女は男にテンポよく結婚まで導いてもらいたくて、そうでないと切る

全ての女性がそうであるとはいわないが、女はつまらない男を求めている。


最近友達が結婚したが、この友達というのは、服装はひどく、会話の端々にセンスがなく、歯が黄色くて、中肉中背で、およそモテるタイプではない。


メールはマメで、感情や心の動作が一定でわかりやすく、どんな出来事でどんな心の動きになるか把握しやすい、俺からでなくても、ほとんどの人間が、この友達に大してわかりやすい人間だと思うだろう。


感情や行動パターンが一定で、複雑なところがない。朝起きて寝て食って風呂入るだけ。人生や人間精神について考えたり、人を見通すような所作はない。一緒にして安心感を覚える。決定的に人間が変化する様子はなく、死ぬまで同じ感情パターンが続くのではないかと思われる。


彼は恋愛に対して迷うことがなく、立ち止まることなく、普通に会話して普通にメールして、おごったり、ラブホ代を全て出したり、淡々とペースを乱すことなく女達に向かってアプローチする。たまに相手からメールが帰ってこなかったり、一緒にいて相手が楽しくなさそうだったりしても、あまり深く考え込まない、焦りを感じることなく、ずっと自分の話や、自分の周りの話をし続ける。人の話を聞くとか、相手をたくさん話して気持ちよくさせるのが大事とか恋愛のテクニック本によく書いてあるが、そんなことは全部無視して、ひたすらつまらない話をずーっと話している。まったく圧迫感というか、張り詰めた緊張の力がない男である。


俺は対照的にひどく無口で、話すことがなければ話さないといった態度で、でもモテたいから傾聴のテクニックや、何か面白いギャグをいったりとか、相手を安心させるために何かしなければとか色々考えて実行するが、それが吉と出たり凶と出たり、色々だ。


普段あんまり考え事をしたり、瞑想をしたり、精神を磨くことに尽力している人間は、人に変な圧迫感を与えてしまうようだ。気をつけていても、張り詰めた何かを与えてしまい、苦手な人には避けられてしまう。一緒にいて安心感を感じてもらえない。


何にも挑戦しない、ただ毎日を何も考えないで世の中に踊らされている人間の方がかえって安心感を覚えてもらえることが多いようだ。気軽に話しかけやすいようだ。舐められているといえばそうかもしれない。


色々恋愛を重ねて、最後に結婚する相手として選ばれるのは、この手のタイプの男が多い気がする。周りの女は、こういう相手と結婚していっている。アイドルですらこういう相手を選ぶ。後藤真希の相手もそんなタイプの匂いがする。淡々と、悩んだり迷ったりすることなく、生来の能天気。たまにうっとおしいことを言わなくもないが、言葉や存在が薄味だ。全部ひっくるめて、まとめてしまうことができそうだ。自分が主導権を握れるような、操作が可能な男と結婚するような気がする。


女の方はこの手の男に性的魅力を感じていない。仕方ないからセックスしている。それが妻の務め、義務だと思っている。めんどくさいときはやらずに、今日は結構気がきくことしてくれたからセックスしてあげるかといったような調子である。


女が結婚相手に何を求めているのか。色々突き詰めていくと、テンポを求めている気がする。

会話も別に大してしたくないけど、さすがにずっと無言だとイライラしてくるし面倒くさい。無言も無言で面倒臭い。ちょうどいい具合にたまに話しかけてほしい。別にすごい内容の話でなくともいい。退屈しのぎというわけでもない、ただちょっと私という存在を意識してもらいたい。気にかけてもらいたい。あまり強く気にかけてもらうのも面倒くさい。私がちょっと話したいときにちょうどそつなく話しかけてくれれば一番だが、そこまではさすがに求めていない。テレビを軽くつけたくなる感じに近く、薄いなんともない会話をちょっとしたくなる。


恋愛期間においては、向こうから誘ってきてほしい。さすがに全部毎回おごれとはいわないが、基本的にはおごってほしい。私払うよというが、それでも断って相手が出してほしい、メールも基本的に相手からおくってほしい。会話に詰まったら相手から話題をだしてほしい。


静かにここちよく、体力を使わず、さらさらとして、何も頭を考えない恋愛がしたいのだ。面倒臭いのを通り越して、テンポが良く、そう、テンポが良く結婚までいきたいと思っている。


たしかに、愛してるとか愛してないとかいうドラマみたいな恋もしてみたいが、それもなんだか疲れる。相手の返信がこないことでもやもやしたり、気が狂ったりする恋も悪くないけど、どうも疲れてしまう。都合がよく、自分の中の感情の線が上がったり下がったりすることなく、綺麗な直線のまま結婚に至りたいと思っている。


いかに成功していようが、いかに金を持っていようが、複雑な感情を持っている男は好まない。多くの場合、偉大な男とは、複雑な感情の持ち主でもあるが。


相手にコントロールされてしまいそうな、舐められやすい男が、すぐ結婚する。俺の周りにはそういう男が結婚相手に選ばれている。


俺がとにかくがんばって何かを突き詰めて複雑になっていけばいくほど、女にモテなくなるような気がする。もちろんこんなのは相対性であって、複雑で緊張感をもった無口な男が好きな人もいるだろうし、例に挙げた友人みたいな、一定の精神状態の人間を好きになる女もいる。


だから気にすることはないだろうし、本当のところ、そんなには気にしていない。


気にしてないのに、なぜこんなにがんばって書くのかというと、やはり、気分の悪さだろう。


雛鳥のように、エサを運ばれるのを口を開けて待っている女の精神が気にくわない。


いくら相手が操作しやすくて舐めやすいからといって、それだけで結婚しようと思うのもバカだと思うし、男というものを舐め腐っている。


ちょうどいい具合に、半自動的に結婚まで連れて行ってくれるような、自分から行動を起こさなくても済むぐらいに疲れ切ってしまっているのだろう。きっと昔はそうではなかったと思える。恋に恋い焦がれる時代もあっただろう。


だが、今では、とにかく自分を怒らせないようにしてくれればそれでいい。一応家事はやる。やることはやるから、とりあえず細かいことはいわないでほしい。感情を波立たせないでほしいとだけ願っているように見える。


出会い系をやっていても、この手のタイプとよく出会う。この手のタイプの女性は癖のある男を嫌う。ちょっとでも個性的な面を見せてしまったらアウトだ。変わり者だけは絶対に避けようとする。


相手に舐められる人間になるために努力するなんてバカバカしいし、間違っていると思うが、そういう男の方が結婚に近い。


そういう男になったら結婚できるかもしれない。だが、なれるものでもない。


そもそもプライドがあるし、個性なんて隠そうとしても隠せないし、トラの部分を持つ男に、女も気づくだろう。舐められる人間はなろうとしてもなれないのものだ。


これは生来のもので、ある意味天才だ。彼女たちは自分が操れるかどうかはすぐに見分けることができる。それは女の勘というべきものか、よく冴えている。とても演技でどうにかるものではない。


俺は彼女たちに嫌われながら、しくしく生きるしかない。向こうが俺を嫌うので俺も腹が立ってきて嫌いになってしまうが、仕方がないことだと思っている。このやり場のない感情は、ここで書きまくって憂さ晴らしする他ない。