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仕事3日目の歯科衛生士の感想

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しまるこ「どう? 仕事は?」

歯科衛生士の女「まだ3日目だからなんともいえないけど、先が思いやられます」

しまるこ「ほう」

歯科衛生士の女「受付やってたら、患者さんが、『忘れ物したんで家帰ってもいいですか? すぐ近くなんで』っていうから、『あ、はいどうぞ〜』って私いっちゃったんですね」

しまるこ「うん」

歯科衛生士の女「そしたら先輩が、『あのお客さんなんで帰っちゃったの?』って聞くから、『忘れ物したから取りに帰るらしいです』って私返して、『何かと思っちゃったじゃない。勝手に判断しないでくれる? 帰っていいか帰っちゃダメか、新人のあなたには判断できないでしょ?』っていわれたんですね」

しまるこ「うん」

歯科衛生士の女「『え、帰しちゃいけなかったんですか?』って聞いたら、『いや、帰していいよ』っていうんですね」

しまるこ「うん(笑)」

歯科衛生士の女「で、また別のお客さんがやってきて、そのお客さんも『忘れ物したからちょっと帰ってもいい?』っていうんですね」

しまるこ「よく忘れ物すんなー」

歯科衛生士の女「で、私、急いで先輩のところにいって(さっきとは別の先輩なんですけど)、『患者さんが忘れ物したみたいなので帰ってもらってもいいですか?』って聞いたら、『そんなことで呼び止めないでくれる? 普通に考えてわかるでしょ』っていわれたんですよ」

しまるこ「うん」

歯科衛生士の女「なにこれ? って思っちゃって。いちいち確認しなきゃなんないの? 確認しないと怒られるし確認しても怒られる。家に忘れ物したんだったら帰らせていいに決まってんだろ。これが自営業だったら、即断即決でいいわけじゃないですか」

しまるこ「そうだね」

歯科衛生士の女「こんなクソみたいなくだらないことで、一回一回頭を悩ませないとって思うと、やってられないですね」

しまるこ「ふーむ」

歯科衛生士の女「声だって、すぐにかけれたわけじゃないんですよ。何分も何分もじ〜っと待って、先輩の手が空くまでじっ〜と待って、やっと声かけたんですよ。たかが患者が家に帰ってもいいかどうかを聞くために」

しまるこ「うん」

歯科衛生士の女「なんでも聞いてっていうんですけど、聞きたくても聞けないんですよ。圧倒的に人手が足りてなくて。先輩たちは先生につきっきりで、変なホースみたいのを持って、患者さんのヨダレ吸ってるから、声かけれないんですよ」

しまるこ「なるほど」

歯科衛生士の女「先生は両手埋まってるから、誰かがホース持ってないとヨダレ吸えないし。そこに声かけにいくのが本当にイヤなんですよ」

しまるこ「ふむ」

歯科衛生士の女「今声かけてもダメなやつだなって感覚でわかるから、ずっと落ち着くまで待ってるんですけど、そうすると今度はお客さんが、『ねえ? 帰っていいの? 忘れ物取りにいくだけだからいいよね!?』って怒ってくるんですよ」

しまるこ「おー、大変だ」

歯科衛生士の女「私もちょっと待ってください!っていうんですけど、『何を待つの? もう5分以上待たされてるんだけど! 人に待てっていうわりには、君さっきからずっと立ってるだけじゃないか!』っていうんですね」

歯科衛生士の女「私だって、待たせたくないんです! 待たせてるときの、あの、そわそわした患者さんの動き、あの視線をずっと浴びるのは私なんです! 先輩はホースでヨダレ吸ってるだけだから気が楽ですよ。私もずっと吸ってたいですよ!」

歯科衛生士の女「忘れ物のために家に帰るっていう人を呼び止めてまで、待たせて、待たせて、待たせたあげく、そんなことは聞くなといわれたり、聞けといったり、やっと聞けて、はい、では帰ってもらって大丈夫ですなんていったら、『いいんかい! じゃあはじめからいえやボケ!!』って怒られるのも私なんです!」

しまるこ「四面楚歌か」

歯科衛生士の女「てんてこまいですよ」

しまるこ「てんてこまい……」

歯科衛生士の女「本当にてんてこの舞踊ってやろうかと思いましたよ」

しまるこ「てんてこの舞……か……」

歯科衛生士の女「一日中これがずっと続きました。病みますよこれ。でもこれが仕事です。相手のタイミングを伺うのが仕事です。それが歯科衛生士の仕事です」

しまるこ「てんてこの舞……」

歯科衛生士の女「仕事のストレスって案外こんなことですよね」

しまるこ「そうかもしれないね」

歯科衛生士の女「一つ一つは些細なことなんだけど、自分のタイミングで進めていけないことにすべての問題があるっていうか」

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