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昔付き合っていた彼女はどうして外人と結婚したのか

友達「マジで外人と結婚するの?」

みかこ「だって、日本の男きもいんだもん」

みかこ「ジメジメしてはっきりしないし、ただ好きっていう愛情表現ができない」

友達「そりゃそうかもしれないけど」

友達「なかなかいないわよ? しまるこさんほどいい男は」

みかこ「わたしも初めはそう思ってた」

みかこ「ある時ふと思ったの。しまるこのやつ、私に復讐しようとしてるんじゃないかって」

友達「復讐?」

みかこ「たぶんだけど、ほとんどの男は、女に対して恨みを抱いている」

みかこ「私達がいつも受け身でいるから、てめーなんか興味ねーんだバーカって、先に自分から振りたくて仕方がないみたい」

みかこ「街を歩いてると、見知らぬ男達から、そういう視線を浴びせられてる気がする」

友達「どうせ付き合えないから、自分から先手を打って、可能性を消し去ってやる的な?」

みかこ「そう」

みかこ「たぶん、しまるこのやつ、私からプロポーズするまで結婚しなかった」

友達「は?」

みかこ「デートのプランも考える。奢る。ラブホ代も俺が出す。だけど、ここまでやったんだから、プロポーズはお前からしろよ? って言われている感じがした」

友達「何それ」

みかこ「私からプロポーズすることで、お互いの貢献量がやっと釣り合うと考えていた。それなら結婚してもいいとあいつは考えた。私からプロポーズしなかったら、ただ時間だけが過ぎて私は形骸化する。どっちにしてもしまるこにとっておいしいことになる。たぶん、それを狙ってた」

友達「みかこを売れ残りにして困らせようとしてたってこと?」

みかこ「私を売れ残りにさせて、もっと男にちゃんと尽くせばよかった、女という性に甘えていた、なんでもかんでも男にやってもらおうとしていたから罰が当たったんだと、私を反省させたかったんだと思う」

友達「何それ!? 付き合ってる人に対してすること!?」

友達「でも、それだと、みかこがプロポーズしなかったら、しまるこさんも結婚できないじゃん!」

みかこ「同じ結婚できないでも、女の方がダメージが大きいでしょ? 肉を切らせて骨を断つ戦法だったんだと思う」

みかこ「本当は、地球上のすべての女を売れ残りにさせたかったみたいだけど、その代表として私が選ばれた感じ」

友達「ナルトのサスケくらい復讐に燃えてたわけね……」

友達「だから、みかこは外人にするの?」

みかこ「そう」

みかこ「日本の男はそんなのばかりだから、外人しかなかった」

みかこ「外人とは、言葉あんまし通じないし、深い部分で繋がって話せてる感じはない。笑いのツボも重なったことはない(つーか一生重ならない)犬や猫と変わらない感じだけど、それがかえっていいみたい」

友達「確かに、日本人に比べて鈍感な気がするけど……」

みかこ「後ろから金玉蹴っても「オゥッ!」しか言わないと思う」

友達「……」

みかこ「心のどこかで、これでいいのかなって感じはあるけどね。これが私の幸せなんだってマインドコントロール中」

みかこ「純血な日本人の子供産みたいけど、ね」

みかこ「チンコもデカすぎて痛いし(日本のコンドームじゃ入んない)、体臭も臭いし、胸毛の中に迷子になりそうになる。リアクションは大きいし、デカイ子供にしか見えないけど、それがかえっていいのかもしれない。不思議とイライラから解放された」

みかこ「人を本当に好きになってしまうと、拗ねたりいじけたりしてしまうけど、外人だとそういう気分にならない」

友達「ふーん」

みかこ「私がコタツでケツ掻いて寝てても、発情してくれる、毎日犬のようにハァハァ求められる。セックスレスの心配はなさそう。お掃除おばさんみたいに見られるよりはいいかな」

友達「その辺りは日本人同士とは違うかもね。同人種間の深くこんがらがったシンパシーが、セックスレスを生む原因なのかな?」

みかこ「婚活も、日本人男への復讐のつもりで頑張ってたら、いつもよりすごいアクティブになれた。不思議と外人相手だと頑張れた」

みかこ「この前、偶然、街でしまるこに会ったの」

みかこ「外人と腕組んでるとこ見せつけてやった」

友達「へー、復讐の絶好のタイミングじゃん。しまるこさんどんな顔してた?」

みかこ「『お前、言ったって、外人だぜ? それでいいのかよ? 俺が結婚しなかったからって、ヤケになるのも大概にしろよ』って顔してた(笑)」

友達「(笑)」

みかこ「やっぱり、こいつと会うと駆け引きがはじまってしまうんだぁって思った」

友達「外人はどんな顔してた?」

みかこ「外人は何もわかってない顔してた」

友達「(笑)」

みかこ「私は、あー! 最高! 完全に幸せになれた! って感じで、今まで一度もあいつに見せたことがないくらいの笑顔で、外人と腕組んでやったんだけど」

みかこ「『よくそこまでひねくれられるもんだと感心するよ』って顔された。『俺は日本人の女と結婚する。俺からはプロポーズしない、相手のプロポーズを待つ。乗り越えてプロポーズしてきた女とだけ結婚する。そんな女との結婚生活なのだからいいものになるだろう。プロポーズしてこなかったら、それはそれでいい、適齢期の女から奪った貴重な時間を肴にして、楽しい独身人生を送るだけだ。俺は間違っても外人なんかと結婚しない』」

みかこ「あいつ……! そんな顔してたッ!!」

友達「みかこ……」

みかこ「私は自分のひねくれに押し潰されたの!? 私、外人のことが好きかよくわからない……! でもしまること結婚するのはイヤッ!」

友達「みかこ……」

みかこ「私は勝ったの……!? 負けたの……!?」

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