先輩「離婚することになった(笑)」
しまるこ「マジですか?」
先輩「うん。原因なんだと思う?」
しまるこ「先輩が余命3ヶ月になったとか?」
先輩「違うわい(笑)」
先輩「セックスレス」
しまるこ「ほう」
先輩「もう1年半ぐらいやってない」
しまるこ「そうですか」
しまるこ「佐々木のフォーク並みに性欲大魔神だった先輩が」
先輩「一緒に住んでるとダメだね。性欲わかないよ。マジで苦行」
しまるこ「お察しします」
先輩「性欲自体はまだ旺盛なんだよ、ただ嫁とやりたくないだけ」
先輩「今の結婚システムは無理があるよ。お互いセックスしたくないのに、その相手としかやっちゃいけないことになってるんだもん」
しまるこ「フリーセックスの方がいいんですかね?」
先輩「俺はそっちの方がいいなぁ」
しまるこ「嫁さんが他の男と抱かれても平気ですか?」
先輩「まぁ、そりゃ嫌だけど、その分、他の女とヤリまくれるなら帳消しにできるかも?」
先輩「いったいどこの誰が代わりに、俺の相手してくれるのか激しく疑問だけど(笑)」
先輩「でもさ。フリーセックスになったからって何が変わるわけじゃないよ。モテないやつはモテないし。別に今と変わらないよ。今だってフリーセックスだよ。結婚してようがしてなかろうがフリーセックスなんだってば」
先輩「結婚してるから浮気しないなんて言ってる連中は、結婚を盾にモテない自分を守ってるだけ」
しまるこ「なるほど」
先輩「俺は隠れて風俗に行ってるから割り切れるけど、嫁はつらいかも?」
先輩「しまるこ君はこういった結婚システムについてはどう考える?」
しまるこ「俺は浮気や不倫はありだと思います。ただ、礼儀として相手には気づかれないようにすべきでしょうね。たとえ気づいても俺は何も言いません。決して投げやりになっているわけでもなく、それでも相手を愛そうとします。そして自分も隠れて浮気をします」
先輩「ふーん。仮面夫婦の潔いバージョンみたいだね」
しまるこ「排泄行為は隠れてする。トイレと同じです」
先輩「結婚した後、パートナーにセックスされなくなったら、その人の性人生はそこで終わってしまう。それが現在の結婚のシステム。これは欠陥と言わざるを得ない」
先輩「浮気は法の制裁が下るけど、パートナーにセックスされなくなった問題については何もしてくれない」
しまるこ「先輩が37歳で、嫁さん35歳でしたっけ?」
先輩「うん」
しまるこ「傍から聞いてると、37と35なんだから、セックスがどうとか言ってないで、家族の一歩を進めてればいいのにって思っちゃいますけどね。遅かれ早かれ辿り着く道じゃないですか」
しまるこ「ヴァージンロードから繋がってる道ですよ。決して脱線ではないと思うのですが」
先輩「俺だってそう思うよ。俺だって、老夫婦みたいに紅白見ながら茶でも飲んでりゃいいと思ってるよ」
先輩「そう割り切れるのは、俺には風俗という奥の手があるからかもしれないけど」
しまるこ「嫁さん、バイブじゃダメですか?」
先輩「精神的なところからきているようだから、やっかいなんだよ」
先輩「嫁だって、セックスしたいわけじゃないんだよ。俺にセックスしたくないって思われていることに我慢ならないみたい」
しまるこ「先輩は、そんなにセックスしたくないんですか?」
先輩「セックスよりキスの方が嫌だね。目の前でパンをクチャクチャやってるのいつも見てるし、朝なんて水膨れみたいな顔して、オッサンみたいに歯をゴシゴシ磨いてるし、ごちゃごちゃうるさいし」
先輩「生活や騒音とキスしている気分。掃除機とキスしているみたいな?」
しまるこ「そうとうキテますね」
先輩「えーい、ままよッ! って思わなきゃとてもできない(笑)」
しまるこ「掃除機だと、そうでしょうね(笑)」
先輩「向こうだってしたくないだろうけどさ」
先輩「仕方なくセックスされるのだけは本当に嫌って感じだね。まだレイプ魔にレイプされる方がマシって顔してる」
先輩「お互いしたくないのに、夫婦円満のために重い腰あげようとしていることが、二人の間で分かりすぎるほど分かっちゃう」
先輩「セックスするべきかしないべきか、それが問題だ」
先輩「無理しなくていいよ? って嫌味を言われるから、その嫌味を乗り越えていかなければならない」
先輩「服を脱がす前に、心の法衣を脱がさなければならない」
先輩「しまるこ君。結婚するの大変だと思ってるかもしんないけど、結婚してからの方がずっと大変だからね」
しまるこ「はは(笑)」
先輩「行ってきますの軽いキスもなくなっちゃった。喧嘩してるわけじゃないんだけどね」
先輩「この前もさぁ、俺、頼まれたからネギ買ってきて、買い物袋にぶら下げて帰ってきたら、友達と電話してやがんの。ずっとケラケラ笑って20時過ぎても電話やめねえから、腹減って仕方ないわけ」
先輩「注意すると喧嘩になるから黙ってるんだけどさ、そんな女にどうやって発情しろっつーの? 向こうだってネギぶら下げた男のちんこなんて挿れられたくねーだろ」
しまるこ「ネギを突っ込まれてる気分になるかもしれませんね」
先輩「人のちんこをネギ臭くしておいてさ、俺の男としての価値下げてんのはあいつなんだぜ?」
先輩「共働きで一緒に家事やってると、男の威厳がなくなっちゃう。どんな顔してセックスしていいのかわかんなくなる」
先輩「お母さんに怒られた後、正座しながらセックスお願いする感じ?」
先輩「寝る時も、バストアップブラ?みたいなもん着けてるから、これがまたダセー下着なんだわ(笑)セックスされてーなら、もっとちゃんとしたもん着けろや(笑)」
しまるこ「(笑)」
先輩「あと、運転してるとこ見ると萎えるね。女は運転するもんじゃない。可愛くないからやめた方がいいね」
しまるこ「ラパンでも?」
先輩「ラパンでも」
先輩「もう二度とセックスすることないかもってとこまで来ちゃってんだよね」
先輩「だから生活しか残ってなくて、ただ生活する為に生活してると、この生活、意味ある……? って感じになってくるっていうか」
先輩「一度こうなると、なかなか抜け出せない。初めて要求した時の100倍緊張する。したいしたくないということよりも、お互いが言い出せなくなってることが、一番怖いことかもしれない」
しまるこ「一度そうなってしまうと、難しそうですね」
しまるこ「そういう夫婦は多いと思います。多くは、身体の関係は終わったから次のステップに行こうということになると思いますが」
先輩「次のステップ、ビジネスパートナーだろうか」
しまるこ「家族って言ってください(笑)」
先輩「向こうだって、また一から婚活するのは嫌だろうし、本気で離婚したいわけじゃないと思うんだけど」
先輩「『私はいつだって結婚しようと思えば結婚できるし?』みたいな幻想が抜けきれないんだよ、もう35なのに」
先輩「『離婚したくないよー。ひーーん!!』って、かっこ悪く泣きつく役目はいつも俺の仕事」
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セックスレスが原因で離婚することになってしまった夫婦 【考察編】
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