上司「キヨミくん。もう帰っていいよ」
キヨミ「どうしてですかあああああああああああああ~ーーーーーーーーーーーーーーーーー!?!?!?」
上司「帰っていい」
キヨミ「どうして、、、、、、、ですかああああああああああああああああああああああああああああああ!?!?!?!!?!?!??!!??!」
上司「だって、おかしいじゃない」
キヨミ「な、何がおかしいいいインンンンンですかあああああああああああああああああああ?!!?!?!??!!?」
キヨミ「、わ、わ、わ、わ、わ、わたしぃのおおお!!! わたしのどこがおかしいんんんですかぁぁぁぁぁああああああああああああああああ!!!!!!!」
キヨミ「おおおおおおお、お、お、お、お、お、お!!!!!!!!!!!! 教えてくださいぃぃぃィィィぃィ!!!!!!!!!」
キヨミ「ねーーーーん!!!!!!! ねーーーーーーーーーーーん!!!!!!! ねえええええええん教えてええええええええええええええンンンン!!!!!!!!!!」
キヨミ「先生!!!!!!! 先生ってばああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
キヨミ「せ、、、、、、、、、、、、先生ぃぃぃィぃィいいいいいいいい!!!!!!!!! 教えてくださあああああああいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!」
キヨミ「は…、、、、、、はやく!!!!!!!! 時間がない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
上司「挨拶とか、全部おかしいじゃない」
キヨミ「どうしてえええええええええええええええ!!!!!!!!!!!! ちょっとこうやって!!!! 大きな声出して!!! 元気に挨拶しただけじゃああああああないですかあああああああああああああああ!!!!」
上司「それじゃ仕事できないでしょ」
キヨミ「できますうううううううううううううう!!!!!! 絶対できますううううううううううううううううううう!!!!!!!!」
上司「本当?」
キヨミ「できますううううううううううううううううううううううンンンンんんn!!!!!」
キヨミ「ンンンンンンンンンンンンん!!!!!!!! あああ!!! がぁぁぁぁ!!! がああううう!!! うう!! はぁ、はぁ」
キヨミ「そうやってすぐ!!! そうやって!!! 少し変わった挨拶しただけで追い出そうとするんだからあああああああああああ!!!!!!! 誰も傷つけてないでしょおおおおおおお!? ちゃんと仕事すればいいだけじゃないですかああああああああああああああああ!!!!??!???」
キヨミ「んもおおおおおおおおうううううううううう!!!!!!! 嫌になっちゃううううう!!!!!!!!!!!」
キヨミ「帰っていいとか、クビとか!! そういう法律あるんですかあああああ!?!? この態度で、これ、この感じだから、ダメとか、労務局で、そういう法律とか、あるんですかあああああ!?!?!??」
上司「……」
上司「ちゃんと、仕事できるの?」
キヨミ「はいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいンンンンンンンンンンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
※
キヨミ「こ、、、、こ、こ、ここ、これは何ですかああああああああああああああああああああああ!?!?!?!」
キヨミ「センセえええええ!!!!!!! これは何ですかあああああああああああああああああああああああああああ!???????????」
上司「赤ちゃんだよ」
キヨミ「赤ちゃん? ところてんかとお思ったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
キヨミ「お、お、お、お、お、お、お!!!!」
上司「じゃあ、Aの赤ちゃんとBの赤ちゃんの清拭頼んだよ」
キヨミ「はいですうううううううううう!!!!!! ンンンンん!!! っん、ん、ん、ん、!!! は、は、は、は、はいですううううううンンンンンンンン!!!!!!!!」
キヨミ「フゴォォォオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
※
キヨミ「ねんねんころりよねんころり〜♪ おむすび山のじいさんが〜、ねんねんころりよねんころり〜♪ 坂道をコロコロコロコロ、ころがりはじめました〜♪ おむすびはおじいさんを追っかけ〜♪」
キヨミ「だけどおじいさんはとまりません!!!!!!!!!!!!!! コロコロころがって、地面(じめん)にあいたあなの中にころがりおちました。するとあなの中から、「♪おじいさんころりん すっとんとん ころころころりん すっとんとん♪」と歌が聞こえました。「これはおもしろい!」。おむすびはおもしろくなって、おじいさんをまた一つ、あなの中へほうりこみました〜♪ 」
キヨミ「(あれ? どっちだっけ?)」
キヨミ「(子守唄歌いながら清拭してたら、どっちがAの赤ちゃんでどっちがBの赤ちゃんかわからなくなっちゃった)」
キヨミ「(一つづつベビーケースから取り出してやるべきだった!)」
キヨミ「(え…、あれぇ……、どっちだ?)」
キヨミ「(顔が一緒だから、わかんないなぁ……、ちょっといくら何でも似過ぎじゃない?」
今更どっちかわかりません、なんて言えないしなぁ? 言ったところで、たぶん、みんなもわからないし? 服に目印らしきものがついてたけど、さすがに服を全部脱がしちゃったらわかんないよ……。こんなの、もう誰だって見分けがつかないし。服を全部外した状態で、両方一緒に置いとくべきじゃなかった。
どうしよう? 上司に報告する? いや、上司だって、困るはずだ。上司だって、もうわからないんだから。上司だって、知らされたくないはず! 病院だって困るはずだ。うーん。家族に見分けつけてもらう? いや、家族だってわからないはずだ。
これは、誰も知らないほうがいいこと……? その方が、みんな、幸せなんだ。
だけど……、いや、でも……
うーん?
うーん……うーん……、
え……、どうしよう、うーん……
もしかしたら、当たってるかもしれないし。フィフティーフィフティーで。ウーン……
でも私がこの葛藤を封じ込めれば、それで済む話かもしれないし、
言わなきゃ言わないで、両方の、ご両親の、認識の上では何一つ変わらない認識が続くだけだし? ウーン、ウーン……。
※
お母さん「おはようございます!」
お父さん「おはようございます! 先生方」
上司「おはようございます」
キヨミ「……」
お母さん「わぁ、坊や! 坊や!!」
お父さん「少し大きくなったんじゃないか?」
お母さん「もうあなたったら(笑)一昨日見に来たばかりじゃない(笑)」
上司「とても順調に育ってますよ」
キヨミ「フフ」
お母さん「まあ!」
お父さん「先生方! ありがとうございます!」