出会い系「90人と出会って20人ほどやった体験談」

出会い系でいちばん大好きだった子 1

投稿日:2021-04-08 更新日:

たまに21時ごろになると、ポツポツと電話したくなる夜がある

たまに21時ごろになると、ポツポツと電話したくなる夜がある。

そんな時、適当に誰かと電話して、それがすべて文字になったらどれだけ良いだろう。いつも電話したり話したことを、いちいち文字にしなきゃいけないと思うとめんどくさくて仕方がない。

文章を書いている時よりも、電話している時の方が好きだ。

しかし文章は文章で、自己の内面に迫りやすく、電話のように、これしかないという言葉を見つける前に、タイムリミットがきて、次の話に進まなければならなくなることはない。

だから電話と文章のいいとこ取りをできないものかと、スマホの音声入力を活用しているのだが、どうもこれが画面が小さくていけない。

音声入力もかなりいいところまで進んでいて、あともう少し識字率が良くなって、勝手に句読点が挿入されてくれれば良いのだが(現在ではSimejiの音声入力だけが句読点を自動で挿入してくれるが、やはりこれも失敗することがある)

たくさん出会い系の女と会ってきたけれども、これといって心が結びついた人と出会うことはなかった。ほとんどの出会いが取るに足らないものだったけど、たった一人だけ、心から良い出会いができたと思える子がいた。

その子のことを思い出すと、文章よりも、電話でポツポツ話したほうがうまく語れるような気がして、何度か書こうと思った事はあるけれども、キーボードやフリック入力だと、どうしてもしっくりこなかった。

いつも通りスマホの音声入力で書こうとしたが、それもなんだか画面が小さくて、気持ち悪くなってしまった。多くのブロガーのように、スマホで音声入力した後にパソコンで編集すればそれで良かったかもしれないが、でかい画面じゃなければ音声入力したくないという気持ちになってしまった。

そして今、iPad Pro 12.9インチという、市場最大のでかいタブレットを使って音声入力をしている。

彼女は今もこのブログを読んでいるかもしれない。もう二度と私のことは記事にしないでって言っていたから、本当は記事にしてはならない。でも同時に、「この話を小説にしたら素敵な話になりそう」とも言っていたので、迷うところではある。

そういう場合においては、大人なら、「やるな」って言われた方を選ばなければならないのだが、やってしまった。記事にしてしまった。小生にとっては、記事も小説も同じである。

別にそれほど書かなきゃいけないわけでもないし、書きたいわけでもないのに、どうしても胸によぎってしまって、やっぱり書きたくなってしまう。

書かないでと言われた人の記事を書くのは、小生だって嫌である。ほんとは公開しないで自分だけのデバイスに保存しておこうと思ったけど、結局こうして書いてしまったから、少しの間だけ載せてしまおうと思う。書くなって言われたんだけどね。こういうところに人間性は表れる。

どうせ消すから適当に書く。最近はこんなのばっかりだ。長いのを書いて、消してばっかりいる。だったら始めから書くなっていう話だが、本当に書きたいものほど後で消さなければならなくなるものばかりだ。例えば、家族の事とか本当はもっと書きたいが、バレたときのことが怖くてあまり書けない。まあいい。形として残るものはなくなってしまうけど、自分の中に残るものは大きいからよしとする。

以前、彼女の記事を書いたときは、ひどいことを書いてしまった。彼女のプライベート的な部分をたくさん語ってしまった。今回はそういったところはすべてぼかして書くけど、自分のことを書かれることを嫌う人は、例えどんなに気を使って書かれたとしても、書かれること自体が嫌なのである。

では、なぜそんなに彼女が嫌がるのをわかっていながらこんなことをするのかというと、単純に音声入力の実験である。最近はどういうわけか、記事の書き方というものをもう一度一新してよく考えて、いかに楽で効率よく話せるかという実験をしているのだが、それこそまるで友達と電話で話すように書けるようにならないかと考えている。

しかしこんな風に書いていると冗長になり、無駄に文章が長くなり、うーんとか、あーとか、なんとなくとか、やっぱりとか、余計な副詞や形容詞、感嘆詞が入り込んできて、かえって修正するのに手間がかかるものである。だから今回はあんまり修正するのもやめてしまおうと思う。

まぁこの方面で文章を書いてみるのも一つの試みとして面白いし、いかにラクで楽しく書いていくかという追求はやめられないので、とにかくやり切ってしまうことにした。やってみないことにはわからない。自分でも無駄だなと思うことすら、とにかく喋り倒そうと思っているため、読み手の方は大変になってしまうところだろうが。

そういうこともあって、もはや題材はどうでもいい。ただ何となくつらつら綴ればなんでもいい。スマホを相手に晩酌する感じだろうか。まぁ正確にはiPad Pro 12.9インチでやっているが。このようにつらつらなんでも話そうと思うと、やっぱりでかい画面のほうがいい。

彼女に見られたらやばいのですぐに消す。しかし本当は、彼女に見られたって構いはしない。あれだけ書くなって言ったのにふざけんなって思われるかもしれないけど、あのとき、本当に思っていることを記事にできなかったから、どこかで読んでほしい気持ちもある。なんとなくだが、彼女は月に数回くらいは、このブログを覗いているような気がする。たまに彼女の気配を感じるときがある。

謝りたかったり、挽回したかったり、もう一度仲良くしたかったり、 何かの期待を込めて記事にするわけではないが、やっぱりただ、深夜にiPad Proに向かってふつふつと話す題材として、ちょうどよく転がっていたからである。

どうせ消すからあまり丁寧に書かないし、見直しも推敲も最小限にしかしない。非常に読みにくい文章になっていると思う。ほんとにずっと、どうでもいいことをうだうだ言っているだけの文章だ。

記事を書くのも飽きてきたので(記事に対する実験と言っておきながらね)、これを書き終えたら、ひとつの区切りとして、動画の方をまた撮り始めたいと思う。

前置きが長くなってしまった。

割とグイグイ系のしまるこさん

もともと変人が出会い系をやるのか、それとも出会い系をやると変人になってしまうのか、これは難しいところだが、彼女は変だったけど真面目な子だった。小生と彼女をつないだものは、この真面目さにおいて他にないと思う。

やはり人間というのは同じ精神構造、同じ精神タイプの人間じゃないと、仲良くなるのは難しい。彼女とは何か馬があった。年齢も10個離れているし、趣味も興味も育ち方もまるで違っていたが、何か互いに引き合う性質を帯びていたように思う。

彼女との出会いは出会い系だった。小生はマッチングアプリって言葉が好きではないので出会い系と言っている。

小生が彼女に「いいね」を送って、向こうが承諾して、メッセージを交わして会うまで、本当にすんなりだった。出会い系だろうが実際の出会いだろうが、やはり仲良くなるときはすんなり仲良くなるという例にもれなかった。

すでにメッセージの頃から、彼女に惹きつけられたものである。一つ一つの文章が長文で、丁寧で、好意的で、質問が多く、積極的に会話を楽しいものにしようとしてくれて、そしてこちらが送った文章を、よく読んでから返してくれた。

長文といっても、疑問文が多くて相手を圧迫させるものではなくて、小生の送った言葉ひとつひとつにたくさん反応を示すというものだった。これはよく出会い系のテクニックサイトでもいわれていることだが、基本的には長文のメッセージは良くないと言われているが、「反応」ならたくさん送ってもいいとされる。一般的にメッセージの分量が多いとストーカー感が生まれてしまうものだが、「反応」ならいいとされる。

例えば、小生がメッセージのやりとりを音声入力で打っているといったら、

「音声入力。すごい。じゃあこれはしまるこさんの生音声なのか。何か近未来的。しゃべるのと打つのとだと内容変わりそう」

というふうに彼女は返信してきた。これが反応である。相手の言葉から誘発された純粋な反応。驚き、感想など、相手重視というか、そこから変に自分語りを始めるわけでもなく、ただそれに関して自分の感じたことを言う。感じた事といっても会話を脱線させたり、余計なことを話さない。

彼女はそんな風にメッセージの返信をすることが多かった。これはどこで身に付けたのか。小生のようにサイトを見て研究したのか。彼女はまだ20歳だったし、別にそこまで男に飢えているわけでもなさそうだったし、単純にもともとの生まれ持った才能だと思う。

例であげた文章のように、彼女のメッセージの文章というのは、ぶつ切りで、体言止めが多く、直感的な、一時的な感情を乱立させるというような感じだった。最初はとても違和感があった。漫画のキャラの模倣でもしてるのかと思った。作為的に個性を付け加えようとしているのかと思った。

小生はずっと敬語を使っていたら、

「自営業。いいな。マッサージ師、素敵。好きな音楽とか流しながらできたら、いいな。敬語やめて下さい。ロボットと話してるみたい笑」

といってきた。お前の文章の方がロボットっぽいだろうがと思ったが、女の方から敬語をやめてくださいと言ってくるのは珍しいなと思って、そっちのほうに興味が流れた。

ほとんどの出会い系の女性は、男が敬語だろうがタメ口だろうが何も言わない。やりとりを自分で作っていく気持ちがないからだ。男が作り上げる環境が気持ちよかったら、長風呂したくなるし、変に熱かったりぬるかったりすると、すぐに湯から上がるだけだ。

彼女は自分の敬語もすぐにとっぱらってしまっていた。その音声入力っていうのはどうやってるのか、どんなアプリを使っているか、と非常に細かく聞いてきた。ブロガーの卵だとしても、これほど細かく尋ねてこない。

そこからだんだんわかってきたことなのだが、彼女はおそらく何でも視界に入るもの、ちょっとしたテレビ番組でちょっとした雑学なんかを見て気になるところがあったら、それをすぐに調べる癖が身に付いている。べつに音声入力の件に限ったことではない。単純に知識欲が強く、情報収集が癖になっているのだと思う。聞き上手とかテクニックとか相づちがどうとか、そんなことは全く考えず、単純に目の前の知識が自分の中で消化されないとすっきりしないから、尋ねてくるのである。この手のタイプは非常に仕事ができるものである。

小生とは正反対の人間だと思った。小生は何でもうんうんと言ってやり過ごしてしまう。流れを止めるのをめんどくさくて、なんとなく最後にわかればいいかなーという感じで、わかっていないのに「うん」と言ってしまう。相槌だけはわかっているように見せているから、大概相手は気持ちよく話す。結果、話がよくわからないまま終わってしまうことが多く、これが原因で、多くの仕事でミスを繰り返してきた。

小生は、漫才だったり、無編集のトーク動画だったり、早口で話す人だったり、とにかく人の話していることを理解するのが苦手である。YouTubeを見ていても、10分ぐらいの動画になってくると、ほとんど何を言っているのかわからなくなってきて、巻き戻しボタンを押しながら見ている。本当に損な頭だと思う。

このあと彼女とじっさいに会ったときにわかったのだが、彼女は何かわからないことがあったり、知らない見識に出会うと、すぐにメモを取るところがった。そしてアナログだった。メモをするんだったら音声入力の方がいいよといっても、小さな手帳を取り出して書いていた。

なんというか、クイズ王タイプの頭脳の系統である。中田敦彦、ロザンの宇治原、TVタックルに出てくるゲスト、なんとなくこの手の人達と同じ系統の頭脳の人間に見えた。もともと話したり、本を読んだ時の知識の吸収率が違うのだ。頭の良い人間はだいたい頭がでかい。いま挙げた人達もそうだし、学校の成績優秀な人間はみんな頭がでかかった。彼女が頭がでかかったかどうかは忘れた。小生はかなり頭が小さいから、本や人の話を一発で聞けないのだと思う。

彼女は国立の大学生だった。国立大学は受験科目が多く広範囲の勉強が求められる。なんとなく、スポンジのように知識を吸収できてしまったのだと思う。

そんなこんなで、メッセージをはじめてたった一日なのに、ものすごい数のやり取りをして、かなり仲良くなった気がしたから、その日のうちに「今度会おうよ」と言ってしまった。

そこで初めてちょっと、メッセージ自体に色気がさしてきたというか、ピンク色の空気になって、「お、割とグイグイ系のしまるこさん」と、返信された。

「お、割とグイグイ系のしまるこさん」

これだけのメッセージを返信してきた。「お」という感嘆詞だけをわざわざ入れたり、「割とグイグイ系のしまるこさん」という親父臭い感想といい、これしかメッセージを送ってこなかった事といい、やっぱり変わってるな、と思った。

どこで会おうかという話になって、お互いの駅の中間地点にしようといったら、「賛成」といってくれた。ちょうど平等になるのがいちばん気兼ねなくて心地いいのか、小生と同じく平和主義であることが伺えた。

初めてのデートは社会科見学

初めて会ったのは、駅のホームだった。あまりにも田舎の駅だったから、年頃の女の子がおしゃれをしている姿が不釣り合いだったのを覚えている。ベンチにちょこんと座っていて、ホームで駅長さんを待っている迷子に見えた。

外見はそれなりに可愛かった。それなりといったら失礼だが、普通よりややかわいいという感じだった。背は普通で、とても細かった、出会い系というものは、本当にデブが多く、細い女性に会うことはとてもとても稀である。

そして声が高かった。またこれも残念だが、出会い系では声が低い女性がとても多い。しかし、彼女ほど細いという人は滅多にいない。家系的にみんな細いらしい、お兄ちゃんは180センチで51キロとかわけのわからないことを言っていた。この子も157センチくらいだったけど、40キロあるかどうかすら怪しかった。

髪を染めたことないらしく、黒々とした長く綺麗な髪だった。そして、前歯が赤かった。なんだろう? そういう病気なのかと思った。メッセージもロボットぽかったし、なんか障害を抱えてるのかと思った。歯が赤くなってしまう病気? 恒常的に血を吐いてしまう病気なのだろうか。年頃の女の子にはかわいそうな病気だ。そんなふうに考えていて、ハッと合点がいった。口紅だった。上の歯と下唇がくっついて、口紅がついてしまっていたのだ。若いから化粧慣れをしていなかったのだろう。

彼女は21歳の大学3年生だった。国立大学の、地域総合環境コミニケーションメディアなんたらとかいう、何をやっているのかよくわからない学科に所属していた。学校や公民館的な場所、役所、会館に頻繁に行き来しては、自分の住んでいる地域を盛り上げるためのイベントや企画に精を出していた。そして就活に忙しかった。なぜ就活の忙しい時期に出会い系をやるのかわからないが。

だからはじめてのデートは、社会科見学というか、旅行のツアーガイドさん的に、街を案内してもらうような形になった。中間の駅で落ち合ったこともあり、そこは彼女が生まれ育った街ではなかったが、彼女のガイドは完璧だった。

彼女はこの街のことを何でも知っていた。寺院だったり、観光スポット、何の変哲もない道路、畑。街の歴史から現在のゆるキャラ。ひとつ歩くたびに、飛び込んでくる雑多な街の景色を逐一解説した。ここには昔これがあった、だけどこういう理由でなくなってしまった、など。

ははぁ、これは変人だなと思った。いったいなぜこんなに若い子がこんなことに興味を持つのか不思議だった。

途中で本屋に立ち寄ったのだが、街の案内本というか、景色30選のような、一体誰が買うんだろう? というような本を手に取って眺め出していた。「さすがだね。普段からそういうの読んで研究してるんだ」と言ったら、「もう持ってる」と言った。じゃあなんで手にとってんだよと思った。

聞くところによると、本棚はこういう本ばかりらしい。きれいな街並み、きれいな建物、青い空や真っ白の建物。女というものは、こういうところで性欲を昇華させている節があるが、彼女はそれが顕著のように思えた。なんと、漫画を一度も読んだことがなく、読み方がわからないといっていた。ワンピースも読んだことがないと言っていた。

根っからのアナログ気質であり、あまりネットやTwitterもやらないらしい。スマホもほとんど触らず、主に企業の研究だったりネットサーフィンとかは、ノートパソコンで行うが、そのノートパソコンが10年位前のモデルらしく、起動に5分以上かかるらしい。調べ物の最中にもしょっちゅう止まってしまうことが多く、学校のレポートの作成にも困ることもあるらしい。しかし彼女は全く不都合に感じているところがなさそうだった。

小生はそういうパソコン使っている人間を見ると無性にイライラしてきて、破壊したくてしかたなくなり、もしくは新しいものを買ってあげたくなるのだが(実際に会社の古いパソコンを自腹で買い換えてしまったことがある)、それを言ったら「壊さないで!」と言って笑っていた。

彼女は一緒にいるとき、スマホをいじるという事がなかった。人と会っているときはスマホを触ってはいけないという自分ルールを持っているらしく、それを守っているように見えた。一緒にいても、携帯ばかり触っているカップルがいるが、20歳でもやらない子はやらないんだなぁと思った。

学校から帰ってきたらパン屋でバイトをして、家ではそのボロいパソコンで企業研究をして過ごし、レポートを書いて、エントリーシートを書いていた。またよくバイトをする子で、土日も基本的にずっとバイトをしていた。

また、珍しいと思ったのが、お父さんと一緒に二人で外食をするということだ。二人で飛行機に乗って日帰りで九州地方などをめぐって帰ってくることもあるという。親孝行な子だと思った。お父さんは出会い系をやっていることを知ったら、びっくりして飛行機から転げ落ちてしまうだろう。しかも、10歳以上年上の男となんて知ったら、九州というより急死になってしまいそうだ……!

あとは音楽を聴くのが好きと言っていた。彼女はOfficial髭男dismとか米津玄師とか興味はなさそうで、歌手のYUIのファンだった。これもなんとなく彼女らしいと思った。硬派というか、無骨なアーティストを好むというか。

適当に街を散策した後は、彼女のお勧めするカフェに入ってご飯を食べた。メッセージの時はカタコトのような言葉が多かったから心配したが、話したら普通だった。声が高く、セキが切れたように、非常に流暢で速く話す子で、少し舌足らずなようなところがあったので、子供が一生懸命話してるみたいでかわいかった。

このカフェにおいても、カフェの歴史だったり、ここのこれがとても有名だとか、とにかく店のことだったり、メニューのことを、ペラペラと話していた。

彼女はほんとに地域の事についてずっと話していた。まぁ初めてだし、これ以上ピンポイントの話題は無いのだが、彼女はそういう職業を目指しているということもあったから、職業病というか、彼女の特技を生かしたおもてなしだったと言える。ほんとに地域のことに詳しいなぁと思って関心したが、ひとつだけ足りていなかったのは、目の前の男がまったくその話に興味をもってないことを見抜く眼力だった。

小生は何をいってるのかほとんどわかんなかったから、うんとか、あーとか、へぇー! と、ずっと相鎚を打っていた。高学歴というのは、目の前の話を聞いている人の理解が追いついていないということに気付かないことが多い。情報を写実のまま受け止めて、写実のまま話す。よく相手を観察して、相手の心を射止めるように、ちゃんと相手の心臓に言葉を染み込ませるぐらいに注意深くないと、馬鹿には伝わらないのだ。

なぜ彼女の話がこんなに入ってこないのか、小生は静かに分析していた。まず、勉強が得意な人に見られる、すらすらと教科書に書いてあることが頭に入ってくる人間というものは、ほとんどの場合において、他人に説明するのがへたくそである。落合陽一とかそうだろう。彼の話してることは本当にわかりづらい。

反対に、本を読むのに1ページ1ページ熱心に読んで、何を言ってるのか分からなくなって、すぐに何度も何度も前のページに戻ってしまうような人間の方が、理解したときに、人にうまく説明できるものである。それはなぜかというと、わからなかったり、つまずいたポイントだったり、理解に苦しんだところを乗り越えて、馬鹿が通るであろう過程をよく知っているからである。馬鹿と同じ出発点から話すことができるのである。

そしてだんだんと小生のほうに話がまわってきて、小生は自分のミニマリスト暮らしについてよく話した。当時は納豆パスタだけを食べたり、自営業をやっていることや、月に6万円だけ稼いで6万円以内で生活しているとか、そういった具合の話である。

彼女はそんな風に生きている小生をとても珍しく思ったらしく、たくさん質問してきた。19歳とか20歳とかいう年齢は、いちばん知識に飢えている年である。ヒトラーも、このぐらいの年齢の子がいちばん洗脳されやすいと言っていたが、本当にその通りだと思う。インプットすればインプットする分だけ賢くなれると思っている。これからの社会登壇に向けてワクワクしていて、胸がいっぱいなのである。

たくさん出会い系をやってきて、こんなに会話が弾んだのは初めてだった。彼女は夕方の6時からバイトが入っていたので、「そろそろお開きにする?」といったが、「うーん。ちょっと寂しいかも。もっと話していたい」と言った。こんなセリフも聞いたことがない。たとえもっと話したいと思っていても、「お開きにする?」と言われたら、99%の女が従う。うれしかった。そして二人で、バイトの時間がギリギリになるまで話していた。

それからLINEをする関係になった。ある日、彼女は、今日は一人で美術館に行ってきたと言った。彼女はよく一人で映画も見に行くらしい。また、彼女は美術部だった。そんなこんなで絵について話していたら、小生は調子に乗ってしまって、自分の描いた絵を送ってしまった。

こういう絵を女に送ったら、どういうことになるかわからない小生ではないが、彼女には送り付けたくなる何かがあった。

「なんだこれ。もしこれがしまるこさんの脳内世界だとしたら、しまるこさんの頭の中はどうなっているのか」と、つまらないコメントをした。

小生はどれがいちばんいいと思う? と聞いたら、「よくわかんない」「どれも同じに見える」と言われてしまった。ちなみに友人はこの絵がいちばんいいと言っていた↓

せめて何でもいいから、直感でもいいから、これが良いというようなフィードバックがあるとこちらも勉強になるのだが、ぜんぶ一緒と言われると、もうそこで話はおしまいである。芸術的な部分ではあまり感性が合わなかったようである。

これは友人の持論だが、彼女にするかどうか迷った場合、自分のいちばん自分らしい部分を見せて、それを受け入れてくれるのであれば、彼女候補として考えてもいいと言っている。つまり、相手が美女だったら、相手に好かれるための演技を続けるが、ブスや普通の女だったら、精神的なつながりの方面にシフトするということである。これは小生もよくやるところである。しかしそれを抜きにして、小生は彼女に絵を送りたくなったのだ。

彼女の方も絵を送ってくれた。彼女らしいとても魅力的な絵だったのだが、ここでは載せないことにする。このように、自分の作品を見せ合ったりする関係は、小生は好きである。まぁ彼女は、あまり送りたくなかったみたいだが。

例えば髭男だとか東海オンエアとか、有名人とかアーティストとか、そういう人の話題を出して、そういう人の話に終始する会話というのはくだらなく思ってしまう。やはり自分たちを主役として、いかに自分というものを表現していくかという会話の方が面白い。

まったくこのように、暑苦しい意識高い人間だから、恋愛において非常にデメリットになってしまうところである。何が楽しくて出会い系の男と自己表現しなければならないのか。うるせーな、じゃあはやく成功して金持ちになれよと女は思うだろう。

2回目のデートは「紙コップのデッサン」

そんなこともあって、2回目のデートは、大型施設のフードコートで、二人でサーティーワンのアイスクリームを食べながら絵を描いて遊んでいた。特に描くものがないと言って彼女は一生懸命紙コップをデッサンしていた。小生も一緒になって紙コップを描いていた。何をしているんだろうか? これが本当に出会い系のデートだろうか?

「部活を辞めてから、一度も描いたことない。ほんとにひさしぶり」と言って、彼女は描いていたが、確かに迷いの多そうな、非常に線が多い絵だった。

彼女は急に、『安定したい……安定、安定、安定』という文字を書きだした。こっくりさんのような自動筆記のように感じられた。ちょうど絵を描いていて、深層心理の世界に入ってしまったのか。人間誰しもそういうところはあるし、すべての女性は夢遊病患者だけれども、自分を出すなぁ……と思った。

やはり出会い系は変わった女しかいないのか。彼女は小さなうさぎを描いた。そして漫画のような吹き出しを描いて、『安定したい……安定、安定、安定』という文字を吹き出しで囲んで、うさぎがそれを話しているようにした。小生は、「そのうさぎも就活生なの? それともライオンに狙われている最中なの?」といったら、「いいの」といって、そのまま何かひたすら絵や文字を書いていた。

このように終始ずっとダラダラしていた。

彼女は急に小生の顔をじっと見て、そのまま止まることがあった。小生が目をそらさないでいたら、彼女も目をそらさなかった。15秒くらいそうしていた。15秒といっても、本当に長い時間だ。これを読んでいる人は、いますぐ誰でもいいから人間を捕まえてやってみると、この長さがわかる。

このデート中に4回ぐらいあった。少し多いはずである。そのすべてを、小生は自分から目を逸した。ドキッとさせたいのか何なのか知らないが、やはり変わったことをする子である。彼女は一度も付き合ったことがないと言っていた。一度も付き合ったことがなく、勉強の虫のような女の子でも、こういうことをするのかと思った。案外こういう子だからするのだろうなと思った。

出会い系というのは、一人デートのようなところがある。匿名性が高く、学校や会社の知り合いもいない、そのような状態で人間同士が会うと、ナチュラルな自己表現の世界になるのである。失うものがないから、こういうことをやってみてもいいかもしれないというチャレンジ精神のようなものをいくらでも試す場となるのである。

彼女のまなざしは、現実と空想がごちゃ混ぜになっているようなチグハグ感があった。恋愛経験が多かったり、キャバ嬢崩れのような女もこういうことをするが、そこに素人臭さを残さない。いや、そんなこともないか。やはりどんな女でも、初めての男と手をつなぐときは、やっぱりどこか素人臭さが残るものである。自分でも何を言いたいのかよくわからないが、要するに、楽しかったということだ。

小生がまったくリアクションしないでいると、「何考えてるかわかんない」と彼女は言った。こっちのセリフである。

そんなふうにして、2回目のデートは終わった。

やれやれ見てらんねーぜ

さてここまで話すと、恋バナが大好きな皆さんは、小生が彼女に恋愛感情があったかどうか気になるのが当然だろう。結論からいってしまうと、ほとんどなかった。まぁ見かけもそれなりに可愛いし、髪があまりにも綺麗で見とれてしまうところがあって、実際によく後ろ姿に見とれていたけど、(それだけでなぜか一緒に歩いているだけで楽しいものである)。しかしなぜか、それほど性的欲求を覚えなかった。

やはり小生はMGS動画に出てくるような女の子たちの方に恋をしてしまうことが多い。簡単に家に連れ込めて簡単にエッチなことができるような女の子の方が、精神的な面でも依存してしまうことが多い。精神的なつながりだったり知的なつながりは、性的方面の関係において邪魔になってくるのである。マザーテレサが美女だったとしても性の対象にはならないようなものだ。

クラブを渡り歩いて、酒を飲んで肉を食いまくってトランスミュージックを背景に踊っているような女の方が、性的魅力を覚えるものである(まぁじっさいそんな事はなく、乃木坂のような子ががいちばん好きになってしまうが。彼女は乃木坂、というわけでもなさそうである)。あるいは思想畑に草が一つも生えていないような女。そちらの方が興奮するものである。精神界の巨人や、すごい芸術的な才能を持つ人、葉っぱのようなものを食べてるミニマリスト、あまり頭のいい女は抱きたくならない。おそらくそれは、女から見た男においても同じだと思われる。外車を乗り回してタワマンで都会の景色を一望しているような男の方が、抱かれる上ではしっくりくるだろう。6畳一間で玄米を食べて過ごしている男というのは、たとえめちゃくちゃイケメンだったとしても、性的魅力を覚えなくなるものである。つまり肉体関係というのは、派手な消費生活の一部であるといえる。

また彼女と小生は、あまりにも格式のようなものが違う気がした。国公立大学を出て、それから公務員だか観光庁だかに就職して、地域に貢献して、キレイな人生を歩んでいく人に思えたから、あまり関わらないほうがいいのかなとすら思っていた。彼女が小生に電話を求めてきたときは応じるが、小生の方から電話は控えたほうがいいのかなとも思っていた。だから彼女とは電話とのやり取りだけで、会う必要は無いだろうと思っていた。彼女のほうもそう思っていたようである。そのため、会ったのはこの2回きりだけである。

なんとなく、彼女の将来において、小生が隣にいる姿は思い浮かばなかった。同じように地域のために走り回っているビジネススーツの男の方が、彼女とお似合いだろう。彼女の両親も安心するだろう。やはりこういう子に対しては、なかなかヤリ捨てる気にはなれないものである。ヤリ捨てされる女は、やはりヤリ捨てされる特性を備えて生まれてきている。

もう一つの理由として、彼女には好きな男がいた。同じ大学のゼミの先輩らしい。聞くところによると、かなりの美少年らしい。王子様系タイプと言っていた。少女漫画に出てきそうな、茶髪で前髪を垂らしていて肌が白く、いつもパーカーを着てアップルのイヤホンをしているらしい。どうして恋愛経験が少ない女は、決まってこういう、ちん毛がそよ風になびいているような男を男を好きになるのか。

その男とは学校で会ったり話しているだけでなく、すでにかなり仲の良い関係らしいが、「ねぇ、わたしが好きって言ったらどうする?」と聞いたところ、「告白するならちゃんと言いなよ。試すのはよくないよ」と一蹴されてしまったらしい。

まるで他人事である。どっかのお節介のキューピットが言うならともかく、当人が言うとは驚きである。こんなセリフは、よっぽど彼女のことを下に見ていないと言えない台詞である。完全に主導権は男のほうにあった。

彼女は、そんなことを言われたあとでも、一生懸命彼の事を追いかけていた。そして小生に電話で相談してきた。届きそうで手が届かない場所にあると、余計に欲しくなってしまうのか。出会い系をやっているんだから、いろんな男と出会ってさっさと恋愛を始めたらいいのに。モテない女ほど、一人の男に固執する。そして、良い条件に巡り会うと、すぐに好きになってしまう。すぐに上書きされる。って、なんで好きな人がいるのに出会い系やってるんだ?

彼の言い分は正しい。ただずるい。ほとんど告白みたいなことをしてきた女の子に対して、そこまで平常心でいられるということが、立派な答えである。この男だって、彼女を試している。もっとガンガン攻めてきてくれたら、考えてもいいよ? と言っているのだ。

いくらそんな王子様だとか清潔がキャンパスを歩いているような男でも、20歳かそこらの男なんてものは、エッチなことしか頭にない。彼女にだけ見えている白のタキシード姿は、精液によるものだったのである……! 20歳や21歳の男だったら、やれるチャンスがあれば必ずやる。それだけの話だ。

彼とは、その後も普通に会って普通に話をしているという。もう自分の気持ちがバレてしまっていてる相手に、何を話すことがあるのだろう? 彼と何かあるたびに、「今日は好きな人にって言ってもらえた」といって、うれしそうに小生に電話をかけてきた。

「もう一度告白しないの?」と聞いたら、「うーん」と言って黙ってしまった。まぁこのように流されてしまったら、二度目は難しいだろう。告白未遂のまま続く関係だってある。しばらくはそうやっていくのだろう。しかし、こんなふうになってしまったら、付き合えたとしてもろくなことにはならない。小生と同じく平等主義者というのは見込み違いだったか。彼女は彼に好かれるために自分を殺し続けるだろう。恋は人を弱くする。

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