少し長くなるけれども、これほど素晴らしい記事はないので、まず読んでほしい。甲田先生と、果物と青汁だけで空腹を感じない患者さん達の話である。
今、入院しておられる患者さんで、一人は一ヶ月間の断食、一人は十日間の断食ですが、殆ど毎日のように宿便がドッサリ出てきます。その方々の話をちょっと聞いて頂きましたら、ほんとに宿便てこんなにあるのか、ということが分かって頂けると思います。
金光: それじゃ、お二人のお話をお伺いしたいと思います。
甲田: 分かりました。
金光: こちらにいらっしゃって、どのくらい経つんですか。
針山: 今日で三十二日目です。
金光: で、どんな形での断食を始められて、どういうふうに変わってきているんでしょうか。
針山: 四月八日から、朝食は無しです。昼と夜に青汁一合と、それからミカンが一個、リンゴが一個を頂く断食を初めてずーっと続けております。
金光: あと、水、液体はお飲みになるんですか。
針山: お水を一日に一リットルとあと柿茶を一リットル頂いておりま す。
金光: お腹が空きますでしょう。
針山: いや、ところがですね、私の先生から、「断食」と言われた時は、ちょっと覚悟致しましたんですけれども、リンゴとミカンを頂けるということが、とってもお腹が空かないんですね。
金光: へえー。
針山: もう三週間近くなりますと、それはちょとは空いたかな、という感じもありまし たけれども、それを続けていきますと、よく先生は、「無感の状態」とおっしゃるんですけど。
金光: 感じない。
針山: 感じない。ほんとにお腹が空かないんです。空いたという感じが無くなって、ああ、こういう感じなんだなあと初めて分かって、とっても嬉しいです。
金光: あ、そうですか。それじゃ、あれが欲しい、これが欲しいみたいな気持はそんなに出て来ないんですか。
針山: はい。
金光: それは身体の状況も最初の頃と変わってくるものですか。
針山: 変わりました。というのは、毎日宿便がたくさん出るんですね。最初は今まで食べていたのが出ているのかなあ、と思いましたけれども、それが一ヶ月経っても殆ど変わらない状態で、出続けているので。
金光: でも、さっき伺った量だと大した量じゃないわけでしょう。
針山: ええ。ですから、最初はもうほんとに宿便だというのが分かりますね。色とか臭いでね。ほんとにたくさん出ていまして、それがだんだんミカンとリンゴというのは、色とか臭いで全然宿便とは違いますので分かります。ですけども、それに宿便が混じっているのを、私のお腹にそんなにたくさん毎日出るほど溜まっていたのかなあって、ほんとにビックリしております。
金光: それは二週間、三週間経ってもまだ出るんですか。
針山: はい。まだ出ています。
金光: やっぱりそれだけどっかにあったわけですね。
針山: としか考えられないんですけれども。
金光: そうですか。で、体調も変わってくるものですか。
針山: はい。耳鳴りとか、ちょっと身体の怠さとかありましたのですが、それがすっかり消えてしまって、このお食事していましても、普通の生活ができるんです。
金光: よく「腹が減っては戦が出来ぬ」なんて言いますけれども、身体を動かすのが怠いとか、そんなことないですか。
針山: 全然ありません。朝、目覚めもいいですし、こちらで西式の体操とか、いろいろ自分でやるメニューがございますけれど、それも楽々こなせますし、一時間の散歩とか、青汁作ったりとか、お掃除とか、普通に出来ています。
金光: そうですか。
針山: それには、私も本当にビックリしています。
金光: そちらの廣瀬さんの方は何日位?
廣瀬: 今日で十一日でございます。
金光: そうですか。最初はどういう覚悟で来られたんですか。やっぱり断食ということで─。
廣瀬: 断食とはおっしゃったけれども、私は、生野菜が非常に不得手の人間で、
金光: 生野菜が─。
廣瀬: 生野菜食というのは、私はよう出来るだろうかと思いました。けれども、まさに生野菜汁なんですね。けれども、リンゴとミカン一個ずつというのがちょっと嬉しいというような感じがして、それだけで今までやりましたけど。何とも身体が変わったみたいな感じで、私は生野菜が食べられないと思ったけど、楽々食べられる。というのも、針山さんがおっしゃったように、もうなんというか、古い便というか、汚い、臭い便が、黒っぽい便がどう─どう─出ましてね。私は十一日目ですけど、毎日出るというようなことで、それで、それをもって、これが出たらどうなるだろうと思って、身体が変わるのかなあと思いました。
金光: そうですか。夜お腹が空いて眠れないとか。
廣瀬: いや、そんなこと絶対ないです。それを頂いたら、何にもゆっくりした気分で、 それで楽しいような、嬉しいような、毎日が。
金光: 例えば、お若い方はご存じないかも、戦争中とか、戦後、物がない時は夢に食べ物の夢を見るということもあったという話をよく聞くんですが、別にそんなことないんですか。
廣瀬: ないですね。もうほんとにこれは満足やね。この断食だったら誰でもやれるんじゃないかと思うぐらいです。
金光: で、体調は?
廣瀬: 体調はいいのと、私は血圧が少し高かったけど、もうずーっと落ち着いたままで、 非常に気分も爽やかでいいです。
金光: むしろ昔いろいろ召し上がっていた時よりも、此処でいらっしゃる方が体調がよ ろしいですか。
針山: はい。体調はいいです。ほんとに私は便秘ということは、この療法を続けていますのでないんですね。ですから、便が出ているからまさかこんなにたくさん宿便が溜まっていたということはほんとに驚きです。
金光: そうしたら、それだけ身体が軽くなるような感じがするかも知れませんね。
針山: はい。軽くなります。
金光: そうですか。そういう楽に続けられれば、こんな結構なことはないわけでござい ますね。
針山: そうですね。
金光: どうもまた元気でお続け下さい。どうも有り難うございました。
針山: 廣瀬: 有り難うございました。
さて、ここで疑問なのは、果物か? それとも青汁1号を昼と夜に飲んでたから、空腹を感じなかったのか? ということだ。
針山さんは「リンゴとミカンを頂けることが、まったくお腹が空かないんですね」と言っている。
現在、1日に柿を2個(すごいでかいヤツ)それに玄米(小さじ4杯))と昆布と味噌を食べて生けてる俺は、この話にとても共感できる。
というのも、この柿2個というのが非常に空腹を和らげてくれるからだ。
果物しか食べないで生きている人に対して、ありえない! と思うかもしれないけども、やってみるとそこまで辛くない。ガンジーも6年間果物だけを食べ続けて快調だったと言っているし、果物こそが人間の最も理想の食べ物で健康、美容頭脳、全ての面で完璧になれると言われている。
だいたい不食なんて言っている人達も、なんやかんやで、たまに果物や果汁ジュースを飲んだりしている。
エドガー・ケイシーは何も食べない断食よりもリンゴだけを食べた方が腸が綺麗になると言っている。
生玄米を食べ続けるのは非常にコストが安くて、ほぼすべての栄養が詰まっていて、宿便も出るというから、これに我慢できる人はそれで十分だと思うけど、果物は本当に美味しい。
生玄米だけだったら、月の食費が多分300円~500円ぐらいで済ませられるけど、果物を毎日食べるとなると毎月7000円~1万円ぐらいはかかってくる。
しかし、果物だけを食べている方がお腹が空かない。それでいて頭が光るような心身ともに強く爽やかな気分になる。
昔から断食明けにはバナナを1袋食べるようにしていたけど、あの時の爽快感といったらない。
俺の場合は皮も種も丸ごと食べているので、それがまた空腹にならない原因の一つだとは思うけど、針山さんの言うように、リンゴとミカンだけを食べていても本当にお腹が空かなくなってくるに違いない。
しかし、この人たちは1号の青汁を飲んでいるという。1号というのはなかなかの量だ。不食で有名な森美智代氏も青汁1号飲んで生きているというけど、その1合がバカにできない。だって、これだもの。
この人たちは1日にこれを2杯飲んでいたというから、相当豊富な栄養を賜り、カロリーは少なくても栄養は相当に摂れたからピンピンしていた節もある。
また、そこらのスーパーで売っている野菜ではなく、甲田先生が庭で育てた採れたての野菜を飲んでいるから、エネルギーも断然変わってくるだろう。ちなみにこの青汁は5種類の計1500gの野菜を使っているという。
果物と青汁だけで空腹にならないことは、これは人間がもともと食べるに適したものを食べている分には空腹にならないという証拠になるだろう。