自分のなりたいキャラを目指すのではなく、他人に求められているキャラを目指すこと

友人にとんでもないチビがいる。身長160cmしかなくて、ズングリで、顔もでかくて3頭身のドラえもんみたいな体型をしている。鼻もでかくて、お笑い芸人のようなふざけた顔をしているくせに、髪型は厚めのボブでおしゃれな古着を着てアンニュイを気取っている。川谷絵音みたいなタイプになろうとしている。

 

男から見ると失笑ものだし、女から見ても笑ってしまう。

出会い系でそれなりの成功を収めているので、間違った努力ではないのかもしれないが、人間には自分がなりたいキャラと求められているキャラというものがある。

 

川谷絵音を目指すのであれば167cm以上の身長も必要だし、サイコパスの雰囲気を纏ったり、年齢も32くらいまでないと許されない。このチビは31歳なので、まぁ、ギリギリだ。

 

また、芸術的才能も必要とされる。

個性的なアーティストを気取るには、ただ趣味で洋楽を聴いているような受動型の消費タイプではなくて、アマチュアでもいいので作曲をしたりライブで演奏する生産タイプでなくてはならない。

 

アンニュイで、気難しいような、勘が冴えているような、自動的に物事の真理が見えてしまい、それを音楽に変換させてしまうという性格で生きるなら、ただ音楽を聴いてカラオケで歌っているようじゃ格好がつかないのである。

 

しかし、女は馬鹿で雰囲気で騙されてしまうことも多いので、特別に生産しなくてもアーティストっぽいと思われるかもしれない。

 

例えイケメンでも、タイプに分類できなかったり、見ただけでは何のキャラクターかわからないようなではモテにくい。パッと見ただけでこの人はこういう人なんだと分かるようなキャラクター作りはモテ度に拍車をかける。

 

漫画やアニメでもドラマでも、キャラクターがはっきりしていないと評価は宙ぶらりんになってしまうように、現実世界でも同じことが起こるらしい。黒縁メガネを掛けている人間は全員確信犯で知性的なメガネキャラを演じようとしている。これはちゃんちゃらおかしいことで、ほくそ笑むことに値する(笑)。

 

何者でもない誰かが、見かけや格好だけでも何者になろうとする行為は、自己愛がプンプン臭っているので胃がもたれてしまう。みんな、本人が本人の意思で本人のなりたい者になるよりかは、みんなが望んでいるキャラになって欲しいのだ。

 

俺だけじゃなくて全ての人間がこのチビに求めているものはお笑い芸人風な感じなのだ。

何でもよく笑ってくれて、いつもテンション高くふざけていて欲しい。

アンニュイな感じを持ち出さず、さりげない流し目もやめて欲しい。それをされた瞬間、意識は別のところにあるのだな、俺と話していることに集中することより、格好つけることに忙しいんだなと思ってしまう。

 

ちなみにこのチビは、痔の手術をしていることが周知になっているし(いつも2時間くらいトイレから出てこない)、仕事も全然できず、簡単な伝達すらできない。せいぜい秀でているのはギャグセンスや豪快な笑い方ぐらいなので、お調子者の○○くんみたいな感じで確立してくれた方が有難い。

 

それでも本人は川谷絵音的な雰囲気を出して、やる気はないけどなんでもできてしまうような器用型っぽく演出しようとする。

 

出川哲朗とかカンニング竹山とかを目指して欲しい。体型も似てるんだから。

 

 

 

このチビに限ったことではなく、ほとんどの人間が自分がなりたいものを目指している。

 

その方が自己満足度は高いと思うかもしれないがそれは違う。自分が本当にならなければいけないキャラは自分よりも他人がよく知っている。自分の書きたい作品を描くんじゃなくて他人が求められている作品を描く漫画家のように。誰かが求めているものを目指さなければならない。その方が他人も喜ぶし女からもモテる。環境が好転し、自分にとっても良いことが起こるようになる。人間社会は、それぞれが物々交換や互いに価値を高めあって進化していくようにできているから、本来あるべき自分というものは、他人がそうあって欲しいと願うものでなければならないし、自己愛に流されることなく自然に生きていれば、そこに行き着くようになっている。

 

第一自分が目指したいキャラというのは先に誰かがやっているキャラであってそれを模倣しているに過ぎない。男らしくない行為だ。

 

自分の目指すキャラが分からなかったら友達に聞いてみるといい。口で聞かなくともいい。心で聞くことだ。相手はいつも貴方にどういう人間でいて欲しいのか、サインを出している。

 

過去を振り返ったり、周りの人の反応を注意深く観察し続けていれば、自分が何にならなきゃいけないからというのは分かってくるだろう。

 

宗教とか悟りとか無我の境地とか色々あるけれど、これらは「自分をなくす」ということを教えている。「自分をなくす」ということは他人が求めているキャラクターになりきるということでもある。

 

人はいつも貴方にこうして欲しい。ああして欲しいという空気を出している。

貴方が間違えた発言をしたら、それを咎めたりはしないが空気でそれは違うと教えてくれている。

 

貴方の一番いいキャラクターが出たときは、それを執拗に褒めてくれる。悪い時はあまり言ってくれないが良い時は言ってくれることが多い。