自分が女になったつもりでシミュレーションしたら、男に必要なのは勇気ということがわかった。

友達がこんなことを言っていた。

 

「最近、自分が女になったつもりでシミュレーションしてみたら、話しかけてこない男ほど面倒くさいものはない。とにかく面倒くさすぎる。どんなにイケメンでもナシということがわかった」

 

ふむ、たしかにそうかもしれない。では検証してみよう。

 

 

しっかり化粧して、ミニスカート履いて、女子力をぷんぷんに撒き散らして、鏡を見てバッチリだと思う。合間合間にトイレに行って、よく鏡をみてチェックをする。自分が今キラキラしているかどうかを丹念にチェックする。それでひとまず自分に対してOKを出す。

 

合格ラインに至った自分に、誰も話しかけてこないというのは、女として寂しいことはない。

 

女は努力している。その努力の内訳のほとんどは、美を整えるということだけである。それ以外の仕事は男の仕事というわけだ。


しっかり美を整えれば自分の仕事はおしまい。口説いたり連絡先を聞くのは男の役目だ。

 

実際に、ある程度美を整えると、僅かだが、話しかけてくる男はいる。そこに下心があろうがなかろうが、自分に対して興味を示してくれる。これがとても嬉しいし、最低条件でもある。


自分から話しかけてしまうと、負けた気分になるし、なにより面倒くさい。労力がいる。とにかくとにかく面倒くさい。話しかけてくる男がいるわけだから、その中の誰かを選べばいい。わざわざ自分から話しかける理由はない。男なんてどれもこれも大して差なんてないんだから。


女側になってみるとよくわかる。男なんてみんな一緒に見える。自分に話しかけてきた男だけは少し違うのかな? どんな男かな? といくらか興味を持ったりするが、基本的に男は烏合の衆に見える。


自分に話しかけてくれない男は、自分に対して興味があるのかないのかわからない。仮に興味を持ってくれていたとしても、話しかけてこないという度胸のなさが気に入らない。

 

じゃあなに? 私から話しかけなきゃいけないの? 


どっちかが先に話しかけなきゃいけないという戦いをしなくちゃいけないの? ということになる。 


そんなにいい男でなくても、話しかけてきてくれるだけで、面倒臭さが省けるし、少なくとも度胸がある。


ルックスや性格の良さや、勉強ができるとか仕事ができるとか、それ以上に大事なのは勇気だ。勇気のない男ほど女が嫌うものはない。


話しかけようかどうしようかとグズグズしている人間を見ていると。イライラする。


自分のことを気になっているらしき感じは、なんとなく肌感覚でわかる。じゃあ後は話しかけるだけなのに、なにをグズグズしているのか?


さっさとその殻をぶち破ってみろよ! なんでそんなのが破れねーんだよ! ただ話かけるだけだろ!? 気になってんだろワタシが!? 誰に頼まれたわけでもねーのに、一生懸命心の荷物ぶらさげやがって! はやくしろよ! いいから考えるな、話せ!! と急かさずにはいられない。自分は絶対話しかけないのに(笑)。自分からは絶対に話しかけないと決め込んでいる男よりも、うじうじされる方がイラつくのである。期待した分がイラだちになるからか?


自分のことは差し置いて、相手に勇気を強要するのが女だ。


これが上手いとか、あれを上手にできるとか、要領がいいとかは大して関係がない。飛び込める勇気だけが重要だ。


あまり上手く話せなかったとしても、飛び込んできた勇気だけが、輝きを放つ。


この辺は女になって見てよくわかった。そんなにうまく話してくれなくてもいいから、飛び込んできてほしい。


バッチリ綺麗に仕上がった私に対して、下心があろうが、話が下手だろうが、何かとコンタクトを取ってきてほしい気分になることがわかった。

 

綺麗になると、それだけで気分が高揚して、場を支配した気分になる。どんな男でも落とせそうな気分になる。明らかに自分の方が価値が高い。だから、自分から話しかけてはいけない。負けだ。


これも女になったつもりになってみるとわかるが、男というのは、こっちが可愛い格好しているのに、全然話しかけてこないし、話しかけてきても、核心から逃げたどうでもいいことを話すし、いつもグズグズしているな、ということである。


余計なことを言わず、ただ黙って自分の目を見て、好きだと言ってくれる男は少ない。


いつもグレーゾーンの、生ぬるい空気を送り込んでくる。一緒になって、そこで停滞するのは面倒くさい。


だから女側からすると、結局なんなの? あなたは私をどうしたいの? ということになる。

 

かといっても、「えー?」とか「そうなんですかー?」とかクスっと笑うしか女はしない。


今、女になって見て、「えー?」と「そうなんですかー?」しか言わない理由がわかった。


自信があるからだ。「可愛い」という仕事をやりきったから、もう後はなにもすることがないのだ。


話しかけることもしなければ、話しかけられた後も頑張らなくていいと思っている。


自分の仕事は他のところにある。ただ、キラキラした自分を演じることだ。


いつもただキラキラしてるだけで、会話の奥に入っていくなどという展開性がないから、男は本当に苦労するなと思う。話しかけたところで、苦労することがわかりきっているから、話したくもなくなる。


世の中には、優しくて、自分から話しかけてきて、相手をおもてなしすることばかり考えられる女の子もいる。


だが、俺たち男はバカだから、女子力を爆発させて、ただキラキラしてさえいればいいと思っている女を好きになってしまう。


まあ、つまりだ。男も女も勇気が必要という一言に尽きる。