恋愛

みるきーについての考察

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元NMB48の渡辺美優紀という子をご存知だろうか? 簡単に言ってしまえば、AKB48でいう、まゆゆ(渡辺麻友)にあたる。

彼女はNMB48というトップアイドルグループにおいて、さや姉(山本彩)と共に、グループの2大センターとして長年君臨し続けた。その愛嬌たっぷりの、ミルクのような甘い笑顔と、自身の名前をもじって、「みるきー」という愛称で呼ばれ、多くのファンに愛された。

まゆゆのように、ぶりっこというか、小悪魔というか、あざといというか、王道、女子力お化けというか、アイドルを絵に書いたようなアイドルである。

その笑顔は完全なるアイドルサイボーグのそれで、人間性を置き去りにし、彼女の素顔は誰にもわからなかった。アイドルIQが極めて高く、現役中は、自分の設定したキャラ性以外の言葉はいっさい口にしなかった。バラエティ番組に出ると、共演者の男性を君付けしたりする。(おっさんだろうと)

しかしその裏では、並々ならぬ努力をしており、自分が納得いくまで練習しなければ気がすまないというストイックで有名であり、メンバー達からも一種の恐怖を抱かれるほどだった。

余談だが、アイドルはみんな肉が好きだが、みゆきーやまゆゆのようなアイドルは、とくに肉が大好きである、というのが小生調べでもある。

男の願望を写し絵にしたような子。女の子のいいところしか見せない。ひとつも減点要素がないように思える。顔が、あなたのことが好きですと言っている。彼女と付き合ったらどんなに楽しいだろう。彼女とデートしていることを想像するのは難しくなく、付き合えそうな子、自分のことを好きになってくれそうな子、この子は俺のことを好きに違いない、と思わせることができるアイドルをいいアイドルという。

この笑顔にやられ、自分でも付き合えそうだと思うファンも少なくないだろうが、小生はそうは思わない。メンヘラだったり、終始不機嫌な顔をしていたり、生理っぽい、灰色がかった雨雲のような顔をしているアイドルの方が、簡単にファンと付き合うし、結婚も早い。

アイドルアイドルしている子の方が、不祥事は少なく、恋愛経験がまったくといっていいほどなく、結婚も遅い。小生から見ると、まゆゆやみるきーは、ガーターベルトがステージで踊っているように映る。

そんふうに感じるのは、小生だけではなさそうだ。ファンは、今ではもう、一部の鈍感な男以外は、これは営業スマイルということを嫌というほど熟知しており、一周回って、この営業スマイルから元気をもらおうという態度で、彼女のファンでいることを覚悟するのである。

いつも思うことだが、いったいこういう子は誰と付き合うのか? 誰と結婚するのか? ということだ。

ここまで女子力というものを極め尽くして、最後はどこに収まるのか、誰の胸に顔を埋めるのか、その最大限にまで磨き上げた価値を、どこの誰に余すことなく捧げるのかということが、小生はずっと気がかりだった。

そんなある日、なんと! とある番組にみるきーが出演しており、過去、自身が猛烈に恋をしてしまった経験を語っていた。

同じメンバー? かどうか忘れたが、みるきーの親友の女の子が、いたずらで男のふりをして、みるきーとLINEのメッセージのやり取りをし続けたらしい。期間は約2ヶ月ほどだったらしい。

どうしてそのLINEをすることになったのか、どうやってその男とLINEをすることになったか、ということは語られていなかったが、みるきーは、一度も会ったこともなく、顔も知らない、まったく得体のしれない男と、毎日のようにLINEをし続けた。

本来だったら、みるきーはトップアイドルだし、そんなよくわからない馬の骨とLINEをしている暇もないし、興味もない、面倒臭いことこの上ないはずなのだが、みるきーは、どうしてもそのLINEがやめられなかったという。

そのLINEは、送られてくる一つひとつのメッセージが、あまりにも自分のことをよくわかってくれていて、愛に満ちていて、優しさに満ちていて、励ましてくれて、今いちばん自分の欲しがっている言葉は、いつも適切に与え続けてくれたという。

どうしてわたしが? トップアイドルのわたしが? 女性の最高峰。ここまで綺麗になるためにやれることをすべてやってきたわたしが、なぜこんな得体のしれない男の手中にあるのだろう? わたしは彼に、この成果物を惜しみなく与えなければいけないような気になってくる。

人を好きになったことがなかった。人を好きになるということはどういうことだろう? ああ、こんな感じだったんだ。

自分でも、びっくるするぐらい、好きになっている自分がいて、それに本当に驚いたと、みるきーは語っていた。

しかし、幸か不幸か、そのメッセージを送っている者の正体は、みるきーの友人の女の子だったのである!

いたずらだったという。本当にただのいたずらで、何の理由もなかったという。みるきーがあまりにもアイドルの修羅道を進み、鉄のパンティを履いているがごとく、男どころか生活まで鉄線で張り巡らされているみるきーを見て、心配になったのか、試したくなったのか、ほんのできごころか、理由は述べられていなかったが、とにかく、そんな悪趣味なことをされたという。

みるきーはその友達とは絶交したという。

しかし、「こうやって人は恋に落ちるのかと思った」と語っていた。その2ヶ月は何も手につかず、熱に浮かされているようだったと語っていた。

メッセージは、男では難しかっただろう。男では、彼女のことや、彼女の欲しがっているもの、そして近くで彼女のことを観察することがかなわなかったのだから、タイムリーで適切な言葉を送ることもできなかっただろう。いつも一緒にいる友人だからできたのだと思う。じっさいに会ったときは悩みを聞いて、家に帰れば男に化けて先回りして悩みを解決する。

みるきーは、どうしてそんなことしってるの? なぜわたしのことがそんなにわかるの!? と謎だったという。

そして、それが、どうして一度も会ったこともないのに、わたしはこんなに彼のことが好きなんだろう!? という気持ちに、いちばん自分がびっくりしていた、と言っていた。

気持ちは分からないでもない。小生も女のふりをして友人とLINEをしたら、2日で落とせる自信がある。

人は自分のことをいちばんよくわかってくれる(と思わせられる)人を好きになってしまう。それはトップアイドルだとしても変わらない。

猫だって、猫の扱い方をよくわかっていないと猫に嫌われてしまう。いくら右手に猫チュールを、左手に猫じゃらしを持って近づいても、猫の視点からアプローチをしなければ上手くいくものではない。

小生は、みるきーとまゆゆの顔を見るたびに、いったい彼女たちはどういう男と結婚するんだろう? といつも考えていた。

今27歳になるみるきーは結婚していない。まゆゆも27歳だが結婚していない。まゆゆは卒業して3年経っても、彼氏ができないと言っていた。

作りたいのか作りたくないのかもわからず、ただ自分の呼吸を繰り返しているという。このまま自分の呼吸を繰り返しているだけではできない気がするけど、どうしたらいいのかがわからない、と言っていた。アイドルの仮面は被れるけど、普通の恋する女の子の仮面を被れない。見つからない。らしい。

前田敦子や矢作萌夏のような女性は、すぐに付き合って、すぐに結婚して、すぐに離婚する。しかし、彼女たち以上に存在感のある天才的なセンターがいないことも事実だ。それは確かに打ち上げ花火のような短い輝きだった。まゆゆとみるきーとは対極にあるアイドルだろう。

みるきーの友達がみるきーに送ったメッセージの内容は気になるところだが、おそらくみるきーにしかしらない本当の部分に触れたのは間違いないだろう。

基本的に同性の方が同性の気持ちをよく分かり、簡単に落とせるだろう。親友なら尚更だ。相手が何を言ったら喜ぶか、どうしたら恋に落ちるか、手に取るようにわかるだろう。おそらく、メッセージを送っている友人の女の子は、答えがわかっているテストを解いている感覚だったと思う。

人は誰しも孤独を抱えていて、たった一人の異性に自分の全てを分かってもらいたいと思っている。自分でもよくわかっていない、本当の自分の良さに気づいてもらいたいと思っている。それは女の子だろうがアイドルだろうがアイドルサイボーグだろうがぜんぶ同じだ。

人は恋愛しようと思っても、その人にただ単純にアプローチするということができない。ただ攻略するということに専心できない。どうして私が、どうして俺が、こんなにやったのに、ここまでやったのに、どうして、私はここまでやったのに、見返りを求める気持ちが生まれてきてしまうためである。

みるきーの友達は、点取ゲームの要領で挑んだ。ゲーム感覚で、ただ相手を落とそうとした。一切の余念がなく、恋愛シュミレーションゲームのように、ただ機械のように行った。機械には機械を。そこにはもはや心がない。だから上手くいった。

恋愛とはこういうものだと言うつもりはないが、恋愛の見せるひとつの冷酷な顔ではある。機械のように。

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