恋愛は知的活動ではない。なるたけ動物の匂いがする女の方がいい。
東村アキコや林真理子、田中みな実などの恋愛の大家が、どうして坂下健太郎が好きというのか。恋愛のなんたるかを仕事としてきて、いわば専門家として生きてきた彼女たちのたどりつく先は、坂下健太郎なのである。
あまり政治経済などの難しい事柄にしゃれ込むと、セックスのときに邪魔になる。それはやはり同性同士でするものであり、男女間では深いことをいわない方がいい。言葉を紡ぐたびに色気を喪う。恋愛においては、マネキンが動いている程度が、いちばん理想なのである。
小生はよく少女漫画を描いてそうな女にモテた。女は小生に白いジャケットを着せたがったり、結婚式場のホールのバイトを進めてきたり、小生が自転車に乗るのをよしとしなかった。それが小生の本当の姿だと思っていたのだ。
小生が一週間に一回しか風呂に入らなかったり、穴が空いてちんこがとび出るパンツを履いていることがわかると、女はこんな男に時間を使うんじゃなかったと、サッパリした顔をして出ていった。こういうときの女は、すごくサッパリした顔をする。
彼女の理想として振る舞うのは窮屈だった。それをしっているのに、小生はそれと同じように、女性に品行方正な態度を求めてしまう。
アイドルもイケメン俳優もジャニーズも、ご飯の話とか他愛のない話をすることしか許されず、少しニンニクを食べたとかいうぐらいでイメージが下がる。
女性が苦しい試練の中で揉まれたり、艱難辛苦を舐めて、三日三晩寝ずにパソコンに向かったり、自殺願望を持ったり、形而上学的なことを考えて、人生のなんたるかを舐め尽くした様を見ると、小生はまったくちんこが勃たなくなってしまう。女性が複雑な知的・精神活動をしていると、性的な方面ではまったく魅力を感じなくなってしまう。
女性は、朝がきたら起き、夜がきたら眠る、そんな、春のうららのタンポポのように、ふわふわと咲いているのがいい。
女性は、変に頭が良すぎたり、何かの才が突出し過ぎると、色気を失う。
女性が頭をピンク色にしたりするのは、女性らしさへの反発らしい。これまで生を受けて今に至るまで、ずっとお淑やかにいることを強いられてきた。その反発らしい。
KATーTUNのライブで、おっかけの女の子がバスから降りたとき、バス酔いして、しゃがみこんでしまったらしい。会場に向かっていた亀梨はそれを見かけると、「大丈夫か?」といって、女の子をお姫様抱っこをして、医務室に担ぎこんだらしい。
これはすごい。「大丈夫か?」はいえない。
普通、「大丈夫ですか?」とか、「はは……大丈夫?」となるところだが、亀梨は「大丈夫か?」といった。「大丈夫か?」はいえない。照れと戦った。そして勝った。自分を自然の状態に押し戻そうとする圧力に勝利した。我々はいつもこの圧力に敗北してしまう。
本当はみんな月9みたいな恋を求めているのだが、恥をかきすぎたために、必要以上にニヒルを気取るようになる。そして、月9みたいな恋を求めている人間を指さして笑うようになる。
我々の心の中には、キラキラした気持ちがどこまでも眠っている。中高年になっても眠っている。
そのキラキラの専門家となれば、キラキラのために現実を見誤り、ろくでもない異性に引っ掻き回されたとしても、どこに汚点があろうか。見る目がない? いいのだ馬場ふみかで。馬場ふみかだからいいのだ。橋本環奈でいいのだ。それが最良なのだ。なぜ田嶋陽子と付き合わねばならないのか。
「オムライスが美味しかった」とか、「アメリカいったら街が大きかった」そんな馬鹿なことしかいわなくてもいい。
男も女もバカの方がモテる。みんな、頭がよすぎるからモテないのだ。
犬や猫が人間と同等の知能を持っていたら、可愛がれたものじゃないだろう。目の前で着替えるのも躊躇してしまう。
小生はやはりティックトックみたいに、パンツを出してバカそうに踊ってる女が好きになってしまう。それはいつまでも変わらない気がする。それは、学生時代に非モテだったからか、恋の探求者だからか、わからない。
女もそうだろう。女も何よりも色気というものを大事に思っている。「性格はいいけど顔が悪い」なんていわれたら、半年は塞ぎ込んでしまうが、「顔はかわいいけど性格が悪い」といわれたら、嬉しい半分悲しい半分だろう。
小生も、田中みな実も、街を行き交う男女よりもはるかに深い恋愛に対する知識と情熱を持ち、磨き上げた恋愛観を持つのだが、それが仇になってしまう。
小生と田中みな実が出会えば、5時間でも6時間でも花を咲かすように会話することができるだろう。化学反応が起こり、話しすぎてしまう!
男と女は、話しすぎるほど色を失っていく。それをよく知っていた平安時代は、女は顔を隠し、夜這いという文化が栄えた。
田中みな実がこの記事を読んで、小生に興味を持ったとしても、互いの研磨された恋愛力オーラがぶつかり合って、かえってうまくいかなくなってしまうのだ。