出会い系「90人と出会って20人ほどやった体験談」 友達との電話シリーズ

最近の出会い系事情について友達と電話で6時間話した 前半

友達「どう? 最近出会い系やってる?」

しまるこ「あんまかなぁ」

友達「俺もだ」

友達「前はすげーがんばってたけど、今は適当にやってる感じだわ」

友達「たとえば初めのメッセージで、

友達:『どこに住んでますか? 俺は富士です!』

女:『私は浜松です!』

友達:『そうなんですね』

って返してる(笑)」

しまるこ「(笑)」

しまるこ「そりゃ無理があるわ(笑)」

しまるこ「『そうなんですね』だけを返すのは、無理があるわ(笑)」

友達「(笑)」

しまるこ「でも気持ちはわかるよ」

しまるこ「『私は浜松です!』ってメッセージだけを返されたのが気に入らなかったんでしょ?」

友達「うん。普通っちゃ普通の返しかもしれないけど」

しまるこ「いや、普通じゃないよ」

しまるこ「『私は浜松です!』だけを返すなんて、普通じゃない」

しまるこ「とりあえず聞かれたことは答えました。ではこれから会話を膨らませて私を楽しませてみてください、うまく行けばご飯を食べにいけるかもしれませんよ? ということなんだから」

友達「まぁねぇ」

しまるこ「目の前で会話してるわけじゃないんだぜ? メッセージのやりとりだぜ? 考えて送る時間たっぷりあるんだぜ? 初やりとりだぜ? これからお互いのことを知って仲良くなっていきましょうってときに、『私は浜松です!』という一言で終わらすなんて、狂ってるよ」

友達「まぁ女も、俺とだけやりとりしてるわけじゃないからね。7、8人とやりとりしてて、メッセージの進行が下手な人間をふるいにかけて落としていくんだから」

しまるこ「集団面接だ」

友達「女が受け身過ぎるからさ、こっちも受け身になってみたくなるんだよ」

しまるこ「実験的に」

友達「実験的に」

友達「いや、ただ卑屈になってるだけなんだけどね(笑)」

しまるこ「うん」

友達「『そうなんですね』を送ったら、99%返ってこなくなるのはわかってるんだけど。それでもまだ続けてくれるかな的な、一縷の期待をこめているのは否定できないんだけど」

友達「それでも返してくれるなら、ブスでもいいし、結婚も考えられるみたいな」

しまるこ「逆面接になってる」

友達「お前の何がそんなにすげーんだよ。こっちはやっとの思いでメッセージ続けて、会ったときもがんばって話して、結婚まで続けたとしても、これ、そのあともずっと続けなきゃダメなんでしょ? これ、いつ終わんの? 途中で力尽きたら俺が悪くなるんでしょ? 人にそこまでさせておいてなんとも思わないの? 自己嫌悪とかにならないのかなぁ? 乃木坂とかならまだわかるけど、普通じゃん。普通以下じゃん。出会い系の女なんて」

しまるこ「乃木坂の方がしっかりやるしね」

友達「そう、たぶん、あいつらの方がちゃんとやるよね、こういうの。なんで質問されて質問を返さないの? バカなの? 一回ならわかるけど、全部じゃん。これ、『私からは質問しない』って決めてるよね、ぜったい、なんの覚悟?」

友達「あいつらだって、できる能力はあると思うさ? 携帯ショップで契約するときなんか、一生懸命プランの説明からを何から何まで丁寧に話してくれて、最後に気持ちのいいお辞儀をして終わらせてくれるじゃん? 若い女も、同性の先輩にはすげー媚を売って、仲良くなるために何でもするじゃん? でも男に対してだけは受け身をつらぬくんだよ。だから、できる能力はあると思うんだよ」

しまるこ「能力で言えばね」

友達「そう」

しまるこ「30の女でもそうだね」

友達「年取っても、女はずっとこうだよね」

しまるこ「でもチャンスではあると思う」

友達「チャンス?」

しまるこ「そういう女は必ず不幸になるから。そういう女と結婚する男も不幸になる。だから、こういう地雷を避けて独身貴族を貫くなら、幸せになれる」

友達「(笑)」

友達「そうかもしれないけど、出会い系の10割がこういう女だから、こっちが折れるしかないんだよなぁ」

友達「出会い系しか頼れるものがない以上、出会い系でなんとかするしかなくて、でも出会い系にはクソしかいないって、どうしろっつーんだよ(笑)」

しまるこ「『そうなんですね』っていうしかない(笑)」

友達「長いこと出会い系やってると、こういう病気になるのかな?」

しまるこ「33歳で、ただですらモテなくなってるのに、わざわざ自滅するっていうね」

しまるこ「女からすると、『そうなんですね』って何? まさか私に会話をリードしろっつってんのこいつ?ってことになるだろうね。女のほとんどが『そうなんですね』って返すくせに」

友達「ほんとにね」

しまるこ「でも女の中にも頭のいいのがいるんだ。 (この人、『そうなんですね』の一言しか返さなかったけど、いじけてるんじゃないかしら? これまで普通に会話膨らますようにがんばってきたけど、うまくいかなくて、今は意固地になっちゃってる時期なんだ。とうとう拗ねだしちゃったんだ。かまってちゃんがよくやるやつね。へぇ、33歳かぁ) って、ところまで看破できる女もいるんだ」

しまるこ「あの場で『そうなんですね』という言葉は、あまりにも不自然過ぎるから、勘のいい人間には、なんとなく直感されてしまうんだ。あれは恥ずかしい」

友達「そこまで気づくかねぇ?」

しまるこ「気づくよ、たぶん。何より、自分で自分が嫌になってくるよね、そういうことをやってると」

友達「うん」

友達「『そうなんですね』って送ったとき、すげー苦しかった。なんであれができるんだろ」

しまるこ「お前さぁ。小学生の頃、毎年バレンタインのチョコを、家まで届けにきてくれた女の子がいたけど、6年間ずっとシカトし続けたじゃん? お前が学校から帰ってくるのを、先回りして、玄関の前で待っててくれて、チョコを差し出してくれたのに、お前、素通りして家の中に入ってったじゃん? お前が引っ越すときも、お別れを言うために、お前の家にやってきてくれたのに、そのときも、素通りして、トラックに荷物つぎ込んで、街を去ってったじゃん?」

友達「チョコは3年間だけどね」

しまるこ「一緒だろ(笑)」

しまるこ「俺はなんかそれを思いだしたよ」

しまるこ「なんだか、思い出すと健気だよな。小学生の女の子の方がよっぽどがんばってらぁ」

しまるこ「みんな愛がほしいんだよ。俺もお前も女もみんな、愛が欲しくて欲しくて仕方ないんだ。だから。『そうなんですね』なんて言ってしまう」

しまるこ「顔でも性格でも金でもなく、みんな、一途な愛を求めている。自分がどれだけ冷たくしても、その困難を乗り越えて、太陽のように挫けず、風にも雨にも負けず、無条件に自分を想ってくれる異性が欲しいんだ」

しまるこ「親くらいしか、そんなふうに想ってくれないから寂しいんだ。たった一人の異性に、骨の髄まで自分という存在をわかってほしいんだ」

しまるこ「とくに俺たちは今までモテなかったから、過去の負債の分までしっかり愛してもらわないと気が済まなくなっている。出会い系の女もそんなもんだよ。すごく簡単に言うと、拗ねてるんだ」

しまるこ「俗人の愛の専門家は、恋をしてこなかった人達は、傷つくのが怖いから恋ができないと定義するけど、俺は違うと思う。欲しすぎるから逃げてしまうんだ」

友達「……ふーん。じゃあいっぱい愛せばいいの?」

しまるこ「モテない人間は謝罪を求めている」

しまるこ「お前にチョコを渡してきた女も、チョコを渡すんじゃなくて、先に謝罪をすれば、お前はちゃんと受け取った」

しまるこ「謝罪もないのにそんなことをしてくるから、お前はイラッとしてしまったんだ」

しまるこ「モテない男はこう思ってる。学生時代に、学ランの下にパーカー着てる男と手をつないで下校しておきながら、いまさらノコノコやってきやがって、好き……だと? 謝罪がないのはどういうことだ? 好きといわれて好きになるのは簡単だけど、謝罪がないと先に進めねーだろ!って」

しまるこ「だから、チョコを渡してくるんじゃなくて、その前に、『ごめんなさい、ごめんなさい……』って。『タチバナくん……ごめんなさい……』って、雪が降りしきる2月14日の地面に頭を擦りつけながら、必死に謝ってチョコを渡してきたら、お前は受け取った」

友達「それだったら、たぶん受け取ってたわ」

しまるこ「『るろうに剣心』に出てくる瀬田宗次郎が、その典型的なタイプだよ。宗次郎が本当に困っている時、助けてくれたのは剣心じゃなくて志々雄だった。そして時が経ち、剣心に出会った宗次郎は『何なんですか! 今さら優しくしないでください!!』『あなたを見てるとイライラするッ!』と言って、狂ったように剣心を斬りつけた……! あれはつまり、今さら優しくすんじゃねーよというやつだ」

しまるこ「『俺はそんな簡単な男じゃない。ヤリマンみたいな犬だと思うなよ? もっと俺のことを四六時中考えて、いっぱい苦労しろ! どうしたら俺に振り向いてもらえるか考えろ! チョコを6年間渡してこい! 雪のふりしきる地面に頭を擦り付けろ! あらゆる可能性を試してみろ! ……(ここまでやったら、他の男はすぐに私のことを好きになるのに、なんでこの人はこんなに孤高なんだろう? 私に魅力がないのかなぁ……?)と自己嫌悪しろ! でも諦めるなッ! 追いかけて追いかけて追いかけて俺を追いかけ続けろ! そして俺は一生懸命振って振って振り抜いてやる……!』という心理が働いているわけだね」

しまるこ「それはお前だけじゃなくて、女にも起きてる。お前らは二人して同じことを考えているんだ」

しまるこ「だから『私は浜松です!』というかめはめ波と、『そうなんですね』というギャリック砲がぶつかって、凄まじい大爆発を起こすんだ」

しまるこ「俺の地球を壊さないでくれ」

しまるこ「とにかく、熱烈にアプローチされたいけど、それを振って振って振り抜きたいとも思ってる。好きじゃなくても振りたいし、好きでも振りたい。めんどくさいんだ」

しまるこ「太宰治が『本当の臆病者は幸せからも逃げようとする』といったのは、こういう意味なんだ」

友達「ていうか、今、仕事の帰りで助手席に職場の人が乗ってるんだけど、全部お前の話聞かれてて、めっちゃ笑ってる」

しまるこ「(笑)」

友達「尋常じゃないくらい笑ってる。この人も35歳の独身なんだけど」

友達「『名探偵さんみたいですね』って言ってる。『この人本を読むみたいに話すんですね』って言ってる」

しまるこ「(笑)」

友達「ごめんいいよ。続けて」

しまるこ「なんでスピーカーにしてんだよ(笑)」

しまるこ「おい……! よく聞いとけよテメェ! 35 歳! テメェのために言ってんだからなぁ! 宗次郎が! ちくしょうが!」

しまるこ「そして俺はさらに研究していったんだけど、これはどうやらヒステリックな母親に育てられた子供が、陥る病気らしい」

しまるこ「どうやら、ヒステリックな母親に育てられると、女という生き物に対して潜在的に恐怖を植え付けられてしまうらしいんだ」

しまるこ「俺もお前の親もヒステリックじゃんね?」

友達「うん」

しまるこ「モテる男のお母さんは、恰幅のいい給食のおばちゃんみたいなお母さんなことが多いんだ。『なにをウジウジやってんだい! 好きなら好きって言わなくてどうすんだい!』みたいな、いつも布団たたきを持ってるようなお母さんなことが多い」

しまるこ「で、モテる男は、そういう母親に対して高圧的で、「ババア! コンビニ行って焼きうどん買ってこい!」とか「コンビニ行ってジャンプ買ってこい!」とか乱暴な口をきいたりする。で、母親の方も、「まったく口のへらないガキんちょだねぇ……!」なんて返してる。そういう親子関係の場合、自分の彼女にも同じような行動を取る。そして、それが案外モテたりするんだ」

しまるこ「自分の母親に対する態度が、そのまま自分の彼女や奥さんにとる態度と同じになるって言われてるけど、あれは当たってるね」

しまるこ「いじけ病を発生する輩は、ヒステリックな母親に育てられたところに起因している。女の醜さや汚さや、生理の濁ったような空気をたくさん吸ってきたから、女を生理の濁った生き物のように見てしまうようになってしまうんだ。そして、女の方も、女々しさに自家中毒を起こすのは自分だけでたくさんなのに、男の方にもそれをやられると、マンカスとチンカスのいちばん臭いのがミックスしたようなものを吸い込む気分になるんだ」

しまるこ「35歳の宗次郎は聞いてるか?」

友達「『聞いてる』っていってる」

しまるこ「休憩をいれよう。少し水飲んでくる」

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