一合食べたのに?
甲田先生は炊いた玄米だったら2合。生の玄米だったら1合で十分だと言っている。
生だったら、必要な量は半分以下で済むという理論は、どの本にも書かれていることではある。生だと加熱によって栄養素が失われないために、少量だとしても必要な栄養素が賄われるということらしい。
生玄米ジュース生活を送っていると起こる、このしびれ、倦怠感はなんだろう? 誰でも起こるのか? 俺だけか? 1合も飲み干したのに、なんで起こるんだろう? 飲み干したからダメなんだろうか? 液状だとダメなのか? 固形物じゃないとダメなのか? そう思って、そのままの玄米をポリポリと食べまくってみたが、それでもやはり、しびれと倦怠感が起こった。
1号だから量が足りないのか? と思って、無理して2合飲んでみた。しかし、やはりしびれと倦怠感が起こった。だいたい20時頃に飲んで、次の日の15時頃に起こる。15時頃、なんとなく置き畳の上で寝っ転がっていると、症状が起こる。
この症状は加熱玄米だと起こらない。量の問題かと思って、1合ずつ食べ比べてみたけど、やはり加熱玄米だと、このしびれや倦怠感は起こらなかった。
めまい、倒れそうになるような、意識が遠のいていくような、口の中がケトン臭する、これらは断食のときによく現れる有名な好転反応だ。
糖代謝から脂質代謝に切り替わるときに起こる。通常は3日もすれば、切り替えが終わって、反応はなくなっていくものだと考えられているが、小生は一ヶ月間、慢性的に続いた。
生玄米を食べていると、睡眠はより深くなり、朝の目覚めもとても良く、1日がとても輝かしい気分で始められる。その足でちょっと散歩したりドトールなんか行ってみると、非常に幸福感に満たされる。この感覚は加熱玄米では味わえないものである。朝になると気分が一新され、それが昼過ぎまで続くのである。
午後の2時か3時頃、家に帰ってきてダラダラして寝転がっていると、そこから急に倦怠感が起こる。座ったり立ったり、活動していると気にならないのだけど、いったん横になってゴロンとしていると(別に寝るわけではなく)、急に倦怠やしびれがやってきて、苦しくなってくる。これさえなければ、生玄米でもいいのにと本気で思える。
糖代謝から脂質代謝か、わからないが。糖分がなくなると、エネルギー源が脂質に切り替えられるらしい。
上腕部と大腿部の周径も縮まっていたことから、おそらく筋肉も栄養に使われたのか。なぜ一合も食べておいて、そんなに栄養が足りないのだろうか? じっさい栄養が足りているのか足りていないのかもわからない。
生玄米の栄養を十分に吸収するには、それに適した腸内環境を醸成させなければいけないのか。
代謝に明らかに今までエネルギー源としていたものが別のものにとって代わられた感覚というか、置き換えられた感覚は続いていた
しかし、不思議な事に空腹感だけはなかった、断食していても感じることだが、最初の2日間がつらくて、それ以降になると、そこまで空腹感を感じなくなる。だが、なんか空きっ腹というか、物足りないというか、そわそわした煩わしい感じが続いていくだけである。今回の生玄米生活一ヶ月も、そんな感じだった。全体的に断食とよく似ていた。
急にやる気が漲ってきたり、急にだるさで何もしたくなくなったり、それらが交互にやってきて、よくわからない状態だった。
しかし、たまに猛烈に頭がはっきりしてきて、肉体も光に包まれたように軽くなり、飛び出したくなる気分にもなったりする。そういう感覚が度々訪れることもあって、それは加熱玄米を食べ続けていても体験できないものではあった。まぁ、ようは安定しないということだ。
加熱玄米の1日1食で、それなりにいい気分がずっと続く。基本的にそれで十分だと思う。それだけで、これまでと比べ物にならない健康感を、人は感じられるだろう。多くの人は小生のように2合に納豆6パックなんて食べれないかもしれない。1合で十分だろう。
生玄米だと、どうも落ち着かないので、多くの人は加熱玄米の1日1食か2食で十分だと思える。いい健康体が得られ、経済的にも一月3000円くらいで済む。好転反応も起こらない。
甲田先生が言うには、腸内環境が変わるには、どんなに早くても最低で半年、長い人では2年かかると言われている。1ヶ月程度だったらなかなか変えられるものではないだろう。35年間ずっと加熱食で生きてきたのだから、急に生のものだけで生きようと思ったらそうなるかもしれない。しかし、生野菜と果物だけを食べまくって生活していた頃は、こんなにだるさを覚えなかったなぁ。
ちなみにローフードで生活している人の顔を見てみると、大体こういう顔している。
ミミ・カーク(Mimi Kirk、 75)
マーカス・ロスクランツ(Markus Rothkranz、52歳)
4.タニヤ・ザヴァスタ( Tonya Zavasta、 56歳)
ストーム・タリフェロ(Storm Talifero 、64歳)
アネット・ラーキンス(Annette Larkins 、72歳)
出典:年齢よりも何十歳も若く見えるロービーガンな人たち・肉食が加齢の原因?
なんか目の奥が静かというか、目の奥まで静かというか。
静けさの中に自我が吸い込まれていってる顔を、みんなしている気がする。
覇気がないというか、動物心がなくなってしまっているというか、止まっているというか、生命のリズムが停止しているというか。神々しいといえば、神々しいが。
なりたいといえば、ぜひなりたいが。
筋骨隆々の肉体をしていたり、オードリーヘップバーンみたいな派手な頭をしていても、なんだろうな、この、一次的なのか二次的なのかわからない、自然なのか人工的なのかわからない、一度、精神が死んで、再構築された精神というか、最後に残った残り滓のような精神を、精一杯開ききって生きているような。
一番凄いのは、最後の女性だろう。72歳で、この毛髪、肌! うちのお母さんより若くみえる!」
生玄米生活をしていると、この写真の人達のような顔に、ただ静謐の中で笑みだけを浮かべているような顔に、近づいていきそうな予感だけはあった。
※
この倦怠感、しびれは、夕方、夜に顕著になる。朝になるとまったくなくなってしまう。
頭ははっきりしているのだけど、身体はフラフラするというか、力が出なくなる。
やっぱり生玄米は無理かなぁなんて思って、断念しようと思ったりもするが、今こうして朝になって執筆していると、嘘のようにだるさが消えて、加熱玄米を食べていた頃よりも、いい状態になったりするのである。
だから続けようかやめようか、判断に困るものであった。すごい調子がいいかと言われると、そこまででもない。別にすごい頭がよくなるわけではない。ただ、頭の中に冷風が吹き抜けるような清涼な感覚はあるのは、素晴らしいことに思う。ずっとこの感じでいられたらなぁと思う。
加熱食を食べると、どうしても頭が熱っぽくなり、ボォっとしてきて、この感覚はなかなか手にすることが難しい。
好調といえば好調に違いないが、無理して獲得するまでのものでもない。まぁ、もっと続けて見なきゃわからんが。
基本的に皆さんの多くが1日の中で何かしら食べていて、胃に何らかの食べ物が流し込まれている状態でいるだろう。
1日3食食べていれば、そういう状態になってしまう。小生は5年ほど、1日1食を崩したことがないので、基本的には、その日の20時から翌日の20時まで何も食べないので、日中は、体の中に食べ物が入っているという感覚があまりない。つまり空っぽの状態の感覚がずっと続いているので、加熱玄米だろうが生玄米だろうが、それにおいてはそんなに変わりはない。