無職になって2ヶ月が経って思うことがある。
人は本当は働きたいんじゃないかと。
もちろん多くの人が毎日仕事行くのはすごく嫌だし、仕事が辞めたくて辞めたくてしょうがないだろう。
それでもどうしてやめないかと言うと様々な理由はあるが、強調して言いたいのは仕事を辞めた後の日常を想像した時、何もやることがないからだと思う。
たとえお金を稼げなくても、遊びとかではなく、本当に打ち込みたいことがあったら、自然と仕事を辞めてしまえるのではないかとすら思える。
ずっとYouTubeを見たりAmazonプライムで動画を見ている時はめちゃくちゃ楽しい。ほとんどの人がせっかくの休みだというのにそんな風に過ごしていることだろう。
仕事をしながらそんな風に休むのはいい。平日5日間働いて、そのぶんの疲れを取り返すには2日分の休日は必要だろう。
ちょうど働いてる時の時間と休みの時間がうまい具合にバランスを取れていて、だから休日部屋でずっとゴロゴロしていても何も罪悪感がないし、永遠とこんなふうにダラダラして過ごしたいと思う。仕事を辞めてでもこんなふうにずっとダラダラ過ごせてたらとても幸せだろう。
だがこれが仕事がなくて週7日ずっと家でネットやテレビを見て過ごすことになったらどうだろう。
おそらく多くの人は、辞めた後無職になって、次の仕事も探さず、こんな毎日を送ることを想像したとすると、とてもじゃないけど無理だと思うことだろう。
まず罪悪感に耐えられない。
仕事もしないでずっと家でテレビやネットを見ていることは自分を苦しめる。
現に俺は今苦しんでいる。
時間を無駄に消費することに対しての罪悪感だろう。
本当はどうしても見たい番組があって見ているわけじゃなくてただ暇を潰したいだけだ。暇潰したいのと脳を停止したいからだ。
ちょうど疲れた体にくだらないバラエティ番組や、安い内容の萌えアニメなんかはちょうどよく体に染み込んでくる。
何も考えず脊髄反射的に楽しむにはちょうどいい素材だ。
別に楽しいから見ているわけじゃない、音も映像もなくただ部屋でぽつんとしているのも物足りないので、何かちょうどいい刺激が欲しくて見ているだけだ。
つまり仕事で疲れたぶんの浄化作用として働いているだけだ。
実際に俺が無職になって仕事をしないで、ただこういった番組をずっと見ていたら、本当に苦しくなった。
でも他に何もやりたいこともなく時間の潰し方もわからないのでとりあえずリモコンを手につけてしまう。
自分でも不毛だなと思いながらを延々とそんな番組を見続ける。
おまけに腹も減ってきてコンビニ飯を食べながらこの手の番組を見ていると本当に鬱になってくる。
多くの人は仕事を辞める前にこんな状況を想像して、地獄だと思うからやめないんだと思う。
何かやりたいことがあれば仕事を辞めれてしまうかもしれないが、丸1日空白な状況の中で、その空白の時間を完全に埋めるほどの時間と労力を割けるだけのやりたいことなんてほとんどの人はない。
つまり辞めてもやりたいことがないからやめられないのだ。
今の若い人はやりたくない仕事でお金を儲けられても、それはそれで辛いとわかっているから、たとえお金が稼ぐことができなくても生計を立てられたらと思っている。
自分がある程度やりたいことで、最低限の暮らしを支えるだけの仕事というものはほとんどないと言っていい。
そんな人たちに対して言えるアドバイスは、とりあえず週2日だけ働いで残りの5日は遊んだりやりたいことを探すことがいいということだ。
俺は今自営業で週2日だけマッサージの仕事をしているが(だから厳密にいえば無職ではない)別にこれは自営業でなくてもマッサージでなくとも、月に10万円ぐらいは稼げるだろう。
週2日だけ働けば、10万近くは稼げる。日給1万ちょっとのバイトをすればいいだけだ。その10万で何とか生活をやりくりする術をおさえればいい。
仕事を減らしたところで、休日をダラダラ過ごすだけになってしまって、時間を無駄にするのは分かっているだろうが、それでも仕事をしていると休日はその疲れで何にもしなくなるし自分の人生を生産的な方向に持っていけない。
だからちょうど今の時間の配分を逆にしてあげるのだ。週2日働くことで休んでいる自分への罪悪感に対しての薬にもなるし、とりあえず生活もできるようになる。貯金はできないだろうが。
仕事と休みの配分が逆になってくるだけでも何か変わってくるだろう。
本当に打ち込みたいことがないから働いている人がほとんどだが、働きながらだとなかなかやりたいことは見つけられない。
やりたいことを見つけるために無職になっても、今度は生活が立ち行かなくなる。
だから週2日だけ、残りの5日は自分の時間に使う。
これが現代の迷える子羊達の新しい生き方だと思う。
やりたいことがなくて無職になっても、無駄に時間を浪費してしまうだけ。だが、それでも、会社で働くこともやっぱり無駄なのだ。
無駄じゃない何かを探すには、時間が必要だ。無駄に時間を過ごしてしまう自分と戦いながらでも無職になった方がいいと思っている。