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小説投稿サイトの人たちが熱く文学について語り合う一隅

投稿日:2020-01-10 更新日:

摩天楼

そうげん様へ

拝読させていただきました。

つまらなくはないのですが、淡々とした描写が続いて、淡すぎて消えてなくなってしまいそうだったというのが正直な感想です。

こんなこと言ったら「へ?」と思うかもしれませんが、Twitterでつぶやいているそうげん様の文章が自然体で一番良いように思います。

私はそうげん様と松岡様とのやり取りで見られる、少し嫌味を含まれた態度や、毒のある、感情的なそうげん様の文章の方が人間味があって好きです。Twitterで好きな本やゲームのことを嬉々として語っている、文章文章されていないときの方がいいと思いました。

作品となると遠くの景色を眺めるような文章になるようですが、目の前のことに夢中になられているそうげん様の文章が好きです。そうげん様と違って、3万枚どころか3000枚しか書いてない人間の言うことですが。

そうげん

摩天楼様へ

読んでくださって、ありがとうございます。

書き方が淡い、浅かったのでしょうね。淡々と書かれてあるという、たしかにわたしも自分でも読み直してみました。後半になるにしたがって、物事の進行だけを書いている感じがあって、舞台を立ち上げるように、言葉を重ねることを怠っているように感じられました。自分の作品なのに、どこか他人事のように書いていますが、もっと言葉を費やして、深く書ければよかったなと思いました。

ツイッターはネガティブなことより、ポジティブなことを取り扱おう、書くときの気持ちもポジティブなものを押し出そうという気持ちで書いていたりします。なので、これが好きですとか、これがよかった。こんなことがあった、みたいなことが多くなります。反対に、非難したりすることを少なくするようにしています。どんな文章でも自分の書いたものにちがいはなくて、小説よりも、ツイッターのほうがいいという意見も、わたしは素直に嬉しかったりします。ありがとうございます。

小説となると、遠くの景色を眺めるような文章になる。堅苦しい書き方にもなっています。頭を小説モードにしないという警句を、いぜん、作家さんの創作メモで見かけたことがありました。小説を書くときは頭が小説モードになってしまっているのでしょうね。ふだんの自分の書き方で、肩ひじ張らずに書けるといいのですが、全身、防衛モードで書いていることがよくあるので、気を付けないとと感じました。

摩天楼

そうげん様

>誤用という判断に立ち至ったからには、誤りの根源を正しく射ることができるはずであろうに、あなたはそれを拒んでいる。根拠が不明瞭である。正鵠を射さえすればこちらは考えを改める用意はある。それをしないのだから、互いに話は平行線とならざるをえない。それだけの話だ。

これ、いいなと思いました。そうげん様の言語センス、見識、人間的な魅力が詰まっている一文に感じました。

よく哲学する人は、哲学をやめたときに、いい具合に発揮されるのだと思います。そうげん様が目指していらっしゃる方面の真逆を勧めているので心苦しいですが、ゲーテも、シラーが哲学をやめたときの手紙が一番美しかったと言っていますし、そうげん様も同じタイプのように見えます。

>人はどんな風にもなることができる。どんな行為だって、心持ちひとつで突き進んでしまえる自在さを持っている。その自在性ゆえに、適度に綱を引いて主体を制御することのできる自制心こそが成熟した大人には求められる。引き絞るべき手綱が本性に対して機能していなかったのではあるまいか。手綱を握るということ自体、おざなりにされてしまっていたのではあるまいか。

これより、

>人の死は娯楽になるということでしょうね。わたしはまだまだしたいことがたくさんあるから、死にたくないし、殺されたくないし、だから、他の人もそういうものだと思うから、死なせたくないし、殺されることにないようにと願いたくなります。

こちらの方がいいと思うのは私だけではないはずです。

しまるこ

竹内まりやの考察を投稿しました。みなさんよろしくお願いします。

摩天楼

ほんっとーに、自分でも偉そうだなぁと思いますが……

エネルギーがある文章と、ない文章……
生きている文章と死んでいる文章、
文章の中に、光があるとき、ないとき……、私はそうげん様の文章を見てすぐにわかってしまいますが、鬼のように文章と一緒にいるそうげん様が、どうしてご自分では気づかれないのか。

オウムや新宿駅南口のスマホバカについて哲学的な感想を呼びかけるよりも、ご自分の文章によく目を凝らして、どれが光っているか光っていないか、ヒナの雌雄鑑別のように仕分けられて欲しいなと思いました。

そうげん

いまのところ、小説の文章は、自分の生き方にくさびを打ち込むような感覚で、苦行のように書き込んでいる姿勢が自分にあるから、ああいう形になってしまってるんだと思います。ふだんの生き方がかなり前向きなので、書くものについては地歩を固めるというか、かなり慎重に、自分を縛ってみたり、がちがちにしてみたり、ネガティブに近い物を含ませながら、自分にセーブをかけながら書いているという意識があります。

摩天楼様の意見はわかるところがかなりあります。また自分が心の奥に秘めている部分のいいところは、ぜんぜん出す気が無いから小説はああいう形になってしまうんだと思います。弱い部分も微妙な部分も臆面なく出せればいいのですけど難しいですね。

摩天楼

うーん。言いにくいのですが、前向きとか苦行とかそういうこと以前に、淡過ぎてパワーが感じられないんです。

震災は、いつなにが起きるかわからない恐怖を日本人に与えた。でもそれが本当に地続きのこの社会の一部で起きたことだという実感がわかないままに半年が過ぎている。自分に恐怖が降りかからない限り、恐怖は現実のものにならない。サリン事件だってそうだ。でもそれは自分の身に降りかかる瞬間というのは、すでに進退もきわまって、どこにも逃げようのないときだろう。なにをしたくて、なにをしようとして、この十八年間、子供をやってきて、学校で学んできたんだろう。すでに学び終わった人たちが大人になって、なぜかバブルを崩壊させて、サリン事件に出くわして右往左往している。安定していると思っていた社会の安定こそ、まやかしだったんだろうか。半年後にまたセンター試験をうけて、進学を目指す理由が自分のなかで薄れていく。
一方ではサリン事件の報道が面白いと言っている女の子がいて、他方では阪神大震災に被災して家の半壊した親戚がいる。わたしは本来、試験勉強についやすべき時間をアルバイトに打ち込んだ金で、深夜の一時に牛丼屋で背徳の味を楽しんでいる。試験会場まで送ってくれた疋田さんにはなにも返せていない。
1995年。世紀末だって近づいている。
なんにもできていない、なんにもなれていない自分に苛ついていいのかどうかすらわからない。そもそも自分はこれからどうしていくのだ?

これ、サリン事件にあまり興味を持たれてないのが伝わってきてしまうのです。
この小説を書くときにだけ無理やり頭をサリン事件モードに切り替えたということが。

すごくふわふわしていて、サリン事件で悩んでいるのではなく、サリン事件で悩もうとしている人物になってしまっています。嫌味ではなく、そうげん様の好きな、「マスターオブモンスターズ」や「ルナティックドーン」のお話を書かれた方がいいと思いました。

水野

興味深いお話をされているので飛んできました。かくいう私も、小説の語りと普段インターネット上で用いている語りとが乖離している自分自身に大きな疑問を抱いていました。そこで書かれたのが『金髪エルフの美少女』という小説で、これは普段自分が用いている批評における文体をそのまま、小説の文体として採用したらどうなるかという実験でした。

何かしらの答えを出すというより、一つの問題提起として書いてみた次第です。どう受け止めるかは各々の読者に完全に任されていますし、「作者としての私がこの作品を一番に理解しており、あるいは誰よりも先にこの作品を読んだから、私の意見はおそらく正しい」というような優越権に浸るつもりもありませんので、これ以上自作品に関して語るのは止めなければなりません。

ただ、感想欄のやり取りを見ていて、私はすでに3ヶ月前にその手の乖離は乗り越えようとしたことがあったので、ある小説について感想を語ろうとする時、もっと先のところまで語れやしないだろうかという思いばかりがありました。

書き手としての私は、むしろ「サリン事件の報道が面白いと言っている女の子」にこそ興味を覚えます。なぜなら彼女は、性別もそうですが私自身とはまったく別の考え方を持っているであろう人間だからです。そして私は、そういう人物をこそ一人称視点の語り手に据え、彼女という人物の正体を小説にすることで暴きたいと思ってしまいます。

サリン事件という事件そのものを面白いと思っているのか、それともそれを報道するメディアを面白いと思っているのか。予想としてはおそらく後者なんじゃないかと思いますが、これは彼女自身になって書いてみなければわからないことです。バ美肉という手段を私はひどく嫌っていますし、私は私で別の目的をもって次の小説を書くでしょうが、そういう道も開かれているのではないかという感想を少しだけ持ちました。

しまるこ

私もサリン事件の報道が面白いと言っている女の子の方がいいと思います。

そうげん

ありがとうございます。是々非々で考えたいと思います。

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