出会い系「90人と出会って20人ほどやった体験談」

出会い系の人妻との体験談 2

投稿日:2021-05-05 更新日:

彼女の恋愛遍歴

では、彼女の恋愛遍歴を話していこう。それが彼女の人となりを説明する上で、この上なくわかりやすいだろう。

女性というのは男に比べて、付き合った異性のバリエーションに富んでいるものであるが、それを加味しても、彼女の恋愛遍歴は凄かった。小生はここまでバリエーションに富んだ恋愛遍歴というものを聞いたことがない。

あれから彼女と電話ばかりしていた。電話になると明け透けに話しやすいせいか、彼女は何でも話してくれた。 彼女は現在会社を休職して自宅療養中ということもあり、LINEや電話の返信がとても早かった。

普通に話しているだけなのに、なぜか会話はエロい方向に向かっていき、メッセージや電話だろうが、いつもエロい方向に向かっていった。

不思議なことに、 彼女は大学時代までは一度も男と付き合ったことはなかった。

彼女は北海道に生まれたが、華やかな生活を夢見て、高校入学時に東京にやってきて、東京で一人暮らしを始めた。

高校生活は地味なもので、彼氏ができるどころか、同性の友達にも恵まれず、基本的にはほとんど一人で行動していたとのことだった。

そのため集中して勉強できる環境にあったので、MARCHクラスの大学に合格した。大学一年の18歳の時に、初めて彼氏ができることになる。26歳の医者らしい。初めてできた彼氏が26歳の医者だ。学校の周りを歩いていた時にナンパされたらしい。

その医者は、極度のデブであり、いつも汗をかいてビチャビチャに濡れていて、容姿の面では最低だったらしい。しかし亜子ちゃんは、こんな風に声をかけられたのは初めてだったし、もともとあまり外見にはこだわらないというところもあって、OKしたらしい。求愛されたり、熱心にアプローチされると、OKしてしまいたくなると小生に語った。

医者は凄い車に乗っていたし、何でも奢ってくれたという。しかし彼と行為に及んでいると、肉の海のような、肉に溺れていくような、肉に跳ね返りがなく、手を押し込むと、深く沈んでいくのが気持ち悪かったらしい。また、汗が凄まじく、シャワーでビチョビチョに濡れたようなひどい気持ち悪さに襲われるのが常で、とうとう耐えられなくなって別れたと言った。もう絶対デブとは付き合わないと決めたと言っていた。医者とは半年ぐらい付き合った。

さて、 2番目に付き合ったのは、同じ大学の男である。

亜子ちゃんは授業の合間に自分が落ち着ける場所として、 キャンパス内のあるひとつの空き教室を選んで、 いつもそこで、次の授業までの空き時間を過ごしていたらしい。

そこで時間を潰していると、とある男から「好きです。付き合ってください」と急に言われたらしい。その男のことは一切知らなかったし、急に告白をされて驚いたけれど、「ずっと見てました。キャンパスですれ違ったり、この教室に一人でよくいることは知っていて、いつも声をかけようと思っていて、今日、勇気を振り絞って告白しました」と言われて、胸を打たれたらしい。「どうしても後悔したくなくて」という後押しの一言に、とどめを刺されたと言っていた。

交際はプラトニックだったらしい。彼がプラトニックだったこともあり、亜子ちゃんも応じてプラトニックな付き合いをしていた。デブに水浸しにされていたことなんて知る由もなく、普通にデートして、普通に学校に行き、普通にセックスして、これまでで唯一まともな恋愛だったと亜子ちゃんは語った。 1年半ほど付き合ったとのことだ。

一人で空き教室で過ごす詩人気質なところはあったけれども、大学は高校時代よりも、友達にも恵まれて楽しかったそうだ。亜子ちゃんはテニスのサークルに所属していた。ほとんど運動らしい運動はしない、飲みサークルだったらしいが。

サークルで親しくなった女の子がいて、その子といつも一緒に行動していたらしい。 大学の3年生の頃から、その友達とシェアハウスに住むようになり、この頃から亜子ちゃんの奔放は加速することになる。

シェアハウス

そのシェアハウスは20代から30代の男女が10人程住んでいたらしいが、女の子は亜子ちゃんと友達だけで、残りは全員男だったらしい。

友達の顔は知らないが、そこそこ可愛かったらしい。亜子ちゃんも可愛かったので、ほとんど男しかない住まいの中に、可愛い女の子が二人入ってきたら、どうなるかは想像に難しくないだろう。

男はというと、全身にタトゥーが入っていて一日中シンナーを吸っているフリーター、高校教師、亜子ちゃんと同じ大学に通っているラグビー部の一年生の男、売れないお笑い芸人、 京大生、サラリーマン、とバリエーションに富んでいたらしい。

亜子ちゃんと、亜子ちゃんの友達は、タトゥーの男、高校教師、ラグビー部の一年生の男の3人と、日々セックスしていたらしい。

4Pや5Pになることも稀ではなく、みんなで酒を飲みながら行為に及ぶこともあったという。友達が隣で喘いでいる姿は、ちょっと気持ち悪かったと亜子ちゃんは語った。もはやセックスなのか悪ふざけなのかもわからず、友達と一緒に立ちバックをされながら、ワイングラスを掲げて乾杯したこともあったという。

タトゥーの男は、いつも性手技の研鑽に励んでいて、試したいことや新しい発見があると、亜子ちゃんを呼び出していたらしい。それはほとんど毎日だったらしい。全身にタトゥーが入っていて、懸垂ばかりやっていて無駄に背筋だけは凄くて、亜子ちゃんはよくその背中に見惚れたらしい。

「練習台にされて嫌じゃないの?」と亜子ちゃんに聞いてみたら、やり手で一緒にいて心地よかったから、彼と一緒に過ごす時間が好きだったと言った。

教師は高校教師で、 新任の女子高の教師だったらしいが、フラストレーションが溜まっていたのか。彼もまた亜子ちゃんと、亜子ちゃんの友達と肉体関係を持っていた。

ラグビー部の一年の男は、亜子ちゃんの大学の後輩なのだが、シェアハウスで出会ったのはたまたまらしい。なんと、サークルも一緒だったらしい。その偶然性に驚愕して、その精神の弾みが性衝動に駆り立てたのか、ラグビー男とも、よく関係をもっていたらしい。

「マッチョと一度やると、マッチョ以外とやれなくなるっていうけど、あれは本当」と亜子ちゃんは言った。タトゥーの男もマッチョだったこともあり、この二人のマッチョと代わる代わる、あるいは3人や4人いっぺんに、やっていたらしい。

お姫様抱っこをされたり、抱っこされたまま結合して、部屋中を歩き回ったり、アトラクションみたいだったと亜子ちゃんは言った。しかしMARCHということもあり、ラグビーの男は勉強ができるらしく、現在は消防士だという。

亜子ちゃんはいつか、「お酒を飲みながらやるのが好き」「お尻を叩かれるのが好き」と小生に話ったが、おそらくこの時のことを言っているのだろう。

これは行き過ぎた例なのか、難しいところだが、若い男女が集まって、一つの箱に収められて何もない方がおかしいとは思う。一度そういう関係になってしまったら、あとはずるずるいってしまうだろうし、入ったら最後。シェアハウスに入居した時点で、こうなることは決まっていたのだと思う。

小生は大学の頃、サークルの3泊4日のスキー旅行に行ったが、そこでも性が乱れあっていた。そのサークル内でちゃんとした彼氏彼女がいるのに、彼らは別の男や女と関係を持った。押し入れの中で行為があったのだけど、それはもう一泊目の夜に起こっていたので、シェアハウスのように、何年も一緒に住んでいて、何も起こらない方がおかしいとは思う。

シェアハウスの放蕩生活は、大学3年生から社会人2年目まで続いていた。ある日、亜子ちゃんの友達と、高校教師の男が付き合うことになった。高校教師は女子高の教師で、彼もシェアハウスで亜子ちゃんや亜子ちゃんの友達とセックスしていたというから、不健全な目的で女子高の教師を目指したとしか考えられない。

困ったことが、友達と教師が付き合った後も、亜子ちゃんと教師は肉体関係を持っていたことだ。これでは当然友達から嫌われてしまう。亜子ちゃんはなぜ友達と付き合っていることをしっているのに教師と関係を持ったのか。亜子ちゃんも、運命を感じたらしい。ある日、教師と日中の公園デートをしていたとき、ふと一緒に歩いていて、この人は自分の運命の人だと、天啓のようなものが降りたらしい。自分のものにならないとしても、好きになってしまったから、肉体の関係だけは、こそこそと続けていたらしい。シェアハウス内でやるとバレるから、わざわざホテルに行ったりして。

その間、タトゥーの男やラグビーのマッチョとも関係を持っていたというから、もう何がなんだかわからない。そして友達にバレて、絶交されてしまった。同性は友達しかいなかったから、やはりその子に絶交されたら、居心地は相当悪かったらしい。二ヶ月経っても関係は修復せず、エスカレートし、激しい怒鳴り合いも続くようになり(なぜ亜子ちゃんが怒鳴れるのかが不思議だが)、とうとう亜子ちゃんはシェアハウスを後にすることを決めたという。

亜子ちゃんがいなくなった後の、友達だけが唯一の女性となったシェアハウスのその後がとても気になるところだが。今現在は、友達とは仲を取り戻しているという。

彼女はどうも特定の男に関心があるというよりも、男そのものに関心あるようだった。男という生き物全体を包み込めてしまうような受容力の高さがあった。

女のほとんどは、街を歩く男のほとんどを気持ち悪いと思っており、小生ですら、目に映る男のほとんどを気持ち悪いと思ってしまうところがあるが、亜子ちゃんはその辺りの及第ラインが逸していた。誰とでも付き合うんじゃないかとすら思えた。

彼女の容姿を考えれば、もっと金持ちでかっこいい男と付き合うのが自然に思えるけれども、彼女はいつも自分の身の丈に合ってない男と交際していた。

シェアハウスの話を聞いて、彼女とまともに付き合っていくのは迷ったところがある。中古もいいところだ。彼女の肌は白かったが、体液を塗りたくられて白くなっているように映るようになった。ドライブでもして、助手席に座られようものなら、シートに白い液体がこぼれ落ちて、いちいち拭かなくてはならなくなりそうだ。

彼女はよく遠くをみたまま停まってしまったり、ぼーっとしたり、急に動かなくなってしまうところがあった。これは、シェアハウスの時の反動のように思う。やはり複数や多人数の男との性経験がある女性は、神聖さや新鮮さが失われてガサツになる。20歳のヤリマンと27歳の処女だったら、後者の方が、神聖さを維持していることが多い。

これだけ奔放な生活を送ってきておきながら、小生とホテルに行くのは拒否をするのが納得いかない。

この話を聞いた後で彼女とセックスをしなかったら、彼らに負けたような気がする。だから、悔しいから、彼女に2回目のデートを誘った面もある。

2回目のデート

2回目のデートは、湖でボートでも漕ごうと思って、少し離れたところまでドライブしようと誘った。

18時までには家に帰りたいと亜子ちゃんは言うので、小生は彼女を時間通りに送り届けられるよう、念には念を入れて、朝の9時からデートを開始した。

ボートに乗ろうと言ったから、亜子ちゃんはスポーティーな格好をしてきた。グレーのジャージ、ベージュのホットパンツに黒タイツ、黄色とピンクの混合したカラフルのスニーカー。カラフルなスニーカーが、全体の暗いトーンに鮮やかな光が差しているようで、いい彩色だと思った。

やはりTPOというか、どんなシチュエーションにも対応できるように、女の子は沢山服を持っている。急にボートに乗りに行こうと言われても困らない程に。27歳の女性は、そろそろ大人っぽい格好をしようと、露出を控えめにし、先生みたいな格好をし始める者がいるが、亜子ちゃんは大学生が着そうなファッションをしていた。そしてそれがよく似合っていた。それを自然に見せるには、服よりも自身が美を磨いていなければ、服負けしてしまっていただろう。

女は、男にダサいと思われるようではいけない。ファッションでは女は常に男に勝っていなければならない。女は同性になめられないようにファッションを磨くものだが、男をずっと遠くの下に置いておかねばならない。「よくわからないけど良い」と男に思わせられたら、十分だ。

「亜子ちゃんはさぁ、まだしばらくお休みする感じなの?」

「とりあえず半年ぐらいまでってことになってる。今はまだ休み始めて2ヶ月くらい」

「会社の人に出くわしちゃったら大変だね」

「すごーい。ナビ使わないんだね」

「デイサービスの送迎で、いつもこの道走ってるから」

信号の赤で止まるたびに、小生たちはチュウをしていた。まだ朝の9時や10時やそこらだ。

「おばあちゃん達にもやってるの?」

「おばあちゃん達にやったらびっくりして、正月に食べた餅が飛び出しちゃうよ」

「ねーちょっと電話かけてもいい?」

「いいよ」

「うーん、そのね、男友達なんだけど」

「いいよ」

亜子ちゃんはスマホを取り出すと電話をかけた。

「もしもし? おはよー、おはよ〜〜、もしもし? おはよ〜〜〜、起きて、ねぇ起きよ? もしもし、おはよう。ねぇ起きて。起きよう〜、朝だよ〜〜。起きて? 起きよ。朝だよ〜〜。もしもし」

5分以上やっていた。

「それは何?」

「朝、起きれない友達なの」

「ふーん」

「私も朝起きれないから、こうして毎朝電話かけあってるの」

「毎朝!?」

思わずハンドルをぶんまわして溝に突っ込みそうになった。

「持ちつ持たれつみたいな?」

「もうそれ付き合ってんじゃん」

「付き合ってないよー。今その人東京にいるし。ほら、前話した、お笑い芸人志望のシェアハウスの」

「まだシェアハウスの人と繋がってんの?」

「タトゥーとお笑い芸人は繋がってるよ」

「タトゥーとはまだ会ってんの?」

「東京に行ったときは会ってる」

ちなみにシェアハウスは東京寄りの埼玉にあるらしい。

「でも、もうシンナー吸いすぎておかしくなっちゃってた、何言ってるかわかんないし、相変わらず性の手技とかそういうのに夢中だったけど、新しく開発したテクニックを試したいとか言ってたけど。歯もほとんど溶けてたし、29歳なんだけど、もうおじいちゃんみたいになってた」

「それで、会うとやるの?」

「やらないかなぁ」

「じゃあ昔、シェアハウスを離れた後でも、東京で会ってた時はやってたの?」

「うん」

ビッチが。

さすがの亜子ちゃんでも、シンナー吸いすぎて歯がほとんど溶けた人間は避けるか。毎晩のようにやってた相手だとしても、そこまで地に落ちたら、女は相手をしなくなるものか。他人事ではない。ちゃんとしてなければ女に相手にされなくなる。

「けど、お笑い芸人の人も嬉しいだろうね。毎朝亜子ちゃんに起こしてもらえるなんて。面白いネタも思いついて頑張れそうだね」

「そうかな?」

「その人は面白いの?」

「私は面白いと思ってる。応援してるんだぁ」

「亜子ちゃんは甘い声だからね。逆に眠くなっちゃいそうだね。今の電話も、起こしているというより、戯れているようにしか見えなかった」

ボート乗り場に着くと閑散としていた。鬱蒼とした森の中にあって、人一人誰もいなくて、自殺スポットにやってきてしまったかと思った。歩き回って、やっと看板を見つけたら、ボートの貸し出しは休日しかやっていないと書かれてあった。今日は平日だった。基本的に小生は平日休みだった。

事前に調べておけばわかることだ。これは男として格好悪いことだったが、亜子ちゃんは全く気にしてなさそうだった。というわけで、急遽、白糸の滝を見に行くことになった。亜子ちゃんは、18時までに家に帰れさえすればそれでいいという顔をしていた。

白糸の滝では、串に刺さったニジマスの塩焼きが売られていた。小生はこの時初めてニジマスを食べた。というより川魚を初めて食べた。この世にこんなに美味しいものがあるのかと思った。大袈裟でなく、人生で一番おいしい食べ物だと思った。なぜこれがスーパーで売られていないのだろう。スーパーで売られていたら、毎日でも食べる。あまりにも夢中になって、デートだというのに、2尾食べてしまった。両手に持って食べかねない勢いだった。

亜子ちゃんは、魚の目があまり好きじゃないという可愛い理由で食べなかった。釣りをやる人間は、釣れたてのサバの刺身が、すべての魚の中で一番うまいというけども、このニジマスの塩焼きより上手いというのか。やはりインドアよりアウトドアの方が、食事の真に迫っているという点でずいぶん優位にありそうだ。だから恋人同士は食べ歩きばかりしているのか。一人でニジマスを食べに来るわけにもいかないしな。

亜子ちゃんは売店で売られていた、まかいの牧場から採れた、生ソフトクリームというものを美味しそうに食べていた。アイスを食べながら滝を見つめている亜子ちゃんは、風情があった。地べたに小さく座り込んで、吸い込まれるように滝を見ていた。そのままフラフラと近づいていって、呑み込まれてしまい、滝の精霊になってしまいそうだった。

「随分遠くまで来ちゃった」と亜子ちゃんは虚ろな目で言った。そして、「ちゃんと家まで返してね」と言った。

「静岡はまだ一年しかいないんだもんね。ここがどこだか全然わかんないでしょ」

「うん。わかんない」

滝を見つめているからというのもあるだろうが、亜子ちゃんは1回目のデートの時に比べるとずいぶん静かだった。

「今日は静かだね」

「うーん、なんかね、会社休んでこんな楽しいことしてていいのかなーって」

楽しい、か。楽しいと思ってくれていたのか。小生は安心した。

前もって、亜子ちゃんの性事情を打ち明けられていたからだろうか。前回のデートで既にキスを済ませていたのもある。 出会い系の女とこうやってデートしていても、気を遣うばかりで、何か話さないとと焦るばかりで、いつも頭にニンジンをぶら下げた馬のように、あくせくばかりしていたけど、 長年の夫婦のようにデートできたことが嬉しかった。

デートというものは、ただ隣に女の子がいて、女の子の、女の子らしいシルエットさえあれば、それだけで楽しいものだ。小生は、ただそれを楽しんでいた。ほとんど会話らしい会話はなかったけれど、話しても話さなくても、楽しかった。

「ホームシックになっちゃった?」

「あっ、ごめんね。私ちょっとぼーっとしすぎてたよね、ほんとごめん」

珍しく丁寧に謝ってきた。自分の態度を気にしているようだった。こういうところがあるから、ヤリ捨てるか大事にするかで迷うことになる。

「いやいや楽しんでくれてるなら良かったよ」

「楽し〜〜〜!」

と亜子ちゃんは、にっこり笑って、滝に向かって大きく胸を広げた。それはどこか無理しているように見えなくもなかったけど、やっぱりこういう表現はいいなと思った。

「楽し〜〜〜!」か、これだと思った。男はこの言葉と仕草に出会いたくて、女を誘っているところがある。妙に感慨深かった。今回のデートでいちばん記憶に残ってるシーンはこれなのだが、亜子ちゃんにいったらびっくりするだろう。

女でも、言わない人間は言わない。むしろ、静かに、楽しいですね、というのが常だ。やはり女は、「楽し〜〜!」と言っているのが一番いい。こうこうこういう理由で今楽しいですなんて言われたら最悪だ。小生が女だったら、亜子ちゃんと同じ表現をしようと思った。

歳をとっても、こういう仕草をなくさない女性がたまにいる。ローラみたいなものか。ちょっと違うか。こういう仕草を無くさない女性と一緒に年月を過ごしていくことは、とても幸せで、運がいいことだと思う。亜子ちゃんは結婚しても、この仕草を失わなさそうだ。こういう仕草を失わない人間ほど、婚活市場で売れていく。

「ありがとうね。ホテルのために挟んでるんだろうなぁとは思うけど」

「いやいや、はは」

「でも、そのためだとしても嬉しいよ。ありがとう。私がこのままホテル行かなかったら、もう誘ってくれなくなっちゃうんだろうなぁって思うけど」

「誘うよ。なんなら今から次の予定を決めておこう」

「ホテルのためにがんばるねー」

えらいえらいみたいな空気を出して、亜子ちゃんは小生の頭を撫でた。

小生はホテルなしでも亜子ちゃんと、このまま、こんなデートを毎週のように続けられるのか? 楽しいと言ったけど、飽きずに楽しめ続けられるものなのか? 今まで一度もそれができたことがない。それは今まで付き合った彼女が全員ブスだったからだ。可愛い子だったらずっと楽しいのか。亜子ちゃんとなら。そんなふうに考えていたら、シェアハウスのタトゥーが脳内に浮かんだ。

こんなに手を込んだデートをしないと、俺は亜子ちゃんとセックスできないのか、なんで? タトゥーはよくてなんで俺はダメなんだ? 今は太ってるからホテル行かないって亜子ちゃんは言ったけど、いつ痩せるんだ? 本当に痩せたらやれんのか? 今日もこんな雰囲気になったところで、18時までに帰らせないといけないから、ホテルに行きたくても、時間の問題で行けない。

シェアハウスの男達は、昼だろうが、夜だろうか、ひと声で亜子ちゃんを誘い、何でもすることができた。今よりずっと若くて可愛い亜子ちゃんを。

それに比べて、俺はまるでキャバ嬢に貢いでるオタクだ。俺とタトゥーの違いがわからない。

「俺はさ、いろいろ出会い系の女の子と会ってきて、こんなに楽しいと思った子は初めてで、なんか、初めて会った時にピンときたっていうか、やっぱりこのピンとくるのがいちばん大事だと思うんだよね。見た目どうこうじゃなくてね、見た目も可愛いんだけど、性格もすごく良いっていうか」

と言ったら、亜子ちゃんは笑っていた。

小生はキョトンとしながら亜子ちゃんの顔を見た。

「ごめんね、みんな同じこと言うから面白くて。全文、はじめから最後まで、まったく同じこと言うから、つい笑っちゃった」

「はは、なるほど。実はね、俺もこのセリフをある女の子に言ったら、今の亜子ちゃんのように、『それ別のアプリの人にも言われた』って笑われたんだよ。『アプリの人ってみんな同じこというんですね』って言われた(笑)実際、多くの出会い系の男はこのセリフを吐いてるんだろうね。多くの男がこのセリフを吐くってことは、みんな、率直に同じ気持ちを抱いたんじゃないかね? 出会い系を体験していると、みんな同じ気持ちになるんだろうね。嘘も似かよるけど、本心はもっと似る。正直な気持ちの方が似かよるはず。みんな本心から言ってることだから。出会い系の男がみんな同じことを言ってると、蔑みたくなるけど、でも本心は本心だから」

「うん? うん」

亜子ちゃんは半分わかったような、半分わからないような顔をした。何にせよ、この美しい滝の前で話す話題ではないだろう。

亜子ちゃんは、ぼんやりしていた自分を反省するように、申し訳なさそうに謝ったけれど、結局その後もずっとぼーっとしていた。

初めてのデートの時は、お互いに顔を見つめ合ってばかりいて、今回よりもずっとテンションが高かったような気がするが、今日はほとんど見つめ合ったりすることはなかった。正面から見た角度なんて一回でもあっただろうか? 仲良くなるほど、お互いの目を見なくなると亜子ちゃんは言ったけど、これは仲良くなった印だろうか?

帰り道、信号が赤で停まるたびに、チュウ←(笑)をしていた。けれど、何も楽しくなかった。するならすればというふうに、亜子ちゃんは拒むことなく静かに座っていた。亜子ちゃんから話しかけてくることはなかった。チュウ←(笑)をしてくることもなかった。

それがどこか不安で、小生は一生懸命話しかけようとしていた。「好きな食べ物とかある?」とか、聞いたりしていた。「チョコ」とだけ返された。

赤で停まるたびにチュウ(笑)をしていたら、しょっちゅう赤で停まるので、チュウをする時としない時が出てきて、しない時はしないから、しないんだ? と空気が語りかけてくるような無言の圧力を感じた。別にそんな圧力はなかったかもしれないが、小生は赤で停まるたびに、チュウをしようかどうしようか迷っていたので、青で通り過ぎることができるとホッとしていた。こんなチュウがあるだろうか? 亜子ちゃんは別にどっちでもいいという態度だった。毎回するのもバカらしいし、しないならしないでいいのだが、一生懸命運転して、赤で停まったらチュウをしたりしなかったり、今回はするべきか? いや、今回は保留にしようとか、これだったらしない方がマシだ、こんなチュウがあるか? なんて思いながら、ぼーっと隣で座っているだけの亜子ちゃんに対して、こんなことを考えながら走っていたのをよく覚えている。

亜子ちゃんを送り届け、小生も家に着くと、亜子ちゃんからメッセージが届いていた。

「今日はありがとう。送り迎えまでしてもらってくれて本当にありがとう。今日は凄い楽しかったよ。でも私はしまるこくんの気持ちに応えられないと思うから、もう会わないにしようと思います。短い間だったけど本当にありがとう」

目を疑った。

何だ? どういうことだ? 何がどうなってるんだ? 

ここまで尽くして、楽しいって言ってくれて、チューもして、あれだけ楽しいって言ってたじゃねーかよ、ぼーっとしてたけど。じゃあ楽しいなんていうなよ。本当に女ってのはわけがわかんねーー。

いったいなぜだ? 運転が下手だったか? 確かにちょっと危なかった瞬間がある。亜子ちゃんは営業だから運転ができそうだしな。順調だと思っていても、これだから出会い系ってのはわからん。振られたショックより、彼女の本当の気持ちをずっと一緒にいて見抜けなかったことの方が悔しい。

本当に女心ってもんがわからん、ここまで楽しいと言ってくれた女を、どこまでも疑ってかからんといけないのか? いつも、いつも、これじゃねーか。素直にデートを楽しめたもんじゃない。イケメンなんだろ? いいんじゃねえかイケメンなんだから! イケメンが遊ぼうって言ってくれてんだから遊べばいいじゃねーか。

やっぱりボートがダメだったか? 営業だったら、そういうところしっかりチェックする癖もついてそうだし、呆れられたか? いつもだったら、「わかりました。お元気で」と返すところだが、今日の亜子ちゃんの、隣に座ってる時のシルエットが思い起こされた。あのシルエットがいい。ずっと隣にいてほしいと思った。俺はあのシルエットが恋しくて、すぐに電話をかけた。

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