友達「出会い系の女に会うとさ、ほぼ必ず、『どんなタイプの人が好きですか?』って聞かれるじゃん?」
しまるこ「うん」
友達「そういう時なんて答えてる?」
しまるこ「橋本環奈ちゃん」
友達「マジで?」
友達「ウソでしょ?」
しまるこ「ほんとだよ」
友達「マジで? マジでいってんの!?」
しまるこ「うん」
友達「マジかよ。いかれてんなお前」
友達「言ったらマイナスになるってことに気づかないの?」
しまるこ「気づいてるよ(笑)」
友達「じゃあなんで言うの?」
友達「女でいったら、ジャニーズ好きって言うのと一緒じゃん」
しまるこ「そうだね」
しまるこ「そうかもしんないけどさ、逆に橋本環奈って言ったら、ああそうか、環奈ちゃんね。そっかそっかみたいな」
しまるこ「なんかくまモンやミッキーマウスみたいなところあるじゃん? あー環奈ちゃん本当可愛いよね〜みたいな」
しまるこ「そういうところに行きつきたかったんだよ俺は。性的なリアルな女性像とは遠いところにあるじゃん? 環奈ちゃんは」
友達「いや、やばいと思うけどなー。言われた方は腹立つと思うけどなー」
しまるこ「光浦靖子って言ってもしょうがねえだろ」
友達「光浦靖子じゃなくていいだろ」
友達「『橋本環奈ちゃん』なんて言われたら、自分と比較して保ってられる女なんていないと思うけどなぁ」
友達「これから恋人同士になりませんか? っていう繊細な時期にそんなこと言われたら、一発で空気がぶっ壊れるっていうか、力抜けるんじゃないかなぁ」
しまるこ「俺だって本当は馬場ふみかって言いたいんだよ! でも妥協して橋本環奈って言ってんだよ」
友達「ぜんぜん妥協になってねーんだよ」
しまるこ「環奈ちゃんは違うんだよ。そういうことじゃないんだよ。いい意味で、男とか女とかじゃないんだよ。100年に一人の天使っていわれてたけど、そういうことなんだよ。橋本環奈で抜いてる男なんてほとんどいないと思うんだよ」
しまるこ「矢作萌夏とかの方がザーメンに塗れてる感じがあるっていうか、性的コンテンツなんだよ」
友達「まぁ確かに抜けないかな、環奈ちゃんでは」
友達「連れて歩くにはちょうどいいっていうか、自慢できるよね。街を連れて歩く分には、馬場ふみかより環奈ちゃんを連れて歩きたいわ」
しまるこ「俺もあんまり女のパンツに大して興味ないけど、環奈ちゃんのパンツだったら欲しいかもしれない」
友達「なんで?」
しまるこ「なんかいかにもど真ん中っていうか、真っ直ぐに振り切った、正中心のようなルックスを、完全に極まったところがあるからね。バッタやカマキリみたいな、ひとつの完全な個体のフォルムの完成型を感じる」
しまるこ「そう考えてくると、パンツもなんかすごい高貴なものというか、ありがたいというか拝むというか、本当の意味ですごいなって思えるよね」
友達「本当の意味ってなんだよ」
友達「でも最近はそうでもなくない? 何かちょっと老けたし太ってきたよね、目のクマも酷いし疲れてる感じがする。仕事し過ぎなのかね」
しまるこ「初めて世間で騒がれた頃、4、5年前かな? 初登場の環奈ちゃんの輝きにはびっくりしたね」
しまるこ「AKBやら他のアイドルぜんぶが束になってもかなわないくらい、信じられないパワーを持ってた」
しまるこ「正直俺も今の環奈ちゃんはそこまで可愛いと思わないんだよ。でもあの時の強烈な破壊力が忘れられずにいて、あれがずっと頭の中に鮮明に残ってて、『好きなタイプは?』って聞かれると口が勝手に『橋本環奈ちゃん』って答えちゃうんだよ」
しまるこ「あの頃以来、ずっと若い頃の環奈ちゃんの亡霊を追いかけてる」
友達「全員がいい迷惑だね(笑)お前も出会い系の女も、環奈ちゃんも(笑)」
しまるこ「でも俺だけじゃないと思う。環奈ちゃんっていったらさ、みんな昔のイメージの方が出てくるんじゃない? あの時の環奈ちゃんの輝きの方をみんな想像すると思う」
友達「マイケルジャクソンみたいになってる(笑)」
しまるこ「なんかずっと15歳みたいなとこあるよね」
友達「だから抜けないのかもね」
しまるこ「でも『好きなタイプは?』って聞かれて、『馬場ふみか』って答えるよりはいいだろ?」
友達「馬場ふみかって答えたら、それはもう失礼とかじゃなくて、攻撃だよ」
友達「出会い系の女も、ああ私は今攻撃されたんだって思うよ。『あなたに興味がありません』って間接的にいわれたと思うだろうね」
友達「私は馬場ふみかじゃなくてごめんなさいね〜ってなるんじゃね」
しまるこ「じゃあ好きなタイプなんて聞いてくんなよ(笑)」
友達「面接なんだよ。『好きなタイプは?』という質問をどう上手く潜り抜けるかで、その人の世間の対応力や人間レベルをチェックしてるんだよ」
しまるこ「『前の彼女はどんな人だったんですか?』とかも、ぜったいに聞かれるじゃんね?」
友達「聞かれるね」
しまるこ「あの質問、前の会社はどうしてお辞めになったんですか? って質問といつもリンクするわ(笑)」
友達「(笑)」
しまるこ「で、俺、その時隠さずに19歳と付き合ってたっていうんだよ」
友達「マジで?」
しまるこ「そうすると、相手の眉間がピクってなるんだよ(笑)『えっ……』『何なんですか? 19歳? えっ、どういうことですか?』みたいな反応されるんだよね(笑)」
友達「されるだろうね」
しまるこ「『19歳と付き合うなんて、そういう趣味なんですか?』とか、『話合うんですか?』とか、まるで知能レベルが19歳と一緒みたいな間接的な嫌味いわれる(笑)」
しまるこ「嫌味のひとつぐらいこぼさないと自分を保てないんだよ。どう考えたって、アラサー女より19歳の方が格上なんだけど、その事実を一生懸命に捻じ曲げようと必死なの(笑)」
しまるこ「19歳としか付き合えないなんて可哀想な人……みたいな空気を出してくんの(笑)」
友達「橋本環奈といい、そんなことばっか言ってんのお前? 喧嘩しに行ってるだけじゃん(笑)」