエネルギーで生きている女の子よりも、アイドルの方に夢中になってしまうのは、同族愛、同じ食べ物を食べているよしみというか、アイドルやアイドルを取り巻く世界、『子持ちトレーナーと酒のんで6時間セックス』とか汚らわしいゴシップとかと肉食は相性がいいらしく、ああいう見出しや、じっさいにそれを行ってしまうアイドル、子持ちトレーナー、酒、6時間セックス、それに反応するファン、それらはすべて肉を起点とする横並びの文化である。
性において厳しい制約に置かれているにも関わらず彼女たちは普通の女の子より肉を食うから、性欲が異常に亢進してしまう、そんな彼女たちに恋愛を禁止しろといっても無理な話である。彼女たちは自分で自分の首を締めている。俺から見たところ、彼女たちは普通の女の子よりもセックスをしたがっている。秋元康が『セーラー服を脱がさないで』の歌詞の中に「週刊誌みたいなエッチもしてみたいけど」と書いたのは、ここからきている。彼女たちは、キャーキャーワーワー言われて女の代表みたいな扱いをされているけど、いちばん肉体が活性化される年に、肉を食べて、性を持て余している。もったいない、事実、自分でももったいないと思っている。この持て余している心はいったいどこに向かうのか。ミニ秋元康である。
坂道グループのアイドルは、「逆に」秋元康に抱かれたくなってしまうのではないか。
アイドルはいつも緊張状態にあるため、一人の女の子に戻っているときの時間に優しくしてくれる相手と付き合いやすい。ファンがいくら言い寄っても無駄なわけである。アイドルモードが切れて素に戻った時こそ、彼女たちの心につけいる隙が生まれる。ステージの上で、キラキラモードの中で誰かと会ったり話したりしているときよりも、控室に戻り、椅子に座って一息ついて、呆然自失して無防備になっているときの方が、その隙間に男が入リやすい。マネージャーや業界関係者、恋愛禁止だと曰わり、制している方が付き合ってしまったりする。ジャニーズだとか若い俳優だとかドラマの共演者とか、一生懸命彼らと関係を持たないようにしていて、それをよくやったね、頑張ったね、その調子と制御にあたっている人間が、制御しているうちに恋愛関係になってしまう。
小坂菜緒にしろ早川聖羅にしろ、アイドルは売出し絶好中だというのに精神を病んでしまうことが少ないない。そういうとき、ファンの存在などむしろアンチであり、そういうときに相談にのれるの近くの彼らしかいなくて、また彼らも狡猾で、秋元康の真似みたいなことをして、やたらと優しくしたり、ポーズで厳しいことを言ったりして、やはり緊張と緩和、優しくしたと思ったら厳しいあたりをして、これはブラック企業でもよく取られる手法であり、あめとむちを使い分けて、男はこういうときプライドが邪魔して全面的に彼らに自分を委ねることは女に比べると少なくなるが、女の方が心を許してしまうところがある。
やはり人は身近な人間を好きになってしまう、それはアイドルでも同じことだ。戦争でもたたかう一番の理由はそばにいる仲間のためだというし、学校や会社でも同じ組織の人間の中で付き合いたいのが本音で、同じクラスや職場の異性にヤキモチを焼かせるために出会い系をやる。アイドルも同じである。割と多くのアイドルがスタッフに恋愛感情を抱いている。過程をはしょって答えだけを炙り出しているようで恐縮だが、なぜお前にそんなことがわかるんだと言われても、バラエティ番組で映る彼女たちの顔から、彼女たちがスタッフの誰かに恋心を抱いていることがわかってしまうのだ。ちょっとした会話の中でチラッと映る彼女たちの顔から、(この収録が終わったら〇〇さんの感想をはやく聞きたい)(◯◯さんとはやく話したい)と、番組そっちのけで、番組が終わった後の彼との会話を楽しみにしている顔をしているのだ。なぜお前にそんなことがわかるんだと言われても、わかってしまうのだからしょうがない。恋している顔は隠せないというやつか。やはり、こればかりは一緒に過ごした時間、メイクがどうだとか、化粧ののりが今日はいまいちだとか、生理の周期とか、およそファンや、ドラマで共演する俳優やジャニーズには言えない、内密なプライベートな話をしているうちに、打ち明けた内部事情につれて恋心は増大していっているようである。
あの西野七瀬が、トップアイドルグループのトップオブトップで、いちばん売出し絶好調時に、30代後半の変なおじさんみたいなプロデューサーと付き合っていて、びっくりした。こういう子が付き合うとしたら、いったい誰と付き合うんだと思っていたときに、よくわからない、ジャニーズじゃなくてなぜこんなおじさんと不思議に思ったものだったが、しかし、この例は少なくない。アイドルがプロデューサーと付き合うのは、金やら権力やら番組起用やらと早計に考えてしまいがちだが、その男がブロデューサーとして君臨するまでに至った人間力がそのままモテにつながっているだけの話である。業界には、ミニ秋元康みたいなのがゴロゴロ居て、秋元さん、いいなぁとなって、でもそれを自分から言い出せるわけもないし、秋元康から言い出してくることもないので、この内部で蓄えた評価の行き場をどうしていいかわからなくなってしまう。秋元康は同世代のジャニーズやイケメン俳優より満点の態度を出すわけだが、これのミニ版の男など、業界にはチラホラいる。アイドルだって、どこかで結婚をゴールとして考えているから、つまり、身近で完成された男がいれば、そこで終止符を打っていいと思っているところがあり、秋元康がダメだったから秋元康の卵みたいな男で妥協するというわけではないけど、肉と、持て余した肉体のおさまる器は、ここに収まりやすい。