仕事

ま◯きねこの女子トイレで、血のついたナプキンを収集していた先輩

先輩「あーこりゃだめだな」

先輩「ぜんぜん真っ白じゃねーか」

しまるこ「先輩、何してるんですか? 掃除に集中してくださいよ」

先輩「血がついたナプキンを探してんだよ」

しまるこ「血がついたナプキン?」

先輩「汚物ケースに入ってるナプキンを開くと、下痢ウンコかと思うくらい、真っ赤なべっちょりした血がついてることあるんだよ」

しまるこ「へえー」

先輩「ナプキンをパッと開いたときに視界に飛び込んでくる強烈な赤が、何度も俺を女子トイレに誘うんだ。鮮烈な赤が、目に焼きついて離れないんだ」

しまるこ「そんなにすごい赤なんですか?」

先輩「赤というか紅蓮というか。鮮やかな真っ赤なときもあれば、ドス黒いうんこが混ざったような赤もある。ほとんど真っ黒のような場合もある」

しまるこ「ほとんど真っ黒!? そんなことあるんですか?」

先輩「そうだ。墨汁のように漆黒だ。まんこに墨汁を入れてるとしか思えない」

しまるこ「まんこに墨汁……ですか?」

先輩「生理に失敗したのかもしれんな」

しまるこ「生理に失敗!? 生理に失敗ってあるんですか!?」

先輩「この巻き方を見ろ、しまるこ。品がよく、お淑やかに、小さく包まれた巻物。まるで透き通った白い肌の女の子が細い手で丁寧に巻いたと思うだろう」

しまるこ「卒業証書みたいですね」

先輩「しかし、それをバッと開いたときの、赤! 黒! 目の前に飛び込んでるグッチョリとした『赤と黒』! お前ぜんぜん清楚じゃないやんけ! しまるこ。俺はそのとき、女の本当の姿を見た気がするんだ」

しまるこ「スタンダールの『赤と黒』はそういうことを言ってるんですかね? 読んだことないけど」

先輩「そうだ。ナプキンの話だ」

しまるこ「ふうむー。ただの生理現象のように思いますが」

先輩「見ろ、しまるこ。忍者の巻物みたいだろ」

しまるこ「わ、先輩汚いな。こっち向けないでくださいよ〜」

先輩「忍法! ナプキン咥えの術!」

しまるこ「(笑)」

先輩「ニンニン!」

しまるこ「口寄せの術みたいになってるけど、何が出てくるんだろう? 股から血を流して歩く女?」

先輩「実際の戦闘で、んなもん口寄せして出てこられても、何にも役に立たねえけどな」

しまるこ「まぁ」

先輩「こんなにグルグル巻いて、一生懸命密封して、いったいどんな忍術が隠されてるんだろうな? きっと火遁の術もびっくりの赤だぜ。これ、開くとどうなるんだろうなぁ? 真っ赤に燃え上がってトイレの警報機が鳴るかもしれんぜ?」

しまるこ「女忍者が残していったんですかね」

先輩「生理のくせにカラオケ来てんじゃねーよな? 血を流してまで何をそんなに歌うことがあるんだよなぁ?」

しまるこ「倖田來未の『mooncrying』を歌うとき、血を流していた方が演出がハマるかもしれませんが」

先輩「見ろよしまるこ! これめっちゃ血ついとる! 久々の大当たりだわ! どんだけ大怪我してんだよ! 立派な怪我人だぞコレ! 2号室の女か? 3号室か? ソファの掃除が思いやられるな……。いや、それよりちゃんと歌い切れるのか? 貧血で倒れちまうんじゃねーか?」

しまるこ「先輩。それ、何が楽しいんですか?」

先輩「なんだわからないのかしまるこ。お前の忍術レベルだったらわかると思って話したんだが。外は綺麗だけど中はこれほどまでに汚い。まるで女性の内面を表しているようだと思わないか?」

しまるこ「ふーむ」

先輩「しまるこ。地球上でこんなにデリケートなモノがあるか? こんなデリケートなもの、彼氏にも見せたことないだろうぜ」

しまるこ「確かにこれ以上ないほどのデリケートですね」

先輩「なんとなく俺、その人の顔を見ると、そいつが今日生理かどうかわかるんだよ。しまるこ。従業員たちの仕事ぶりとナプキンの色は関係しているんだぜ?」

しまるこ「え?」

先輩「色、量、匂い……。今日、遠藤さんイライラしてただろ? なるほどな。そういうときはいつもより黒みがかっていたりする」

しまるこ「先輩! まさか、従業員の女性のナプキンの色も確認してるんですか!?」

先輩「ったりめーだろバーカ! 色、量、匂い……、ぜんぶに決まってんだろ!」

しまるこ「匂い!? 匂いって、先輩、嗅いでるんですか?」

先輩「ったりめーだろ。この前、高田さん、お前が『ま○きねこセット』つまみ食いしたとき、めちゃくちゃ怒っただろ? 怒鳴り声、4号室まで聞こえてきたぜ。ちょうど、俺はあの時4号室の掃除をしてたんだ。あの後、高田さんがトイレに行った後、掃除の体でトイレに行ってナプキン開いてみたら、黒がこぼれてたぜ?」

しまるこ「黒がこぼれてた!?」

先輩「ああ、まぁ、あれじゃあ仕事にならねーわな。お前を怒鳴るのも無理ねーわ」

しまるこ「そうか。あの後、僕も反省したんですけど、あれは高田さんが悪かったんですね。僕は反省する必要なかったんだ」

先輩「あれは完全にパンツまでいってたな。もともと黒いパンツじゃなかったらドえらいことになるぜ。家族と一緒に洗濯でもしたら……」

しまるこ「先輩。キモイって言ったら負けかなって思ったから言わなかったけど、キモイっすねぇ〜〜!」

先輩「結構多いと思うけどな。掃除のバイトの求人を血眼になって探している奴って、こういうやつ奴が多いよ」

先輩「俺はまだ言うだけマシな方だよ。大抵の奴は言わないでコッソリやるからな」

しまるこ「確かに」

先輩「しまるこぉ〜〜〜〜! ナプキン星人だぞぉ〜〜〜〜!」

しまるこ「や、やめてください〜〜! 先輩〜〜〜!!」

高田「ちょっと! あなた達! 何してるの!」

しまるこ・先輩「あ……!」

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