約束通り、ちゃんとそばを食ってきた。今、そばを食ってきたタイミングで文章を書いている。食うとか食わないとか、そんなことを考えて、1日が過ぎていき、食うとか、食わないとか、はなから頭から、そんなことが頭にまったくない状態こそが。食べることもとらわれならば、食べないこともとらわれであり、ただ真っ白の状態にありつきたいものである。
さて、そばだが、食べてみたら、焼きそばがあれだけうまかったから、そばもうまいだろうと思っていたが、ぜんぜんうまくなかった。ガッカリした。 焼きそばがうまくて、そばがまずいなんてことはあるのか? そばを焼いたものが焼きそばじゃねーのか? おなじ麺を使ってんじゃねーの? わからない。いまだにそばと焼きそばの違いがわからない。しかし俺はめっちゃ空腹の状態で行ったんだぞ? 昨日なんて玄米1合を夕飯に食べただけだし、じゅうぶん空腹で、この状態で食べれば何を食べてもおいしいっていう状態で食べたのに、不味かった。まぁこんな見た目だし、そば粉が100%使われていたものでもなさそうだったし、なんだかよくわからなかった。そばだけは味がわかる。そば以外の食べ物は、正直あまり善し悪しというものがわからないけれども、そばだけは本当においしいものはおいしくて、まずいものはだめだね。
まず、この海苔ののっけ方がふざけている。少なすぎだろ。海苔で麺が見えないくらい埋まってほしい! これが最後の食べ物というのは甚だ残念である。しかし何よりも驚いたのが、そばを食べることによって食欲が亢進したことである。昨日は玄米を1合炊いたものを食べただけだったから、空腹といえば空腹だったけど、それほど食欲はなかった。そばも別に食べたくなかった。約束だから無理して食べた。それで今日の11時頃にそばを食べたけれども、このそばを食べてから急に食欲がぶり返したように、ポテトチップスが食べたくなったり、ポテトを追加注文してしまいたくなったり、あさりの酒蒸しという一品料理ものも食べたくなってきて、売店に置いてあるよくわかんないトーストみたいなものも食べたくなってしまって。まぁこれらも正直食べたいというよりも終わらせたいという気持ちが強かったんだけれども。しかしなんだろう? そばを食べ終わった瞬間に、これらを終わらせたいという気持ちになってしまった。やっぱり、スイッチはそばだ。もうこうなってくると、終わらせようってよりも食べたいっていうことかもしれないね。身体が、そばで満たせなかった栄養分を、これらの食材で満たしたがっているのだろうか? わからない。まぁとにかく、何かものを食べると余計に食べたくなるっていうか、スイッチが入ってしまう。そばを食うまでは、こんな気分にはならなかったのだ。めんつゆが悪かったのかなあ? もしこれがそば本体だけだったら、こんな風に火がつくことなかったと思う。めんつゆを飲むことによって、化学調味料がやっぱり食欲に火をつけてしまうのかなあなんて思ったりもするが。
さて、まぁいいや。これで最後と決めたからな。これでおしまい。約束も果たした。最後にしては不味かったけど、決めたもんは決めたもんだ。そばでおしまい。はー長かった。長かったけど、おしまいだ。じつは今、柏餅が気になっている。昨日水木しげるの漫画をたまたま読んでいたら、変な侍たちが、ボタ餅の取り合いをしていた。
奪いあってるところを見ると、そんなに欲しいのか。そんなに食べたいのか。確かに、旨そうだ。ボタ餅。黒い。水木しげるのなんともいえない味のある画力が、一見ラフでサッと書いてあるが、下手なグルメ漫画よりも美味そうに見えるのである。カイジのビールと一緒かもね、この辺は。なんか、すごく旨そうに見えた。
↑建物からして、旨そうなんだよなぁ
映画やドラマなんかでもさ、昔の方が食べ物っておいしそうに見えない? 江戸時代の団子屋さんみたいなところで、侍が木の椅子に座って串団子を食ってるシーンってなんであんなに旨そうなんだろうか? 『るろうに剣心』でも、京都編の最後に、宗次郎がおばちゃんから団子を買って、空を見上げながら団子を食ってるシーンが京都編の最後にあったけど、あれも、めちゃくちゃ旨そうだった。
今の団子より、昔の団子の方が美味しいんだろうか? 今の方が味がくどいんだろうか? 材料は同じだろうか? 伝統として味は守られているのか? あの串に刺さったフォルム。決して見た目から食欲をそそらせるために開発された形態ではないだろうが、歩きながら食べるために、便利性として串を刺したのだと思うが。ボタ餅なんかも、ボタってなんだろう? ボタ餅って響きが、言葉の響きだけでうまそうである。しかしじっさい、ボタ餅をネットで調べてみると、どうもおはぎのような、真っ黒い、米のようなものに、あんこをまぶしたような、外で巻いたものであって、実際のところは、そんなに旨そうに見えない。やっぱり、そうして見ると、柏餅がいいね! あの緑の、なんというか、緑以外の柏餅はあんまり旨そうに見えないけど。ピンクは全然だめ。あの緑色の草っぽい見た目に、黒いあんこが入っていて、あのビジュアルといい、俺はすごく好きだな、柏餅が。俺は柏餅に弱いところがある。そのせいで、水木しげるの漫画のせいで、今、柏餅がすごく気になっている。じっさい問題、そばを食べて調味料であるめんつゆをいくらか飲んで、そのせいで食欲に火がついたものの、なんだか甘いものでしめたいな〜〜〜! という気分になってしまって、帰り道、お餅屋さんで柏餅を買ってしまおうかと思った。本気で思った。すごくすごく考えた。つらかった。もういいだろう? だって、どうせ、そばを食べたんだし。そば食べた日なんだから、アウトみたいなもんじゃねーか。今日はダメな日だ。アウトの日だ。今日はもうどうだっていいんだ。そこに柏餅が一つ加わって何になる? プラマイゼロみてーなもんじゃねーか。 どうせ1日ダメになっているんだから。ふう。柏餅、か。最後失敗したからなぁ。最後のそば不味かったから、おいしいお餅屋さんで、柏餅でしめてぇなぁ〜〜〜〜! と、ずっと考えていた。そうして今書いているが。もちろん、食わないぜ。俺は変わるからな。柏餅を食べない! ぜったい食べない! アンチ柏餅! N O柏餅! ばーーーーーーか! ぎゃっぎゃっぎゃ。寝るぜ!