仕事

まねきねこの女子トイレで、血のついたナプキンを収集していた先輩

投稿日:2020-11-23 更新日:

先輩「あーこりゃだめだな」

先輩「ぜんぜん真っ白じゃねーか」

しまるこ「先輩、何してるんですか? 掃除に集中してくださいよ」

先輩「血がついたナプキンを探してんだよ」

しまるこ「血がついたナプキン?」

先輩「汚物ケースに入ってるナプキンを開くと、下痢ウンコかと思うくらい、真っ赤なべっちょりした血がついてることあるんだよ」

しまるこ「へえー」

先輩「ナプキンをパッと開いたときに視界に飛び込んでくる強烈な赤が、何度も俺を女子トイレに誘うんだ。鮮烈な赤が、俺の目に焼きついて離れないんだ」

しまるこ「そんなにすごい赤なんですか?」

先輩「赤というか紅蓮というべきか。鮮やかな真っ赤なときもあれば、ドス黒いうんこが混ざったような赤もある。ほとんど真っ黒のような場合もある」

しまるこ「ほとんど真っ黒!? そんなことあるんですか?」

先輩「そうだ。墨汁のように漆黒だ。まんこに墨汁を入れてるとしか思えない」

しまるこ「まんこに墨汁……ですか?」

先輩「生理に失敗したのかもしれんな」

しまるこ「生理に失敗!? 生理に失敗ってあるんですか先輩!?」

先輩「この巻き方を見ろ、しまるこ。品がよく、お淑やかに、小さく包まれた巻物。まるで透き通った白い肌の女の子が、細い手で丁寧に巻いたように見えるだろ」

しまるこ「卒業証書みたいですね」

先輩「しかし、それをバッと開いたときの、赤! 黒! 目の前に飛び出てくるぐっちょりとした赤と黒! お前ぜんぜん清楚じゃないやんけ! しまるこ。俺はそのとき、女の本性を見た気がするんだ」

しまるこ「ふうむー。ただの生理現象のように思いますが」

先輩「見ろ、しまるこ。忍者の巻物みたいだろ」

しまるこ「わ、先輩汚いな。こっち向けないでくださいよ〜」

先輩「忍法! ナプキン咥えの術!」

しまるこ「先輩、咥えてニンニンのポーズとらないでくださいよ(笑)」

先輩「こんなにグルグル巻いて、一生懸命密封して、いったいどんな忍術が隠されてるんだろうな? きっと火遁の術もびっくりの赤だぜ。これ、開くとどうなるんだろうな? トイレの警報機が鳴るくらい、真っ赤に燃え上がるかもしれんぜ?」

しまるこ「女忍者が残していったんですかね」

先輩「生理のくせにカラオケきてんじゃねーよな? 血を流してまで何をそんなに歌うことがあるんだよなぁ?」

しまるこ「倖田來未の『mooncrying』を歌うとき、陰部から血を流していた方が演出がハマるかもしれませんが」

先輩「見ろよしまるこ! すげえ! これめっちゃ血ついとる! 久々の大当たりだわ! どんだけ大怪我してんだよ、立派な怪我人だぞコレ! 2号室か? 3号室か? ソファの掃除が思いやられるな……。いや、それよりちゃんと歌い切れるのか? 貧血で倒れちまうんじゃねーか?」

しまるこ「先輩。それ、何が楽しいんですか?」

先輩「なんだわからないのかしまるこ。お前の忍術レベルだったら、わかると思って話したんだが。外は綺麗だけど、中はこれほどまでに汚い。まるで女性の内面を表しているようだと思わないか?」

しまるこ「ふーむ」

先輩「しまるこ。地球上でこんなにデリケートなモノがあるか? 彼氏にも見せたことないだろうぜ」

しまるこ「はぁ」

先輩「なんとなく俺、その人の顔を見ると、そいつが今日生理かどうかわかるんだよ。しまるこ。従業員たちの仕事ぶりとナプキンの色は関係しているんだぜ」

しまるこ「ん?」

先輩「色、量、匂い……。今日、遠藤さんイライラしてただろ? なるほどな。そういうときはいつもより黒みがかっていたりする」

しまるこ「先輩、従業員の女性のナプキンの色も確認してるんですか?」

先輩「色どころじゃねーよバカが! 色、量、匂い……、ぜんぶに決まってんだろ!」

しまるこ「匂い!? 匂いって、先輩、嗅いでるんですか?」

先輩「ったりめーだろ。この前高田さん、お前が『まねきねこセット』つまみ食いしたとき、めちゃくちゃ怒ってただろ? 怒鳴り声、4号室まで聞こえてきたぜ。あの後、高田さんがトイレに行った後、掃除の体で俺もトイレに行って、ナプキン開いてみたら、パット部から黒がはみ出してこぼれてたぜ?」

しまるこ「黒がこぼれてた!?」

先輩「ああ」

しまるこ「先輩、黒がこぼれてたってどういうことですか!?」

先輩「まぁ、あれじゃあ仕事にならねーわな。お前を怒鳴るのも無理ねーわ」

しまるこ「そうですか。『まねきねこセット』のつまみ食いはやり過ぎたと反省してたんですが。せめてポテトぐらいにすべきだったかと。そうか、あれは高田さんが悪いんですね」

先輩「あれは完全にパンツまでいってたな。もともと黒いパンツじゃなかったらえらいことになるぜ。家族と一緒に洗濯でもしたら……」

しまるこ「先輩。キモイっていったら負けかなって思ったからいわなかったけど、キモイっすねぇ〜〜!」

先輩「結構多いと思うけどな。掃除のバイトの求人を血眼になって探している奴って、こういうやつ奴多いよ」

先輩「俺はまだいうだけマシな方だよ。大抵の奴はいわないで一人でこっそりやるからな」

しまるこ「なるほど!」

先輩「どうだー! しまるこ! ナプキン星人だぞぉ〜〜!」

先輩は赤黒いそれを頭に被って、小生に襲いかかってきた。

しまるこ「や、やめてください〜〜! 先輩〜〜〜!」

高田「ちょっと! あなた達! 何してるの!」

しまるこ・先輩「あ……!」

この後どうなったかまではいうまでもない。小生は先輩のせいでとんでもないことになった。

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